
サン・シーロの主将が、最後の10分で世界の頂点への扉をこじ開けた。インテル・ミラノ(Inter Milan)の主将ラウタロ・マルティネス(Lautaro Martinez)が、W杯(FIFA World Cup)準決勝のイングランド代表(England)戦で途中出場から後半アディショナルタイムに決勝ゴールを決め、アルゼンチン代表(Argentina)に2-1の逆転勝利をもたらした。アトランタのメルセデス・ベンツ・スタジアム(Mercedes-Benz Stadium)で、リオネル・メッシ(Lionel Messi)のクロスから頭で沈めた一撃——セリエA(Serie A)得点王が今大会3点目を記録し、王者アルゼンチンをスペイン代表(Spain)との決勝へ導いた。
イングランド対アルゼンチンの準決勝は、劇的な逆転劇となった。
両チームの先発にセリエAの選手はいなかったが、イタリア生まれの選手が1人いた。ジュリアーノ・シメオネ(Giuliano Simeone)は、父ディエゴ(Diego Simeone)がラツィオ(Lazio)でプレーしていた時期に生まれた選手だ。
ラウタロ、コモ(Como)のニコ・パス(Nico Paz)、ユヴェントス(Juventus)所有のニコ・ゴンサレス(Nico Gonzalez)は、王者アルゼンチンのベンチスタートだった。イングランドは複数の変更を加え、インテルと関連付けられるジェド・スペンス(Djed Spence)と、アストン・ヴィラ(Aston Villa)のモーガン・ロジャース(Morgan Rogers)を起用した。
VARにはマルコ・ディ・ベッロ(Marco Di Bello)、第4審判にはマウリツィオ・マリアーニ(Maurizio Mariani)がイタリア代表として入った。
試合は予想通り、開始の笛から多くのファウルと言い争いが飛び交う荒れた展開となった。最初の本格的な決定機は、ジョン・ストーンズ(John Stones)がFKから頭で合わせるも枠を外れたもの。エンソ・フェルナンデス(Enzo Fernandez)の強烈なシュートも、わずかに枠を捉えなかった。
最初の本格的なセーブは後半立ち上がり。ジョーダン・ピックフォード(Jordan Pickford)が、ジュリアン・アルバレス(Julian Alvarez)のニアポストへの低いシュートを弾いた。
しかし先制したのはイングランドだった。右からのロジャースの低いクロスに、アンソニー・ゴードン(Anthony Gordon)がファーサイドで押し込んだ。
アルゼンチンはすぐさま同点を狙ったが、アルバレスのシュートは、元ジェノア(Genoa)でインテルと関連付けられるSBスペンスの見事なタックルに阻まれた。エンソ・フェルナンデスのシュートも枠を越えた。
ユヴェントスのニコ・ゴンサレスが途中出場し、すぐに危険なボールを送り返したがストーンズがクリア。ヘディングもピックフォードの好セーブに阻まれた。
アルゼンチンは前がかりに攻め立て、デ・パウル(Rodrigo De Paul)のクロスからアレクシス・マック・アリスター(Alexis Mac Allister)のフリーヘッドがポストを叩く不運もあった。
ラウタロがようやく投入されたのは、残り10分。エンソ・フェルナンデスのロングレンジのシュートは指先で弾き出された。
アルゼンチンの猛攻がついに実る。そのショートコーナーから、メッシのアシストを受けたエンソ・フェルナンデスが、ペナルティエリア外から強烈な同点弾を叩き込んだ。
イングランドの守備的な姿勢で流れは大きく傾き、それがアディショナルタイムに代償を払う。マック・アリスターのシュートが再びゴールポストを叩いた後、メッシが浮かせたクロスに、ラウタロがヘディングで合わせた。セリエA得点王の今大会3点目だった。
ラウタロが残り10分の途中出場から決勝ゴールを決めたことは、彼のストライカーとしての本能の鋭さを物語っている。試合の流れを読み、限られた時間で結果を出す——これは技術以上に、精神的な集中力と得点への嗅覚が求められる仕事だ。インテルでセリエA得点王に輝いた主将は、W杯という最高の舞台でも、同じ嗅覚を発揮した。メッシのクロスに対する入り方、ヘディングの角度、そしてアディショナルタイムという極限の状況での冷静さ。ラウタロがガゼッタ・デッロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)のインタビューで「W杯にベストの状態で臨むために準備してきた」と語った通り、彼の準備は実を結んだ。クラブで二冠を達成した勢いを、母国代表でも証明した形だ。先発ではなくベンチから、それでもチームを救う——ジョーカーとしての価値もまた、トップストライカーの資質だ。
エンソの同点弾も、ラウタロの決勝弾も、ともにメッシのアシストだったことは、アルゼンチンの攻撃の核心を示している。メッシは38歳を超えてなお、W杯の準決勝という舞台で2つのアシストを記録した。そのメッシとラウタロの関係は、テュラム(Marcus Thuram)が「ちょっと嫉妬」とSNSでからかったほど、緊密なものだ。グループステージのアルジェリア代表(Algeria)戦でメッシがハットトリックを達成した際、ラウタロは抱き合う写真を投稿していた。クラブでテュラムと築いた2トップの連携とは異なる、母国代表での「メッシとの共闘」——ラウタロは2つの異なる関係性のなかで、それぞれ最高のパフォーマンスを発揮している。メッシのラストダンスとも言えるこのW杯で、その最後のクロスを決勝点に変えたのがインテルの主将だったことは、ネラッズーリのファンにとっても誇らしい瞬間だ。
この試合でベンチに座っていたニコ・パスの存在は、インテルの夏の物語と重なる。今季コモで6得点9アシストを記録し、セリエA U23最優秀選手に選ばれた21歳は、レアル・マドリード(Real Madrid)の買い戻しとインテルの獲得構想の渦中にあった。最終的にコモへの残留(6000万ユーロでの再獲得)が決まり、インテルの構想は消滅した。そのニコ・パスが、ラウタロと同じアルゼンチン代表のベンチに座り、主将の決勝弾を見守った——皮肉な巡り合わせだ。W杯決勝という最高の舞台に、コモの若きスターとインテルの主将が共に立つ。ニコ・パスにとっては、A代表での出場機会が限られるなかでも、決勝を経験する貴重な機会となる。インテルにとっては「逃した才能」だが、セリエAにとっては「留まってくれた宝」だ。決勝の舞台で、2人のセリエAの選手がどう絡むのか。カルチョファンにとって、もう一つの見どころとなる。
残り10分で投入され、アディショナルタイムに決勝弾——ラウタロが、アルゼンチンをW杯決勝へ導いた。メッシの浮き球クロス、主将のヘディング、そして今大会3点目。クラブで二冠を成し遂げた男が、今度は母国の青と白のシャツで、世界の頂点に手を伸ばそうとしている。決勝の相手はスペイン。サン・シーロの主将の夏は、最高のクライマックスへと向かっている。Vamos、ラウタロ。
記事タイトル: World Cup SF: England 1-2 Argentina: Inter’s heroic Lautaro Martinez seals comeback victory
出典元記事URL: https://football-italia.net/world-cup-england-1-2-argentina-l-martinez/
公開日: 2026/7/15
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スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年7月16日
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