
王者の指揮官が、記者の一問に表情を曇らせた。ローマはインテルを止める存在になり得るのか。そう問われたクリスティアン・キブ監督は、答えるより先に問い返したという。なぜ「アンチ・ミラン」や「アンチ・コモ」は語られないのか、と。パルマ戦を翌日に控えた会見で、負傷者や代表帰りの起用法よりも強く残ったのは、この反発だった。王者に貼られる「標的」というレッテルの正体。
10月9日、インテルのクリスティアン・キブ(Cristian Chivu)監督は、翌10日18時キックオフのパルマ戦に向けた記者会見に臨んだ。Calciomercato.comによると、記者からは「ローマは今季、インテルを止めるチームになり得るか」という趣旨の質問が出た。インテルが全員に倒されたがる王者だ、という前提を含んだ問いだった。
キブは苛立ちを隠さなかった。ローマは「アンチ・インテル」と見なすべき存在なのかと切り返し、ではなぜ「アンチ・ローマ」「アンチ・ミラン」「アンチ・コモ」とは言わないのか、なぜインテルにだけそう言うのか、と問うた。同じ会見で「今は早すぎる」とも述べ、チームは自分たちの目標に集中していると強調している。
会見では、代表戦から戻った選手の扱いにも触れた。代表での出場時間を軽視はできず、リスクにさらしたくないという説明だ。ジェド・スペンス(Jed Spence)は1週間前から全体練習に加わって招集メンバー入りし、ハカン・チャルハノール(Hakan Çalhanoğlu)も月曜から練習していて起用可能とのこと。GKについては先発を明かさなかった。
原文: "Perché non si parla mai dell'anti Milan?"
訳: 「なぜアンチ・ミランは語られないのか?」
原文: "Perché si parla solo di anti Inter?"
訳: 「なぜアンチ・インテルばかりが語られるのか?」
FCInterNewsは同じ9日、Optaのスーパーコンピューターがインテルのスクデット獲得確率を45.57%と弾いたと伝えている。元記事では他クラブの確率には触れていないが、王者が最有力と見られていること自体は間違いなさそうだ。
だからこそ「アンチ・インテル」という言葉は、称賛にも煽りにも転びうる。キブがこれを受け流さず反発したのは、周囲の物語に選手たちの意識を引きずられたくなかったからだ、と推察する。
代表ウィーク明けの起用は、コンディションの見極めが勝負になる。キブは出場時間の長い選手を無理に使わない構えを見せた。スペンスとチャルハノールが戻る一方、ジョーンズは欠場で、中盤と最終ラインの顔ぶれは動く可能性が高い。
GKの先発も未確定だ。報道では見立てが分かれており、キブは当日まで明かさないと考えられる。FCInterNewsによれば、キブは3-5-2を捨てて4バックに移行したという見方も否定している。基本形は維持したまま、人を入れ替えていく構図だろう。
キブはかつてローマでプレーし、当サイトの既報ではデ・ロッシ(現ジェノア監督)らとチームメイトだった。2010年にはインテルでトリプレーテも経験している(この2点は背景知識)。古巣を特別視して持ち上げる必要も、貶す必要もない立場だ。
「今は早すぎる」という言葉には、10月の時点で王者対挑戦者の構図を固めたくない思いがにじむ。長いシーズンを見据えた言葉選びだったと考えられる。
標的にされるのは強者の宿命だが、そのレッテルを自分から背負う必要はない。キブはそれを言葉と態度で示した。パルマ戦のピッチで、王者はどんな答えを返すのか。会見の熱が試合の入りにどう響くかも、見ておきたい。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年10月10日
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