
前半19分、0対2で沈みかけていたサン・シーロのベンチから、一人の男が消えた。インテルの助監督コラロフに下されたのは、2試合の出場停止と5000ユーロの罰金。スポーツ裁判官が明記した処分理由は、主審への「敬意を欠いた批判」と、退席を告げられた際の「無礼な言葉」の二つ。キブは土曜のローマ戦を、最も近い相棒なしで迎える。
9月14日のインテル対ウディネーゼは、前半9分と16分にアバンクワとエッケレンカンプに立て続けに失点し、ネラッズーリが0対2で追いかける展開から始まった。その直後の19分、クリスティアン・キブ(Cristian Chivu)の助監督を務めるアレクサンダル・コラロフ(Aleksandar Kolarov)が退席処分を受けている。主審は今季の判定基準を巡って議論の的になっているルカ・パイレット(Luca Pairetto)だった。
15日、スポーツ裁判官ジェラルド・マストランドレア(Gerardo Mastrandrea)が処分内容を公示した。2試合の出場停止に加え、5000ユーロの罰金。理由として挙げられたのは、主審に対して敬意を欠いた批判を向けたこと、さらに退席処分を言い渡される場面で無礼な表現を用いたことの二点である。単なる抗議ではなく、退席後の言動まで加算されたかたちだ。
この結果、コラロフは9月19日のローマ戦と、代表ウィーク明けの10月10日パルマ戦でベンチに入れない。インテルには他にも、ヘンリク・ムヒタリアン(Henrikh Mkhitaryan)に今季初の処分が通知された。
原文: "aver rivolto al Direttore di gara una critica irrispettosa, per avere, inoltre, all'atto del provvedimento di espulsione, rivolto un'espressione irriguardosa al medesimo"
訳: 「主審に対して敬意を欠いた批判を向けたこと。さらに退席処分を言い渡された際、同人に対して無礼な表現を用いたこと」
ベンチスタッフの退席処分は、通常なら1試合の出場停止で収まることが多い。今回それが2試合に伸びた理由は、処分文が二つの行為を並べて記述している点に表れていると考えられる。退席を告げられた後にもう一度言葉を重ねたことが、加重の材料になった可能性が高い。
罰金5000ユーロという金額も、ベンチスタッフに対するものとしては軽くない。マストランドレアが処分理由をここまで具体的に書き下したこと自体、審判への言動に対して厳しい線を引く意思表示だと読める。折しもセリエAでは、審判責任者ダニエレ・オルサートの新体制が始まったばかりだ。来週月曜にはリッソーネでオルサートとセリエAの監督たちの意見交換が予定されている。今回の処分が、その場で参照される材料になることも考えられる。
コラロフは単なるスタッフではない。キブのコーチングスタッフの中核であり、試合中にタッチライン際で最も声を出す役回りを担ってきた。0対2から5対3へとひっくり返したウディネーゼ戦のように、試合の流れが荒れる展開ほど、ベンチからの微調整は効いてくる。
ローマ戦は、その荒れる展開が十分あり得る一戦だ。勝ち点12で並ぶ首位攻防であり、アウェーのオリンピコは圧力が強い。ハカン・チャルハノールを欠き、ジョン・ストーンズの状態も不透明という状況で、ベンチの手数がひとつ減る。影響は数字に出にくいが、ゼロではないだろう。
もっとも、今回の一件をネガティブにだけ捉える必要はないかもしれない。前半19分、0対2という場面で助監督が我を失うほど熱を出したチームが、終わってみれば5点を奪って勝っている。ベンチの温度と選手の反応は、無関係ではないという見方もできる。
ただし、それを美談にするのは危うい。キブ自身は試合後、勝利よりも「試合への入り方」への懸念を口にしていた。ベンチが荒れる原因は、多くの場合ピッチ上で起きている。処分の記事が伝えているのは規律の問題だが、その奥にあるのは立ち上がりの脆さという、もっと根の深いテーマだろう。
5000ユーロと2試合。値札のついた19分間の代償は、インテルにとって痛くはあっても致命的ではない。問題は、助監督を退席させた0対2という数字のほうが、はるかに高くつきかねないことだ。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年9月16日
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