
ピッチの外でも、インテルは静かに前進していた。2025-26年度決算で純資産がついにプラスへ転じ、純利益は2270万ユーロ、2期連続の黒字を計上した。前年度に比べ利益額こそ縮小したが、その中身を見れば一過性の特需に頼らない体質改善が進んでいることがわかる。オークツリー体制が積み上げてきた数字は、何を物語るのか。
2026年9月24日、[[インテル・ミラノ]]の取締役会(Cda)が2025-26年度決算を承認したことが、[[Corriere dello Sport]]や[[Calcio e Finanza]]など複数の媒体を通じて明らかになった。総収益は5億1800万ユーロで、クラブ史上2番目の規模。純利益は2270万ユーロとなり、2期連続の黒字を確保した。
最大のトピックは純資産(patrimonio netto)の動きだ。前年度がマイナス1200万ユーロだったのに対し、今年度はプラス1040万ユーロへと転換。実質的な財務体質の改善を示す数字として注目に値する。商業収益はファナティクス社との新契約が牽引し前年比7%増、生産コストは約2000万ユーロ(4%減)、金融費用は50%減少し約1900万ユーロの削減効果があったという。選手売却益も1100万ユーロ増加し、選手登録権の減価償却費は800万ユーロ縮小した。
前年度の5億6700万ユーロという収益は、クラブワールドカップ出場とチャンピオンズリーグ決勝進出という一過性の特別収入によって押し上げられたものだった。それと比較すれば今年度の減収は当然の帰結とも言えるが、裏を返せば特需に頼らない通常営業の改善がここに来て実を結んだとも読み取れる。決算の最終承認は10月中旬に予定される株主総会で行われる見通しだ。
※本記事には直接引用可能な発言は含まれていない。
純資産がマイナスからプラスへ転じたという事実は、単年度の黒字よりも重い意味を持つと考えられる。単年度利益はチャンピオンズリーグの進出度合いなど外部要因に左右されやすいが、純資産は積み上げの結果であり、クラブの体力そのものを映す指標だからだ。オークツリーが掲げてきた「持続可能な経営基盤の構築」という目標が、数字の上でひとつの区切りを迎えたと言えそうだ。
金融費用の50%削減という数字は、単なる節約ではなく負債構造そのものの改善を示唆していると考えられる。生産コストの4%減も、選手人件費や移籍関連支出を野放図に拡大させない規律を保ちながらチーム力を維持してきたことの裏返しだろう。派手な大型補強に頼らず、[[ピオ・エスポージト]]のような下部組織出身選手を積極的に起用する編成方針とも整合的な数字だと感じられる。
一方で、純利益そのものは前年度より減少しており、手放しで礼賛できる決算とは言い切れない面もある。特需のあった前年度との単純比較が難しいことを差し引いても、収益基盤をさらに拡大できるかどうかは今後の課題として残るだろう。オークツリーによる保有が続く中、クラブの将来的な売却や資本政策に関心を持つファンにとっても、今回の数字は判断材料のひとつになり得ると考えられる。
純資産プラス転換という地味だが重い到達点。派手な補強のニュースの陰で、インテルの台所事情は着実に整いつつある。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年9月25日
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