
12日の株主総会で、2025/26シーズンの決算が承認された。収益は5億1800万ユーロ、純利益は2270万ユーロ、そして長く赤字側にあった資本がプラスに戻った。ピッチで二冠を手にしたインテルが、帳簿の上でも静かな節目を迎えたことになる。だが会長ジュゼッペ・マロッタ(Giuseppe Marotta)が壇上で強調したのは、勝利の余韻だけではなかった。欧州での自己採点の厳しさと、新スタジアムへの意思表示である。
インテルは12日、株主総会で2025/26シーズンの財務結果の承認を受けた。クラブ公式サイトによると、収益は5億1800万ユーロで、クラブ史上2番目の水準だ。前季の5億6700万ユーロにはFIFAクラブワールドカップと2025年のチャンピオンズリーグ決勝による一過性の収入が含まれており、今季はその特需がない中での数字になる。純利益は2270万ユーロで、2季連続の黒字となった。
黒字を支えたのはコストの圧縮だ。営業費用は約2000万ユーロ(約4%)減り、金融費用は約50%、額にして1900万ユーロ減った。前季末に完了したリファイナンスの効果とされている。この結果、株主資本は1040万ユーロのプラスとなった。前季末は1200万ユーロのマイナスだったから、数字の上では赤字から抜け出したことになる。
マロッタはスピーチで、今季を「財務の固めの1年」と位置づけ、新オーナーとなったオークツリー(Oaktree)の存在に触れた。スポーツ面では21回目のスクデットと10回目のコッパ・イタリアを獲得し、3度目の国内二冠を達成したと振り返った。一方で、昨季の欧州では「潜在力を出し切れなかった」とも認めている。
原文: "state-of-the-art venue fully equipped to support the ambitions of Inter and its supporters for generations to come"
訳: 「インテルとサポーターの野心を、これから何世代にもわたって支えられる最新鋭のスタジアム」
原文: "raise the bar"
訳: 「基準を引き上げる」
数字だけを見れば、収益は前季から約4900万ユーロ減っている。ただ前季には、クラブワールドカップとチャンピオンズリーグ決勝という一過性の収入が含まれていた。それを除いた「地力」で5億ユーロを超えたとマロッタが強調する以上、クラブは今季の数字を悪くないものと見ていると考えられる。実際、営業費用の削減と金融費用の半減が重なったことで、純利益を残す形になった。
もっとも、資本のプラス幅は1040万ユーロにとどまる。余裕があるとまでは言いがたく、補強の資金源を外部に頼らず捻出できるかは、来季以降も試される可能性がある。
国内で二冠を取った直後の株主総会で、マロッタが欧州に触れたのは印象的だ。「潜在力を出し切れなかった」と自ら語り、「基準を引き上げる」と続けた。国内三大会と欧州のすべてで戦う姿勢を示しつつ、イタリアで競争力を保ちながら欧州の質を上げるのは簡単ではないとも認めている。
13日の夜にはチャンピオンズリーグでクラブ・ブルッヘ戦が控える。日本時間では14日早朝4時のキックオフだ。会長の言葉が単なる総会向けの修辞に終わるのか、それとも欧州での戦い方の変化を予告するものなのか。その最初の手がかりが、今夜のサン・シーロに現れると考えられる。
マロッタは、サン・シーロ(ジュゼッペ・メアッツァ)と周辺の再開発エリアの取得を昨年11月に完了したと明かし、新スタジアムの設計を近く共有すると約束した。デジタル媒体のファンは1億人を突破し、1年で20%増えたという。収益5億ユーロ超を支えるのは、ピッチの成績と、世界に広がるブランドの両輪だ。
ネラッズーリの歴史は、同じ本拠地を他クラブと共有してきた歴史でもある。自前のスタジアムという長年の宿題が形になれば、収益構造は大きく変わると推察される。ただ、設計の中身も着工の時期も、元記事では言及されていない。
数字は黒字を示し、会長の言葉は慢心を戒めた。祝杯のあとに残るのは、欧州でどこまで届くかという宿題と、まだ図面の見えない新スタジアムだ。帳簿の黒字は、果たしてピッチの結果に変わるだろうか。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年10月13日
© 2025 nero15.dev. All rights reserved.