
ナポリ、インテル、コモ、ローマ。チャンピオンズリーグの同じ節で、イタリア勢が4チーム揃って負けた。コラムニストのシモーネ・エテルノは「前例がない」と書き、ラファエル・ベニテスは原因を「マンツーマンの危うさ」に求めた。ただの不運で片づけてよいのか、それともセリエAが抱える構造的な病なのか。インテルにとっては、守備の再建とも重なる問いだ。
Calciomercato.comのコラム「EternaMente」(10月15日、署名はシモーネ・エテルノ[Simone Eterno])によれば、チャンピオンズリーグの第2節で、ナポリはビジャレアルに完敗し、インテルは本拠地でクラブ・ブルッヘに敗れた。コモはメンバーを入れ替えたフェイエノールト戦で落とし、ローマはレアル・マドリードを80分にわたって圧倒しながら、最後に敗れている。同コラムは、イタリア勢4チームが同じ2日間の節で全敗したのは「前例がない」とし、インテルについては「直近のCL8試合で7敗目」とも記した。この集計の根拠は元記事では言及されていない。
もっとも、筆者は悲観一色ではない。4つの敗戦に共通の原因はないとし、欧州サッカーは全体として「水準が下がる方向に平準化している」と分析する。新方式初年度のリーグフェーズで15位だったパリ・サンジェルマンが、ミュンヘンの決勝でインテルを5対0で下した例も引き、「CLは年明けから始まる」と、結論を急がない立場だ。次節はイタリア勢4チームがそろってホームで、インテル対シャフタール、コモ対マンチェスター・ユナイテッド、ローマ対スロヴァン、ナポリ対ボーデ・グリムト。4戦全勝なら10〜12ポイントは「書類上は現実的」と見る。
別の角度から切り込んだのが、ガゼッタ紙に語ったラファエル・ベニテス(Rafael Benítez)だ。Calciomercato.com(10月16日)によると、ベニテスはインテルの0ポイントに驚きを示しつつ、「守備の失点が多すぎる」と指摘した。さらにローマ戦について、レアルが外から崩せなかったにもかかわらず、セットプレーとマンツーマンの隙を突かれたと分析している。
原文: "Oggi le squadre difendono a uomo, il che si traduce in contropiede ogni volta che il pressing iniziale viene superato."
訳: 「いまのチームは対人で守る。最初のプレスを外されるたび、それはそのままカウンターにつながる」(ベニテス)
原文: "Il calcio europeo si è livellato - a mio parere verso il basso."
訳: 「欧州サッカーは均質化した。私の見立てでは、下の方向に」(エテルノ)
4クラブ同時敗戦を「史上初」とするのは、あくまでコラムニストの表現だ。実際に過去の全大会の記録と照らしたかは元記事に書かれていない。ただ、数字の真偽よりも、それが読者に与える「ショック」のほうがインパクトを持つ。ナポリ、ローマ、コモと並べて見たとき、インテルの敗戦は孤立した事故ではなく、リーグ全体の症状として語られやすくなる。そのぶん、キブ監督の守備修正は個別の問題で済まなくなる可能性がある。
ベニテスの論旨は明快だ。ゴールキックを自陣ペナルティエリア内から再開できる規則が2019年に導入されて以降、各チームはハイプレスと対人守備を組み合わせるようになった。1人が外されても背後にカバーがいなければ、そのまま決定機に直結する。ベルゴミが「純粋なマーカーを失った」と嘆いたインテルは、まさにこの構造の中心にいる、と考えられる。対人で潰す強度と、外されたときの保険。その両立が、秋の宿題だ。
エテルノは次節を、イタリア勢の名誉回復の機会と位置づけた。インテルがホームで勝ち点を取れなければ、リーグフェーズ突破への計算は厳しさを増すと推察される。とくにパヴァールやストーンズら守備陣の離脱が続く状況で、キブ監督がどの布陣を選ぶかは見逃せない。
CLは年明けから、とコラムニストは言う。だが秋に落とした勝ち点は、春になっても戻ってこない。インテルは次のシャフタール戦で、「ただの不運」と「構造的な欠陥」のどちらかを証明することになる。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年10月17日
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