
サン・シーロの夜にブルッヘへ許した4失点のなかで、最も重く響いたのは一本の飛び出しだった。ジョゼップ・マルティネスが踏み誤った一歩は、レアル・マドリード戦から続く不安を呼び戻し、イタリアの紙面には「守護神交代」の文字が並び始めた。ベンチで待ち続けた男に、ついに順番が回ってくるのか。その行方に、欧州での巻き返しもかかっている。
2026年10月13日、チャンピオンズリーグ第2節でインテルはクラブ・ブルッヘ(Club Brugge)に3対4で敗れた。1対1で迎えた後半、ブルッヘのカルロス・フォルブス(Carlos Forbs)にフェデリコ・ディマルコ(Federico Dimarco)が振り切られ、そこへジョゼップ・マルティネス(Josep Martínez)が前に出た。ところがボールに届かず、足の間を抜けたこぼれ球をニコロ・トレゾルディ(Nicolò Tresoldi)が無人のゴールへ流し込んでいる。Liberoは「無謀な飛び出し」と書き、失点時間は媒体によって63分とも64分とも伝わる。
試合後、国内メディアの矛先はGKに向いた。Inter News 24は、シーズンを通じたミスが優勝を狙うチームには多すぎると指摘し、FC Inter 1908が引いたガゼッタ・デッロ・スポルトの分析も、レアル・マドリード戦、ウディネーゼ戦に続く集中力の綻びと整理した。一方で、同サイトは後半の2度の好セーブにも触れている。そこで名前が挙がったのが、夏にラツィオから加入したイヴァン・プロヴェデル(Ivan Provedel)だ。Passione Interは14日、Skyの情報として、キブ監督(Cristian Chivu)が「チーム全体の変更」を予告し、プロヴェデルの出番が近いと伝えた。ただしSkyの原文は未確認で、起用が決まったわけではない。
原文: "A prescindere dalle prestazioni, sta arrivando comunque il momento di Provedel."
訳: 「パフォーマンスにかかわらず、プロヴェデルの時はいずれにせよ近づいている」
原文: "Non è arrivato il momento di fare una scelta drastica e lanciare Ivan Provedel?"
訳: 「そろそろ思い切った決断を下し、イヴァン・プロヴェデルを起用する時ではないのか」
※Inter News 24(Stefano Cori署名)より。
起点はディマルコがスピードで置き去りにされた場面で、ミスは重なったと見るのが公平だろう。Sportmediasetも、責任はGK一人ではなく、守備陣や中盤、ラウタロ・マルティネス(Lautaro Martínez)の決定機逸にも広がると論じている。それでも、国際舞台で同じ種類の綻びが繰り返されるのは重い。DFラインの背後を突かれる場面が多いチームでは、GKの飛び出しの精度が守備全体の信頼に直結すると考えられる。
キブ監督は9月、マルティネスを「死ぬまで守る」と語った(FCInterNewsの見出しより)。Sportmediasetによれば、昨季のヤン・ゾマー(Yann Sommer)にも同じ姿勢を貫いたという。この一貫性は監督の強みだが、決断を遅らせる危うさも併せ持つと言える。同メディアは「いまは裁判の時ではない」としつつ、マルティネスを一度休ませることが本人とプロヴェデルの双方を守る道だと主張しており、継続か交代かで見方は割れている。
皮肉なのは、この夜の勝者側にゾマーがいたことだ。レコ(Leko)監督は試合後「ゾマーが決め手だった」という趣旨を語ったとPassione Interは伝えている。後継を巡る補強判断について、Virgilio Sportが拾ったSNSの声はフロントへの不満に向かう。もっとも、これはファンの反応にすぎず、クラブの見解ではない。守護神の定着は、現場だけでなく編成の課題でもあると考えられる。
ミスは一瞬で、評価は積み重ねで決まる。だが、インテルに残された時間は長くない。ゴールマウスを預ける人間を替えるのか、信じ続けるのか。キブ監督の答えが、次の90分で試される。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年10月14日
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