
サン・シーロのゴールマウスを巡る夏の構図が、また書き換えられそうだ。ガゼッタ・デッロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)によれば、インテル・ミラノ(Inter Milan)はジュゼップ・マルティネス(Josep Martinez)を来季の正GKに据え、その控えとしてアーセナル(Arsenal)所属のスペイン人GKケパ・アリサバラガ(Kepa Arrizabalaga)の獲得を検討している。トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)のグリエルモ・ヴィカリオ(Guglielmo Vicario)の高額な要求と、マルティネス自身の好パフォーマンスを受けた戦略転換だ。CL(チャンピオンズリーグ)2回、プレミアリーグ(Premier League)、ラ・リーガ(La Liga)など豊富なタイトル経験を持つ31歳の経験者が、若き正GKを支える役割としてサン・シーロに来る可能性が浮上した。
インテルのGK問題は、ここ数週間で大きく方針転換している状況だ。
当初の計画はトッテナムからヴィカリオを獲得することだった。ヴィカリオとは個人的合意も成立済みだったが、トッテナム側の要求額(2000万ユーロ)と、限られた4000万〜5000万ユーロの基本予算の中での優先順位の判断から、インテルは別の選択肢を検討するようになった。
その代替案がマルティネスの正GK昇格だ。27歳のスペイン人GKは2024年夏にジェノア(Genoa)から1400万ユーロで加入し、今季はヤン・ゾマー(Yann Sommer)の控えとして全コンペティション10試合に出場。コッパ・イタリア(Coppa Italia)決勝やラツィオ(Lazio)戦などの重要な場面でも安定感を見せた。
そしてガゼッタが新たに伝えたのが、マルティネスの控えとしてのケパ獲得案だ。
31歳のケパは、世界サッカーの最前線で多くの経験を積んだベテランだ。チェルシー(Chelsea)から580万ユーロでアーセナルに移籍した今季は11試合の出場にとどまり、控えGKとしての立場に納得している。
ケパの実績は驚くべきものだ。CL優勝2回(チェルシー時代)、ヨーロッパリーグ(Europa League)、クラブW杯、UEFAスーパーカップ、プレミアリーグ、ラ・リーガ、スペイン・スーパーカップ——主要な欧州タイトルをほぼ網羅している。プレッシャーのかかる試合経験は他のあらゆるGK候補を凌ぐレベルだ。
ガゼッタによれば、ケパが27歳のマルティネスを「経験を持って導く役割」を期待されている。若き正GKに対する経験豊富な指導者であり、緊急時のバックアップとしても機能する——理想的な「セカンドキーパー」の構造だ。
戦略転換の経済的メリットは明白だ。ヴィカリオの2000万ユーロを支払う代わりに、ケパを比較的低額(おそらく数百万ユーロ以下、または契約解除合意経由でフリー)で獲得すれば、その差額は1500万ユーロ以上に達する。さらにマルティネスは既に保有している選手であり、追加の獲得コストがゼロだ。この差額をCB補強(ムハレモヴィッチ=Tarik Muharemovic、ソレ=Oumar Solet)や中盤補強(ジョーンズ=Curtis Jones、コネ=Manu Kone)に振り向けることができる。マロッタ(Beppe Marotta)会長が掲げる「革命ではなく進化」のなかで、限られた予算を最大限効率的に使う典型例と言える。リスクとしては、マルティネスが正GKとしての重圧に耐えられるかという未知数があるが、コッパ決勝で安定感を見せた事実が一定の保証になっている。
ケパがインテルに来た場合の最大の価値は、ピッチでの出場機会というよりも、ロッカールームでの存在感だ。CL優勝2回、プレミア・ラ・リーガ・スーペルコッパ・クラブW杯——プレッシャーのかかる試合での経験は、若き正GKマルティネスに伝授できる無形の資産だ。マルティネスは2025年10月の交通事故で81歳の男性が亡くなる事故を経験しており、ピッチ外でも精神的な負担を抱えてきた。そのような状況下で正GKに昇格する選手にとって、経験豊富なベテランの存在は技術指導以上に精神的な支えとなる。さらに、長期戦のシーズンで負傷や不調が発生した際、即座にプレッシャーのかかる試合に出場できる質を持つ控えGKは、特にCLグループステージ突破を目指すチームには不可欠だ。今季マルティネスを正GKに据える方針は、ケパの「保険」があってこそ実現可能なシナリオと言える。
インテルがヴィカリオを諦めることで、彼の去就はラツィオやACミラン(AC Milan)などイタリアの他クラブへと向かう可能性が出てくる。ヴィカリオはイタリア代表(Italy)でドンナルンマ(Gianluigi Donnarumma)に次ぐGK候補として育成中の選手だ。トッテナムでの立場が不安定ななかで、セリエA(Serie A)への帰還は代表での競争力を維持するために合理的な選択になる。一方でケパのインテル加入は、スペイン代表(Spain)のGK争いには直接的な影響を及ぼさない(ウナイ・シモン=Unai Simonが正GK)。マルティネスもスペイン代表での争いには加わっていないため、ケパとの組み合わせは「スペイン人2人体制」となるが、両者ともに代表での競争に巻き込まれない安定した立場を持っている。これはチームの安定にも貢献する要素になる。
ヴィカリオが消え、マルティネスが昇格し、ケパが影で支える——インテルのGK陣の夏は、当初の計画から大きく形を変えそうだ。1400万ユーロで獲得した男が正GKに、580万ユーロで世界のトップクラブを渡り歩いてきたベテランが控えに。「数字の魔法」を駆使するマロッタの夏の構想が、また具体性を増した。
記事タイトル: Report Inter turn to Kepa from Arsenal as Martinez understudy
出典元記事URL: https://football-italia.net/report-inter-turn-kepa-from-arsenal-martinez/
公開日: 2026/5/21
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スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年5月22日
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