
今節のセリエAでラツィオはモンツァに3-1で勝ち、インテルと勝ち点16で首位に並んだ。その中盤で先発したのが、この夏にミラノを離れたダヴィデ・フラッテージ(Davide Frattesi)だ。ゴールこそなかったが、先制点の起点は彼のプレスだった。一方で相手のモンツァには、同じくインテルから貸し出された若手が先発に名を連ねていた。インテルが各地に散らした「育成の種」は、今どこで芽を出しているのか。
今節の主役は、やはりラツィオのフラッテージだ。ガットゥーゾ(Rino Gattuso)率いるラツィオは、オリンピコでモンツァを3-1で下した。開始3分、フラッテージが高い位置でボールを奪い、ノスリン(Noslin)を経由してタヴァレス(Tavares)が左足で先制。23分にはイサクセン(Isaksen)が追加点を挙げ、35分にルッケージ(Lucchesi)が退場。後半にゴリグラッゼ(Goglichidze)が1点を返したが、途中出場のピナモンティ(Pinamonti)が試合を決めた。ANSAによれば、シーズン最初の6試合で5勝はラツィオのクラブ史上初だ。
フラッテージは13分にファウルを受け、18分にはザッカーニ(Zaccagni)のクロスに頭で合わせたがバーの上。今節もゴールとアシストはなかった。モンツァ側ではエベネゼル・アキンサンミロ(Ebenezer Akinsanmiro)が先発し、イヴァン・マイ(Yvan Maye)はベンチ入りメンバーに名を連ねた。
視点を広げると、今節は動きの大きい週末だった。カリアリのヤニス・マッソリン(Yanis Massolin)はユヴェントス戦でセリエAデビューを飾り、パドヴァのマッテオ・コッキ(Matteo Cocchi)はカッラレーゼ戦で先発、ルカ・トパロビッチ(Luka Topalovic)は途中出場した。一方でスピナッチェは負傷で欠場し、ベレンブルッフはベンチ入りして出番がなかった。
インテル保有のレンタル組について、今節の出場と今季成績を一覧にした。出場しなかった選手は「出場なし」と記している。今季成績は各リーグ戦の数字で、カップ戦は除く(備考に記載がある場合を除く)。「−」は出場時間などの詳細が公表されていない項目。
| 選手 | 所属(リーグ) | 今節の出場 | 今季出場/先発 | 出場時間 | 得点 | アシスト | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| フラッテージ | ラツィオ(セリエA) | 先発(モンツァ戦) | 6/5 | − | 3 | 0 | 節前時点で5試合386分(Virgilio) |
| アキンサンミロ | モンツァ(セリエA) | 先発(ラツィオ戦) | 5/4 | − | 0 | 1 | ほかに負傷欠場が1試合 |
| マイ | モンツァ(セリエA) | ベンチ入り | 2/− | 10分 | 0 | 0 | 9/24時点の数字(L'Interista)。コッパ・イタリアでは75分出場 |
| マッソリン | カリアリ(セリエA) | 先発、60分で交代。ユヴェントス戦でセリエA初出場 | 1/1 | 60分 | 0 | 0 | 開幕から4試合はベンチ入りで出番なし |
| コッキ | パドヴァ(セリエB) | 先発、56分で交代 | 約6/約4 | 約340分 | 0 | 2 | 節前の数字(5/3/284分)に今節分を足した自前計算 |
| トパロビッチ | カッラレーゼ(セリエB) | 60分から途中出場、約30分 | 5/2 | 209分 | 0 | 0 | 今節分を含む(Fotmob) |
| デ・ピエーリ | アスコリ(セリエB) | 後半27〜28分頃から途中出場 | 5/1 | 168分 | 0 | 1 | 出場時間は後半27〜28分頃から約20分弱とされる |
| スタービレ | ズュートティロル(セリエB) | 先発、80分で交代 | 4/4 | 286分 | 0 | 0 | イエロー2、レッド1(今季通算) |
