長年の議論を経て、ついに「新サン・シーロ」プロジェクトが動き出した。その象徴となるのが、建設を統括する新会社「Stadio San Siro S.p.A.」の設立だ。そして、その舵取り役に就任したのがオークツリーの幹部キャサリン・ラルフ氏。インテルとミランが完全なパートナーシップを築き、ミラノの未来を形づくる一歩を踏み出した。単なるスタジアム建設ではなく、都市とクラブの再生プロジェクトとして注目される。
新設の「Stadio San Siro S.p.A.」の代表にキャサリン・ラルフ氏が就任。インテルとミランが50:50で出資し、新スタジアム建設を推進する共同体制を確立した。
“Katherine Ralph takes the helm of the newly formed Stadio San Siro S.p.A., tasked with overseeing the construction of the new stadium.”
今回の人事は、経営・金融両面から極めて戦略的な意味を持つ。キャサリン・ラルフ氏はオークツリー・キャピタルのグローバル戦略部門のマネージングディレクターとして知られ、金融構造と投資マネジメントに精通した人物。インテルの資金調達を支えるオークツリーとの関係性を踏まえれば、今回の任命は自然な流れだ。つまり、建設費用や長期運営モデルを安定化させる狙いがある。
「Stadio San Siro S.p.A.」は、インテル側のBlueCo Srlとミラン側のStadco Srlが出資するNSM Holdingの完全子会社で、取締役会は6名で構成。インテルからはマッシミリアーノ・カタネーゼ氏とカルロ・リゴーリ氏が、ミランからはフィリッポ・グイドッティ・モーリ氏らが名を連ねる。両クラブが完全に対等な構成とする点は象徴的であり、これまでの“共存”を超えて“共同運営”へと進化したとも言える。
さらに注目すべきは、この体制が「新サン・シーロ」の長期的ビジョンを実現するための出発点であることだ。単なる競技場の再建ではなく、商業・文化・観光を融合させた複合施設としての都市再開発が視野に入っている。ミラノのスポーツ文化の中心地として、新しい経済圏を創出する可能性もある。
インテルファンとしては、ミランとの共同事業というと一瞬複雑な感情も湧く。しかし、これは単なるライバル同士の協業ではない。サン・シーロという“聖地”を次の世代に残すための大きな決断だ。クラブの垣根を越えて、街とファンが誇れるスタジアムを作る──そう考えれば、胸が熱くなる。キャサリン・ラルフ氏のような金融と経営のプロが舵を取ることで、この巨大プロジェクトが現実味を帯びてきた。インテルとミランがともに未来を描く姿は、ミラノという街の強さそのものを体現している。
「Stadio San Siro S.p.A.」の設立は、新スタジアム建設の実務フェーズへの突入を意味する。今後は設計監修、資金調達、行政協議などが本格化し、2026年以降に着工の見通し。伝統と革新を融合した“次世代の聖地”がどのような姿を見せるのか──ミラノの未来を決定づける数年間が、今まさに始まっている。
記事タイトル: Oaktree Manager Appointed Head Of New San Siro Holding Company
出典元記事URL: https://sempreinter.com/2025/10/15/katherine-ralph-named-chairman-holding-company-charge-san-siro/
公開日: 2025/10/15
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最終更新: 2025年10月15日