
インテルを離れて数か月、デンゼル・ダンフリースがようやく胸の内を明かした。語られたのは弁明でも古巣への当てつけでもなく、五年間を「家族」と呼ぶ率直な感謝と、いつかの再会への含みだった。スクデットを知る右翼は、マドリードからミラノをどう見ているのか。条件付きの帰還宣言に、ネラッズーリのファンは何を思うのか。
オランダ代表の右ウイングバック、デンゼル・ダンフリース(Denzel Dumfries)が、イタリア紙「リベロ」(Libero)のインタビューに応じた。公開は10月3日で、ジャンルカ・ディ・マルツィオ(Gianluca Di Marzio)のサイト、リンテリスタ(Linterista.it)、スパツィオ・インテル(Spazio Inter)が発言を拾っている。ダンフリースは今夏、レアル・マドリード(Real Madrid)へ移籍した。
退団の理由について、本人は「インテルで5年を過ごし、何か新しいことを試す時だと感じた」と説明した。インテルとは無関係の判断で、ミラノでは素晴らしい時期を過ごしたとも強調している。マドリードについては「美しい街で、本当に幸せ」「レアルは自分にとって世界最大のクラブで、ここでプレーできるのは特権」と語った。
古巣との線は切れていない。多くの選手と連絡を取り合い、インテルが得点すれば自分のことのように嬉しいという。マルクス(Marcus)とは今も同じ悪ふざけをして、何でも話してくれるとのことだ。ジュゼッペ・マロッタ会長とピエロ・アウジリオは「二人の素晴らしい人」で、契約更新を話し合ったときも互いに率直だったと明かした。
原文: "Bisogna vedere se mi vorranno ancora dopo la mia carriera a Madrid! In ogni caso sarò legato all'Inter per il resto della mia vita."
訳: 「マドリードでのキャリアのあとに、まだ僕を望んでくれるかを見ないとね! いずれにせよ、僕は一生インテルとつながっている」
原文: "In questi cinque anni siamo diventati una famiglia."
訳: 「この五年間で、僕たちは家族になった」
※いずれもリベロ紙の発言を、Linterista.itおよびSpazio Interが転記した文言による。リベロ紙の全文は確認できていない。
本人は退団を「インテルとは無関係」と語るが、今夏の報道を振り返ると、レアルが解除条項を行使して退団が決まった経緯があり、後継探しがクラブの大きな課題になった。契約更新の協議が「率直」だったという証言を合わせると、金額や時間をめぐる摩擦が表に出なかったことは示唆される。ただし、元記事から更新交渉の中身までは読み取れない。感謝を向けられたアウジリオは、9月に後任のダリオ・バッチン(Dario Baccin)へ役職を譲った。去った選手と退いたSDが互いに敬意を保つ構図は、クラブの対外的な印象を支える資産になると考えられる。
ダンフリースが担った右ウイングバックは、攻守の運動量と縦への推進力を一人で背負うポジションだった。今季はジェド・スペンス(Djed Spence)が戦力として加わり、10月3日のルメッザーネとの非公開練習試合に出場した。スペンスが同じ役割を果たせるかは未知数で、ダンフリースの重さを数字や得点で語るほど単純ではないと考えられる。クリスティアン・キブ(Cristian Chivu)監督が同じ型の選手を求めるのか、別のタイプで右サイドを組み直すのかは、パルマ戦以降の起用から読み取れる可能性がある。
「現役を終えるころに、まだ望まれるか」という言い方は、復帰の約束ではない。それでも、最初のスクデットを思い出の筆頭に挙げ、二つ目の星を「永遠に歴史に残る」と語る選手が、古巣に扉を残した事実は重い。ネラッズーリには、一度去ってから別の形でクラブに関わり続ける人物の系譜がある。ダンフリースがその列に加わるかどうかは、レアルでの歩み次第であり、数年先の話は流動的だと推察される。いまは、退団を美談に変えるファンの反応のほうが先に動くかもしれない。
別れの言葉に棘はなかった。帰還の約束もなかった。あるのは五年分の「家族」という記憶と、少しだけ開けたままの扉だけだ。次にあの右サイドで彼を見る日が来るなら、そのとき着ているのはどの色なのか。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年10月4日
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