| スピナッチェ | マントヴァ(セリエB) | 出場なし。首の打撲で欠場 | − | − | − | − | 9/24時点でセリエB出場なし(L'Interista) |
| ベレンブルッフ | アヴェッリーノ(セリエB) | 出場なし。ベンチ入りで出番なし(サンプドリア戦) | 1/0 | 13分 | 0 | 0 | 唯一の出場は9/6のモデナ戦 |
| パラシオス | エストゥディアンテス(アルゼンチン) | 10/10のセントラル・コルドバ戦に87分出場 | 19/18 | 1626分 | 1 | 0 | カレンダーイヤー制の2026年。次戦は10/16のフラメンゴ戦(リベルタドーレス準決勝) |
| アスラニ | アル・ジャジーラ(UAE) | − | 2/1 | 98分 | 1 | 0 | プロリーグのみの数字。カップ戦を含む全大会では4試合1得点(Corriere dello Sport) |
| アレクシウ | AEKアテネ(ギリシャ) | − | リーグ戦は出番なし | 0分 | 0 | 0 | ギリシャカップ2試合146分2得点、スーパーリーグは8/22にベンチ入りで出番なし |
| サラテ | カディス(スペイン2部) | 先発、フル出場とみられる。スポルティング・ヒホン戦(0-1)、交代の記載なし | 6/4 | 348分 | 0 | 0 | 交代なしのため90分とみられる |
| V・カルボーニ | ラシン(アルゼンチン) | 出場なし。重傷で離脱中 | 5/3 | 204分 | 0 | 0 | 2026年2月26日が最後の出場。前十字靱帯の負傷と現地メディアが報道、復帰時期は未確定 |
※コッキ・トパロビッチの出場時間はPadovasport、パラシオスの10/10の出場時間はFotmob、ほか今季成績の多くもFotmobの数字を基にしている。コッキの今季成績は節前の数字に今節分を加えた概算。GKやセリエC以下で戦う4人(アプシッツ、ザマリアン、ザンケッタ、ピノット)は一覧に含めていない。
フラッテージの条件はレンタル料500万ユーロ、買い取り権1000万ユーロと伝えられている(TUTTOmercatoWEB)。レンタル料と合わせた総額は1500万ユーロ規模で、代表で競争できる中盤の価格としては、現在の活躍を見る限り軽くない判断だったと考えられる。ただ今季は6試合で3得点、アシストはゼロで、ゴールの多くは序盤戦に集中している。ラツィオが買い取りに動く公算は小さくないが、インテルが年俸負担の軽減を優先した可能性もあり、評価はシーズン終盤まで分からないだろう。
表を眺めると、出番を得ている選手と得ていない選手がはっきり分かれる。パラシオスはリーグ戦19試合のうち18試合で先発し、フラメンゴとのリベルタドーレス準決勝も控えている。スタービレ(4試合先発)、コッキ(約4試合先発)も確実に試合勘を積んでいる。反対にベレンブルッフはリーグ戦で13分、スピナッチェは負傷で戦列を離れており、レンタルの狙いである「週に一度の90分」は確保できていない。マッソリンは4試合連続ベンチ入りから初先発を掴んだが、60分での交代が次のチャンスにつながるかは見極めが必要と言える。
ヴァレンティン・カルボーニは、ラシンでの出場が2月を最後に止まっている。現地メディアは前十字靱帯の負傷を報じており、2026年12月末までのレンタル期間をどう扱うかが課題になると考えられる。アスラニはUAEで得点を挙げ、アレクシウはギリシャカップで2得点と、海外組は静かに数字を積んでいる。リーグ戦の出番をいつ掴むかが次の焦点だ。
フラッテージが首位タイのラツィオで存在感を示す一方、育成組はそれぞれの現場で出番を探す。表の数字が示すのは、インテルが撒いた種の育ち方にすでに差が出ているという現実だ。次に芽を出すのは誰か。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年10月12日
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