
契約更新済みの選手ではない。マルセイユへのレンタルから戻ったパヴァールを待っていたのは、放出方針という冷たい現実だった。それでも本人はミラノに残る意欲を隠さず、夏の練習に人一倍の献身ぶりで応えているという。だが道のりは平坦ではない。昨シーズン限りで生まれたロッカールーム内の亀裂、とりわけ主将ラウタロ・マルティネスとの確執をどう修復するか——パヴァールの去就は、移籍金交渉よりも人間関係の再構築にかかっている。
バンジャマン・パヴァールは、2025-26シーズンをマルセイユへのレンタルで過ごした。契約には約1500万ユーロの買取オプションがあったが、マルセイユ側は行使せず、パヴァールは7月1日付でインテルに復帰。契約はあと2年残り、年俸は税引き後500万ユーロという規模だ。
問題は、この復帰が歓迎ムード一色ではないことだ。事の発端は2024-25シーズン終盤に遡る。パヴァールはCL準決勝第2戦(対バルセロナ)を欠場し、PSG戦にも精彩を欠いた状態で出場。さらに足首の負傷でクラブワールドカップ帯同を見送った直後、負傷中にもかかわらずサルデーニャでテオ・エルナンデス(ACミラン)とパデルを楽しむ写真が拡散し、チーム内の空気を悪化させたとされる。この一件が昨夏のレンタル放出につながったと報じられている。
現在、パヴァールはアッピアーノ・ジェンティーレでの練習に人一倍の献身ぶりで取り組み、キブ監督へメッセージを送っているとされる。だが本人の意欲だけでは決着しない。主将ラウタロとの関係修復が不可欠だという。Romanoは今月11日、「クラブの方針は依然として決別だ」としつつ「8月15日までに買い手が見つからなければ、全員の考えを変えて残留を試みるチャンスが生まれる」と説明していた。
原文: "A metà luglio il calciatore è considerato in vendita. Per l'Inter Pavard è sul mercato e si sta cercando una soluzione. Se entro il 15 agosto non si trova una squadra, Pavard avrà la possibilità di far cambiare idea a tutti e provare a restare, ma a oggi l'idea del club resta di separarsi."
訳: 「7月半ばの時点で、この選手は放出対象と見なされている。インテルにとってパヴァールは売却市場に出ている状態で、解決策を模索中だ。8月15日までに移籍先が見つからなければ、パヴァールには全員の考えを変えて残留を試みるチャンスが生まれる。しかし今日時点でのクラブの考えは、依然として決別することにある」
今夏のインテルの守備補強報道の多くは移籍金や年俸が主役だが、パヴァールのケースは毛色が異なると考えられる。1200〜1500万ユーロという移籍金自体は高いハードルではなく、真の障壁はロッカールーム内の信頼関係にある。数字ではなく人間関係の修復が焦点になっている以上、解決の道筋は通常の移籍交渉より不透明だと推察される。
昨夏の放出劇の引き金になったパデル写真の一件は、単なる一度のミスというより、困難な場面での姿勢そのものが問われた出来事だったと考えられる。ラウタロの発言も、こうした積み重ねへの反応だったのではないか。「人一倍の献身」という今回の評価が本物なら、信頼回復への第一歩になり得ると考えられる。
Romanoが示した8月15日という期限は、双方にとって現実的な意味を持つと考えられる。それまでに正式なオファーが届かなければ放出方針は自然と消滅し、残留が既定路線になる可能性がある。パヴァールの去就が固まらないことには、ロメロやストーンズといった他候補への資金配分も決めづらいと推察される。
数字ではなく、信頼を取り戻せるか。パヴァールの夏は、移籍市場の駆け引きよりも人間としての再挑戦の物語になりつつある。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年7月16日
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