
インテルの元DFが、クラブの今を静かに言い当てた。イヴァン・コルドバはコリエレ・デラ・セラ紙のインタビューで、ピエロ・アウジリオの退団を「数字の論理」の表れと読み解き、いまの時代にモラッティがいなければロナウドは来なかっただろうと語った。穏やかな語り口でも、矛先は鋭い。感情で動くクラブは、もう戻らないのか。それでも彼は、欧州制覇の夢を手放していない。
Calciomercato.comは10月9日、元インテルDFのイヴァン・コルドバ(Iván Ramiro Córdoba)がコリエレ・デラ・セラ紙に応じたインタビューを伝えた。話題は、クラブの所有構造、ピエロ・アウジリオ(Piero Ausilio)の退団、クリスティアン・キブ(Cristian Chivu)監督、そしてチャンピオンズリーグの3つだ。
コルドバの主張の軸は、セリエAの大クラブがもはや「ファンでもあるオーナー」の手になく、ファンドが数字で判断する時代になったという点にある。モラッティらの世代は感情と数字を併せ持っていたが、今は数字が先に立つ。この論理で動けば、ロナウドをイタリアで見ることは「たぶんなかった」と言う。アウジリオの退団にも少し驚いたとしつつ、数字が競技上の目標に先行した結果という読みを示した。
一方でキブには好意的だ。現役時代にサイドバックでも中央でも自然にこなした選手が、監督としては選手に自由な精神を植えつけ、語りも簡潔で明快だと評した。欧州の舞台でも「挑戦できる」ではなく「挑戦しなければならない」と言い切っている。
原文: "Il guaio della serie A di oggi che i grandi club non sono più in mano a proprietari tifosi."
訳: 「いまのセリエAの困ったところは、大クラブがもうファンでもあるオーナーの手にないことだ。」
原文: "un professore della semplicità"
訳: 「単純さの教授」(キブ評)
コルドバは特定のクラブ名を挙げず、ファンド全般を語っている。ただインテルは、当サイトの既報ではオークツリーが実質的に保有しており、この発言は自クラブの現状にも重なって聞こえる。アウジリオの退団後はダリオ・バッチンが後任に就いた。
もっとも、数字重視が即ち悪とは言えない。財務の健全化は、強化費を継続的に捻出する土台にもなる。コルドバの言葉は批判というより、失われつつあるクラブの「情緒」への郷愁と受け取るのが妥当だと考えられる。
選手時代に複数ポジションを自然にこなしたというコルドバの指摘は、可変的な戦術運用を求める現在のチームと相性がよい。自由な精神を与え、短い言葉で伝える手法は、過密日程で入れ替えを重ねる状況でも選手が迷いにくくなる利点があるのではないか。
コルドバは、インテルが決勝に「3度目」進めると述べたと元記事は伝える。インテルが近年2度決勝に進んだことは背景知識だが、今季も火曜にはブルッヘ戦が控える。キブがトリプレーテの空気を知る一人であることが、コルドバの「できる」という確信の根拠になっていると推察する。
ファンドの時代に、感情だけでクラブは動かない。しかし数字だけでも、トリプレーテの夢は見られない。コルドバの言葉は、その間で揺れるインテルへの問いかけだ。さて、数字の先に何を見るのか。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年10月10日
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