
夏の市場が閉じてまだひと月も経たないというのに、インテルの編成室ではもう次の一手が動き出している。ザンボ・アンギサをめぐってユヴェントスと鞘当てを演じる一方、守備陣と正GK争いにまで触手を伸ばすマロッタの視線の先には、契約満了が迫る三人の異国の才能がいた。無償で獲れるはずの逸材を、誰よりも早く口説き落とせるか。
『トゥットスポルト』が28日、マロッタ会長が主導する「ゼロ円移籍」戦略の全貌を報じた。柱となるのは中盤のザンボ・アンギサに加え、守備陣のクリス・リチャーズ、そしてGKのアレックス・メレとサンティアゴ・ベルトランの4人。いずれも契約満了、あるいは更新交渉が停滞している選手で、無償での獲得が視野に入るという構図だ。
守備面ではクリスタル・パレス所属のクリス・リチャーズが名を連ねる。バイエルン・ミュンヘンでの下積みを経て、クリスタル・パレスで3バックの一角として経験を積んできた26歳で、インテルは以前から継続的に監視を続けてきた対象だと伝えられている。GK争いでは、ナポリのアレックス・メレが浮上した。アッレグリ体制下で正GKに復帰したメレの契約は2027年6月まで。インテルは代理人フェデリコ・パストレッロとの交渉を注視している。もう一人のGK候補、リバー・プレートの21歳サンティアゴ・ベルトランは契約が12月末に切れる見込みで、ユヴェントスやレアル・マドリード、マンチェスター・ユナイテッドも追っていると伝えられる若き守護神だ。
バッチン体制下でのスカウティング網は、南米から北米、そしてプレミアリーグまで広く張られていることがこの報道からも見て取れる。
移籍金がかからない分、契約金とエージェント報酬が跳ね上がりやすいのがフリー移籍の常だ。とはいえ、夏の市場で大型補強を続けてきたインテルにとって、FFP(財政的フェアプレー)を意識した編成の「息継ぎ」として機能する可能性は高いと考えられる。アンギサ、リチャーズ、メレ、ベルトランという顔ぶれは、いずれも即戦力かポテンシャルの両方を兼ね備えており、単なる数合わせではなく計算された補強リストと見るのが妥当だろう。
現状の正GKはジョゼップ・マルティネスで、控えにイヴァン・プロヴェデルを置く体制だが、メレとベルトランという二人の候補が同時に浮上したことは意味深長だ。メレは即戦力、ベルトランは将来性という住み分けで、どちらか一方、あるいは将来的に両方の獲得もありうると推察される。GKというポジションの特殊性を考えれば、複数候補を並行して追うのは自然な動きとも言えるだろう。
南米(ベルトラン)、イングランド(リチャーズ)、国内ライバル(メレ、アンギサ)と、獲得候補の出どころが多岐にわたる点も見逃せない。ディレクター就任からまだ日の浅いバッチンだが、すでに南米ネットワークを含む広範なスカウティング体制を築きつつあると考えられ、今後の編成の幅を占う材料になりそうだ。
契約満了という「待てば安くなる」市場の力学を、マロッタは冷静に見極めている。リチャーズかメレか、あるいはベルトランか。答えが出るのはまだ先だが、ゼロ円補強の行方はインテルの来夏を占う重要な伏線になる。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年9月28日
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