
ローマ(Roma)の財政事情が、有望株の去就に複雑な影を落としている。コリエーレ・デッロ・スポルト(Corriere dello Sport)の報道によれば、ローマはユース出身のイタリア代表MFニッコロ・ピジッリ(Niccolo Pisilli)を今夏手放したくない意向を明確にし、インテル・ミラノ(Inter Milan)やポルト(Porto)などの関心を退けるため、価格を3500万ユーロに設定した。FFP(ファイナンシャル・フェアプレー)対応で資金調達を迫られながらも、主力アセットは守りたい——アカデミー出身のため売却額が「全額利益」となる21歳を、それでもローマは高値をつけて事実上の非売品扱いにしている。アウジーリオ(Piero Ausilio)が「ピジッリにまったく関心がない」と否定したばかりのなか、この価格設定は交渉の扉をさらに狭めている。
ピジッリを巡る状況は、ローマのFFP事情と選手保持の意向が衝突する構図だ。
ピジッリは、ローマのFFP状況を改善するためにスタディオ・オリンピコからの移籍が取り沙汰される選手リストに含まれている。資金調達のため、コネ(Manu Kone)、エンディカ(Evan Ndicka)、ミレ・スヴィラール(Mile Svilar)らも退団候補として名前が挙がってきた。
しかしコリエーレ・デッロ・スポルトによれば、ローマは主力アセットを維持したい意向で、たとえUEFAからさらなる制限や罰金を受けることになってもその方針を貫く構えだ。
仮にローマがピジッリを売却すれば、21歳がクラブのアカデミー出身であるため、いかなる移籍金も100%の利益として計上される。FFP対応の観点では、ピジッリの売却は極めて効率的な資金調達手段だ。
それでも、ジャッロロッシはこのMFを手放したくない様子だ。ピジッリは2025-26シーズン後半に、より定期的な出場機会を得て、安定したパフォーマンスで印象を残し始めた選手だ。
実際、コリエーレ・デッロ・スポルトは、今夏ローマにピジッリの売却を決断させるには約3500万ユーロのオファーが必要だと示唆している。
これは、インテルがこのイタリア代表の若手の獲得に関心を示したと報じられた際に言及された2500万ユーロから、大幅な引き上げだ。
コリエーレ・デッロ・スポルトによれば、ピジッリにはミラン(Milan)、ユヴェントス(Juventus)、ポルトなども関心を示している。しかし、これらのクラブはいずれも正式オファーを出しておらず、要求額が3500万ユーロなら出す可能性も低い。
ローマがピジッリに3500万ユーロという高値をつけたことは、「売りたくないが、破格のオファーなら考える」という本音の表れだ。移籍市場では、クラブが本気で手放したくない選手に対し、あえて非現実的な高値を設定する「事実上の非売品」戦術がよく用いられる。ピジッリはアカデミー出身で売却益が全額利益となるため、FFP対応の観点では理想的な売却対象だ。しかしローマは、コネやエンディカといった「即戦力の主力」を先に売却することで資金を作り、将来を担うピジッリは残す方針を選んでいる。この優先順位は、クラブの長期ビジョンを反映している。21歳のイタリア代表MFは、ローマの中盤の未来そのものだ。ガスペリーニ(Gian Piero Gasperini)監督が来季のCL(チャンピオンズリーグ)復帰を控え、若い核を維持したい意向とも合致する。3500万ユーロという価格は、「その額を払うなら手放すが、そうでなければ残す」という、ローマの明確な意思表示だ。
ピジッリの価格が2500万から3500万ユーロに上がったことは、アウジーリオが先日「ピジッリにまったく関心がない」と明言したことと、興味深い形で符合する。インテルが2500万ユーロでの獲得を検討していた段階では、現実的な取引の可能性があった。しかしローマが3500万ユーロに引き上げた今、アウジーリオが「関心がない」と公言したのは、この価格では取引が成立しないという現実認識の表れとも読める。あるいは、アウジーリオの否定発言自体が、ローマの価格吊り上げに対する牽制だった可能性もある。「関心がない」と公言することで、ローマに「インテルは高値では買わない」というメッセージを送り、価格の下落を促す交渉術だ。いずれにせよ、カマヴィンガ(Eduardo Camavinga)を「実現不可能」、ジョーンズ(Curtis Jones)を「大きな差がある」と評したアウジーリオの現実主義を踏まえれば、3500万ユーロのピジッリは、インテルの「身の丈」を超えた対象と位置づけられる可能性が高い。中盤補強は、より現実的な候補(アッタ=Arthur Attaなど)に向かうだろう。
ローマがFFP対応でピジッリではなくコネやエンディカを優先的に売却する方針は、セリエA(Serie A)の若手市場の力学を示している。アカデミー出身選手の売却は会計上「全額利益」となり、FFP対応に効率的だ。しかしクラブは、目先の会計効率と、長期的な戦力・アイデンティティの維持を天秤にかける。ローマはピジッリという「未来の象徴」を守るため、コネやエンディカという「市場価値の高い即戦力」を売る道を選んだ。これはインテルにとって、コネやエンディカの獲得機会が残ることを意味する。実際、エンディカはインテルのデ・フライ(Stefan de Vrij)後継候補として浮上していた(マロッタ=Beppe Marottaは否定したが)。ローマのFFP対応の進捗次第で、インテルが狙える選手の顔ぶれは変わる。ピジッリが非売品扱いになったことで、インテルの視線は他のローマ選手、あるいは全く別の候補に向かう。セリエAの若手市場は、各クラブのFFP事情と長期ビジョンが複雑に絡み合いながら、選手の移動を規定している。
3500万ユーロという価格が、ローマの「売りたくない」という本音を雄弁に物語っている。アカデミー出身で売却益は全額利益となる若きイタリア代表を、それでもローマは未来の核として守ろうとしている。アウジーリオの「関心がない」という発言と、この価格設定は符合する。インテルの中盤補強は、ピジッリという扉が狭まるなか、より現実的な候補へと向かう。ローマのFFP戦略が、セリエAの若手市場に、静かな波紋を広げている。
記事タイトル: Roma set hefty price tag for Pisilli to fend off Inter and Porto interest
出典元記事URL: https://football-italia.net/roma-set-hefty-price-tag-for-pisilli/
公開日: 2026/7/4
※ この記事は引用元の情報を要約・翻訳し、独自の分析・感想を加えたものです(著作権法第32条に基づく引用)
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年7月4日
© 2025 nero15.dev. All rights reserved.