
戦術用語集
欧州サッカーの試合や記事でよく出てくる言葉を、意味と実際の使われ方でまとめました。
ポジショナルプレー
juego de posición/Positional Play
ピッチを区画に分け、選手どうしの立ち位置の約束を守ることで、ボール保持者に常に複数のパスコースを用意し、数的・質的・位置的な優位をつくって前進する攻撃の考え方です。
リレーショナルプレー
Relationism/Relational play/関係主義/Dinizism
決まった区画を埋めるのではなく、選手がボールの近くに集まり、短いパスの交換と位置の入れ替えで前進する攻撃の考え方です。ブラジルのフェルナンド・ディニス監督の指導で広く知られるようになりました。
ハーフスペース
Halbraum/Half-space/inside channel/インサイドチャンネル
ピッチを縦に5本のレーンに分けたとき、中央レーンと両サイドのレーンの間にある2本の帯のことです。中央ほど混み合わず、サイドより多くの選択肢を持てるため、攻撃の要の選手が狙う場所になっています。
5レーン
Five lanes/five vertical lanes/five corridors/5レーン理論
ピッチを縦に5本の帯(レーン)に分け、両サイド・左右のハーフスペース・中央をそれぞれ誰が埋めるかで攻撃の配置を考える枠組みです。グアルディオラのチームで広く知られました。
サードマン(3人目の動き)
Third-man run/Third man/tercer hombre/terzo uomo/3人目の動き
直接パスを通せない味方に、別の味方を経由してボールを届ける崩し方です。2人がパスを交換している間に、3人目が相手の空けたスペースへ走り込んで受けます。
オーバーロード
Overload/数的優位
ピッチの特定の区域に相手より多い人数をそろえることです。サイドで2対1をつくって崩すほか、片側に人数をかけて相手を寄せ、逆サイドで1対1を生む「オーバーロード・トゥ・アイソレート」にも使われます。
ゲーゲンプレス
Gegenpressing/カウンタープレス/Counter-pressing
ボールを失った直後、その場にいる複数の選手で一気に囲み込み、相手が落ち着く前に奪い返す守り方です。奪われた瞬間をそのまま攻撃の好機に変えるのが狙いです。
トランジション(攻守の切り替え)
Transition/攻守の切り替え/ポジティブ・トランジション/ネガティブ・トランジション
ボールを奪った瞬間、または奪われた瞬間のことです。相手の陣形が整っていない数秒をどう使うか、どう守るかで、試合の流れが大きく変わります。
偽9番
False nine/False 9/ファルソ・ヌエベ(falso nueve)/ゼロトップ
センターフォワードの位置から中盤へ下がってボールを受けるストライカーのことです。相手のセンターバックを前へ引き出し、空いた背後や中央を味方に使わせます。
偽サイドバック(インバーテッド・フルバック)
Inverted full-back/False full-back/偽SB/インバーテッド・フルバック
攻撃のときにタッチライン際ではなく中央の中盤へ入ってくるサイドバックのことです。中盤の人数を増やしてパスをつなぎやすくし、ボールを失ったときの備えにもなります。
GKを使ったビルドアップ
Goalkeeper build-up/Playing out from the back
ゴールキーパーを11人目のフィールドプレーヤーのように使い、後方からのパス回しに参加させる組み立て方です。相手のプレスに対して数的優位を作れます。
バスを停める
Parking the bus/Park the bus/バスを置く
ほぼ全員が自陣のペナルティーエリア付近まで下がり、ゴール前を人で埋めて失点を防ぐことだけに徹する、極端に守備的な戦い方を指す言い回しです。
カテナチオ
Catenaccio/かんぬき/ヴェルー(Verrou)
イタリア語で「かんぬき(扉の錠)」を意味する守備戦術です。DFラインの後ろに自由に動くリベロを置き、ほかの守備者は相手をマンツーマンで捕まえて、奪ったら素早いカウンターに出ます。
ハイブロック・ミドルブロック・ローブロック
High block/Mid-block/Low block/守備ブロック
ボールを持っていない時間に、チーム全体の守備の陣形をピッチのどの高さに構えるかを表す言葉です。相手陣で奪いにいくハイ、中央を固めるミドル、自陣深くで守るローの3段階で語られます。
マンツーマン守備
Man-to-man marking/Man-marking/マンマーク/マンツーマンディフェンス
守備の選手一人ひとりが相手の特定の選手を担当し、その選手がどこへ動いてもついていく守り方です。空いたスペースより「人」を基準に守る点で、ゾーンディフェンスと対になります。
レストディフェンス
Rest defence/Restverteidigung
自分たちが攻めているあいだに、ボールを失ったときに備えて後方に残しておく選手たちの配置と役割のことです。カウンターを未然に防ぎ、相手を敵陣に閉じ込めておくための仕組みです。






