
クロアチア代表の指揮官交代は、思わぬかたちでインテルの財産を照らし出した。就任間もないスラヴェン・ビリッチが会見で名指ししたのは、中盤の底ではなくゴール前でのペタル・スチッチだった。昨夏インテルへ加入したばかりの23歳は、クラブではボックス・トゥ・ボックスの守備的MFという評価が定着しつつある。だが代表の指揮官の目に映っているのは、それとは違う「点の取れる中盤」という顔だった
2026年9月21日、クロアチア代表の新指揮官スラヴェン・ビリッチが記者会見に臨み、若手ふたり、マルティン・バトゥリーナとペタル・スチッチの起用法について踏み込んだ発言を残した。ビリッチが強調したのは、両者が本来のポジションに留まらない得点力を備えているという点だ。今季すでに3〜4得点ずつを記録している実績を根拠に、両選手を外側のポジションや、あるいはトレクアルティスタとしても起用しうるとの考えを示したと伝えられている。
インテルではクリスティアン・キブのもとで主に中盤の一角、背番号8としてボックス・トゥ・ボックス的な役割を担ってきたスチッチだが、代表では異なる可能性が試されつつあるということになる。移籍1年目のシーズンをインテルで過ごし、まだポジションを固定しきれていない23歳にとって、代表の舞台で「点を取れる選手」という評価が積み上がっていくことは、決して小さな意味を持たない。ネーションズリーグでの起用法次第では、その評価がクラブにも波及していく可能性がある。
※本記事には直接引用可能な発言は含まれていない。
現状のインテルでスチッチはあくまで中盤の一角という位置づけだが、代表指揮官の目には得点関与の高さがはっきり映っているようだ。キブが目指す3-5-2でインサイドハーフに得点力を求める傾向が今後強まるなら、スチッチの評価軸そのものが「守備的MF」から「攻撃的なメッツァーラ」へと少しずつ書き換わっていく可能性もあると考えられる。今季のインテルでの出場機会がまだ限定的であることを踏まえると、代表での評価が逆輸入的にクラブでの立ち位置を後押しする構図も想像しやすい。
モドリッチという絶対的な存在が薄れつつある世代交代の局面で、新監督ビリッチが若手の多面性に着目している事実は見逃せない。代表で複数ポジションを経験させられることは、シーズンを通じてインテルでの出場機会が限られがちな23歳にとって、実戦経験値を積む貴重な機会になっているのではないかと推察する。バトゥリーナと並んで名指しされたことも、クロアチアの新世代の中核として期待されている証と見てよさそうだ。長期の代表ウィークをどう過ごすかが、10月以降のクラブでの起用にも影響しうる。
チャルハノールの後継者候補、あるいはバレッラの相棒として名前が挙がる場面が増えてきたスチッチだが、もし代表での「前寄りの起用」がクラブにもフィードバックされるようなら、キブが冬にかけて中盤の配置を見直す材料になるかもしれない。まだ仮説の域を出ないが、注視すべき変化ではあるだろう。中盤の選手層が厚いインテルにおいて、得点力という付加価値は競争を勝ち抜くうえで無視できない武器になりうる。スチッチ自身がこの評価をどう受け止め、シーズン後半にどう反映させてくるかも見どころのひとつだ。
背番号8はもう「守るだけの選手」ではないのかもしれない。代表の舞台で芽生えたこの新しい顔が、キブの3-5-2の中でいつミラノのピッチにも姿を現すのか、じっくり見届けたい。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年9月21日
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