
5月13日水曜21時、スタディオ・オリンピコ。クリスティアン・キブのインテルが2冠を狙い、マウリツィオ・サッリのラツィオが阻む。だが本物のドラマは、ベンチに座れない男と、左ヒラメ筋に足を引かれた男という、2つの欠場が物語る。同じピッチで4日前に演じられた3-0という結末を、両者はどう書き換えるか、あるいは追認するか。26年ぶりとなる決勝の再戦の輪郭。
2026年5月13日、スタディオ・オリンピコでコッパ・イタリア決勝、SSラツィオ対FCインテルナツィオナーレ・ミラノが行われる。インテルはセリエA優勝(5月3日対パルマ戦で確定、21個目のスクデット)に続く2冠を狙う立場、ラツィオはマウリツィオ・サッリのキャリア初のコッパ・イタリア優勝と次季EL出場権を懸けて戦う。
両者は同じスタディオ・オリンピコで5月9日(土)にセリエA第36節として対戦したばかりで、ラウタロ・マルティネス(Lautaro Martínez)、ペタル・スチッチ(Petar Sučić)、ヘンリク・ムキタリャン(Henrikh Mkhitaryan)のゴールでインテルが3-0で勝利している。試合後、サッリ自身が「両チームの技術差は明らかだった」と認めたことは、コリエレ・デロ・スポルトおよびスポルト・メディアセットが伝えている。
決勝に向けて両陣営は複数の重大な変動要因を抱える。最も大きいのがサッリ自身のベンチ不在、そしてハカン・チャルハノール(Hakan Çalhanoğlu)の離脱である。
原文: "L'Inter non sottovaluterà l'impegno, è abituata a queste partite. L'Inter comunque ha tutto da perdere. Per affrontare l'Inter serve la partita perfetta, anche di grande umiltà."
訳: 「インテルはこの試合を軽視しないだろう、こうした試合に慣れているから。それでもインテルにはすべてを失うリスクがある。インテルと対峙するには、謙虚さも含めた完璧な試合をする必要がある」(ラツィオOBロベルト・ランバウディ、Radiosei、4月29日)
ラツィオはこの決勝、自軍の指揮官をベンチに置けない。マウリツィオ・サッリは4月22日のコッパ・イタリア準決勝第2戦、対アタランタ戦の終盤、両ベンチ間の口論で警告を受け、当時diffidato(累積警告状態)だったため、自動的に決勝出場停止が確定した。コリエレ・デロ・スポルトが4月23日にこの判決を伝え、ラツィオは公式にこの事実を受け入れている。
サッリにとっての皮肉は層が厚い。彼はこのキャリアでコッパ・イタリアを一度も制していない。チェルシーでEL、ナポリで3度のセリエA2位、ユヴェントスでセリエA優勝。だがコッパは未踏のタイトルだった。その初優勝のチャンスを、自分はベンチではなくスタンドで見守ることになると考えられる。
戦術的にもこれは小さくない。サッリの4-3-3は緻密な指示と試合中のリアルタイム調整に支えられた構築物であり、ロベルト・ランバウディも「サッリのみが知る」と4月29日のインタビューで述べた通り、その代替は容易ではない。技術的にはコーチングスタッフが指揮を執ることになるが、思想の一貫性をピッチに伝える経路が一段細くなる事実は否定できない。
インテルにとっての主要な懸念がハカン・チャルハノールの状態である。トルコ代表のレジスタは4月17日のカリアーリ戦で左ヒラメ筋を痛め、それ以降アッピアーノ・ジェンティーレで個別練習を続けている。スカイ・スポーツは5月7日時点で「決勝への回復は望み薄、医療スタッフはベンチ入りを目指す状況」と伝えた。同様の負傷で1月にも5試合を欠場した経緯があり、本人は2026年6月に控えるW杯(トルコ代表)への影響を考慮し、無理をしない判断を下していると複数の媒体が報じている。
代替の候補はピオトル・ジェリンスキ(Piotr Zieliński)が筆頭となる。スポルト・メディアセットおよびFCインテルナツィオナーレ・ニュースの戦術プレビューでは、ジェリンスキがレジスタに入り、スチッチまたはムキタリャンがニコロ・バレッラ(Nicolò Barella)の相方となる布陣が予想されている。
ジェリンスキは25-26シーズンに重要場面でチャルハノールの代わりを務めて結果を残してきた経緯があり、25年12月のボローニャ戦のようにキブが彼を信頼してきたサンプルもある。ただ、レジスタとしての展開力ではチャルハノールの域には達しないと考えられる。決勝の結果を左右するのは、ジェリンスキが保持局面で時間を作れるか、そしてラツィオが彼にプレッシャーをかけ切れるかという質的論点になるだろう。
両陣営は試合直後から「決勝はまた別の試合だ」と口を揃える。だが0-3という結末は、両者の関係性について少なくない情報を含むと考えられる。
5月9日のリーグ戦では、キブはヨゼプ・マルティネス(Josep Martínez)、ヤン=ヘンリク・ビセック(Yann Bisseck)、フランチェスコ・アチェルビ(Francesco Acerbi)、アンディ・ディウフ(Andy Diouf)ら普段控えに回る選手を多数起用したターンオーバーを敷きつつも、ラウタロとマルクス・テュラム(Marcus Thuram)の2トップは先発で起用した(テュラムは後半開始時にアシュ=ヨアン・ボニーと交代、バレッラもダヴィデ・フラッテージと同時に交代)。それでも開始15分で試合の主導権を握り、最後まで支配した。サッリは試合後、「両チームの技術差は明らかだった」と公にも認めている。
決勝でラツィオがどう挽回するかは、現時点では明確な戦術的根拠が見えにくい。マッティーア・ザッカーニ(Mattia Zaccagni)の復帰は朗報だが、サッリ不在を補うほどの戦力的補強とは言い難い。インテル側が3バックに本来のアレッサンドロ・バストーニ(Alessandro Bastoni)、マヌエル・アカンジ(Manuel Akanji)を戻し、両WBにフェデリコ・ディマルコ(Federico Dimarco)とデンゼル・ドゥンフリース(Denzel Dumfries)を配置した本来の布陣で臨めば、リーグ戦のスコアラインが偶発的でなかったことを再確認する展開もあり得ると推察できる。
26年前、ラツィオは2試合制の決勝でインテルを下して国内2冠を達成した。今回は1試合制、ベンチには指揮官がおらず、相手のレジスタも欠場の見込み。両者の「不在」を勝者の優位に変えるのは、最後にどちらの戦術が機能した側か。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年5月10日
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