インテル、セリエA注目株を現地視察──アキンサンミロ（ピサ）とラツィオ勢2名をリストアップ

インテル・ミラノは未来への投資を怠らない。 若手育成と即戦力補強の両立を掲げるクラブは、セリエAおよび国外の有望株を継続的にチェックしており、その最新の動きとしてスカウトがピサ対ラツィオ戦（0-0）を現地視察したことが明らかになった。 視察対象は、インテルからピサへ期限付き移籍中のナイジェリア人MFエベネゼル・アキンサンミロ、そしてラツィオのマリオ・ヒラとアダム・マルシッチの3名だ。

ニュース要約

『FCInterNews.it』によれば、木曜夜に行われたピサ対ラツィオ戦にインテルのスカウトが来場し、アキンサンミロ、ヒラ、マルシッチのプレーをチェックした。

• エベネゼル・アキンサンミロ（ピサ／21歳） 　インテルからのレンタル移籍中。買取オプションは600万ユーロ、さらにインテル側には買い戻し権（カウンターオプション）が設定されている。 　今季はピサで中盤の主力に定着し、アルベルト・ジラルディーノ監督の下で攻守両面に貢献。テクニックと左足の展開力、エネルギッシュな守備が高く評価されている。

• マリオ・ヒラ（ラツィオ／24歳） 　以前からインテルが注目していたセンターバック。移籍交渉は一時停滞しているものの、依然として候補リストに残っている。

• アダム・マルシッチ（ラツィオ／32歳） 　2026年夏に契約満了を迎える見込みで、フリー移籍の可能性がある。経験豊富なウイングバックとしてバックアップ候補に。

“Inter’s continued presence at domestic fixtures highlights their dual focus — nurturing young talents like Akinsanmiro while monitoring Serie A-ready reinforcements.”

分析・考察

アキンサンミロは、いま最もインテルが慎重に見極めている“育成レンタル組”のひとりだ。 サンプドリアでの実戦経験を経て、今季ピサでは守備的MFとして成熟を見せており、インテル内部では「将来のフレンドルップ枠」として評価されている。来夏の買い戻し行使は十分現実的だ。 一方、ヒラやマルシッチの視察は守備再構築プロジェクトの一環だろう。アチェルビとデ・フライの退団が既定路線とされる中、ヒラはビセックと並ぶ次世代センターバック候補としてリストに残っている。

スカウトがセリエA国内戦を中心に活動していることは、インテルの補強方針が「即戦力＋育成型のハイブリッド構想」に移行している証拠でもある。

感想

アキンサンミロの成長スピードには驚かされる。インテル所属時はまだ粗削りだったが、ピサでは中盤の重心としてプレッシングと展開の両面で存在感を発揮している。 正直、彼を完全移籍で失うのは惜しい。だが、買い戻しオプション付きでのローンという形は、まさにインテルの賢い育成戦略を象徴している。 ヒラについても、ラツィオでの出場機会が増える中でプレースタイルの成熟が見える。来夏のセンターバック再編に向け、引き続き注目すべき存在だ。

まとめ・今後の展望

インテルは今後も、若手レンタル組と国内即戦力の両軸を追い続ける見通し。 特にアキンサンミロの成長次第では、2025-26シーズンのトップチーム復帰も十分あり得る。 また、ヒラやマルシッチらセリエA内の実力者を早期にリストアップしておくことで、守備再構築の布石を着実に打っている。

若手育成と補強を並行して進める――それがキヴ体制のインテルの新しい常識になりつつある。