
セリエAを追いかけていると、ピッチの上だけでなく“サッカーが人生にもたらす物語”に心を揺さぶられる瞬間がある。リリアン・テュラムがグラン・ガラ・デル・カルチョで生涯功労賞を受賞したというニュースは、まさにその一つだ。パルマ、ユベントス、バルセロナで頂点を極めた名DFが、今はマルクス(インテル)とケフラン(ユベントス)という二人の息子を持つ父として、サッカーと人生を語る。その言葉には、インテルファンとしても、サッカー親としても胸に刺さるものがあった。今回は、この授賞とコメントから見えてくる「親としてのテュラム像」と、フットボールが世代を超えてつなぐものを考えてみたい。
リリアン・テュラムがミラノで行われたグラン・ガラ・デル・カルチョで生涯功労賞を受賞。自身のキャリアを振り返りつつ、インテルのFWマルクス、ユベントスのMFケフランという二人の息子について、「このレベルでプレーするとは思っていなかった」と率直な驚きと喜びを語った。さらに、父として子どもたちから学んだことや、今も続ける反人種差別への思いをあらためて訴えている。
“I honestly didn’t expect to see them playing at this level, but now I am happy, because they are both happy.”
今回の授賞は、単に一人のレジェンドのキャリアを称えるだけではなく、「親と子」が同じ競技でトップレベルに到達した稀有なケースとしても象徴的だ。テュラムはイタリアで多くの成功を収めたフランス人DFとして記憶されているが、その子どもたちが今、セリエAのライバルクラブであるインテルとユベントスにそれぞれ所属しているという構図も非常にドラマチックだ。
興味深いのは、テュラムが「子どもたちには、ただサッカーを楽しんでほしかった」と語っている点だ。周囲からは「父が元プロだからこそ、プレッシャーになる」「サッカーをさせるべきではない」といった声もあったという。しかし彼は、競技としての成功よりも、まず“遊びとしてのサッカー”、“喜びとしてのサッカー”を優先した。その結果として、マルクスもケフランもトップレベルに辿り着いたというストーリーは、育成論という観点からも示唆に富んでいる。
また、「マルクスから父として学んだ」と語るくだりも印象的だ。真面目さと笑顔は両立するというメッセージは、結果を求められすぎる現代フットボールへのアンチテーゼとも言える。さらにテュラムは、現役時代から一貫して反人種差別の活動を続けており、「社会は人種差別や性差別の上に構造化されている」という厳しい現実をあらためて指摘している。スタジアムの中だけでなく、サッカーを通して社会の問題に目を向けるべきだという姿勢は、今の時代だからこそより重みを増している。
今回の受賞は、テュラムという一人のレジェンドの“区切り”というより、新たなスタート地点にも見える。ピッチを離れても、彼は社会問題に声を上げ続け、二人の息子はそれぞれインテルとユベントスでキャリアのピークへ向かって歩んでいる。今後、マルクスとケフランがセリエAやチャンピオンズリーグの大舞台でどんな物語を紡いでいくのか、そして父が掲げる「公平さ」と「反差別」のメッセージをどう体現していくのか――フットボールは、結果だけでなく、こうした“生き方”を見つめるスポーツでもあるのだと、あらためて感じさせられる出来事だった。
記事タイトル: Lilian Thuram: ‘I learned something special from Marcus’
出典元記事URL: https://football-italia.net/lilian-thuram-i-learned-something-from-marcus/
公開日: 2025/12/1
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スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に、AI・IT技術やサイト運用ノウハウも発信しています。
最終更新: 2025年12月2日
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