
試合終了の笛が鳴った直後、オリンピコの芝で敵将が[[インテル・ミラノ]]のキャプテンを抱き寄せ、何かを耳打ちした。2点のリードを消された側の監督が、消した張本人に笑いかけている。記者もファンも同じことを思った。いったい何を言ったのか。翌朝までイタリアで最も擦られたのは、得点シーンではなくこの数秒間だった。
2026年9月19日、スタディオ・オリンピコで行われたセリエA第5節の[[ローマ]]対[[インテル・ミラノ]]は2-2で終わった。マニュ・コネ(Manu Koné)の2得点で[[ローマ]]がリードを奪い、[[ラウタロ・マルティネス]]の2得点で[[インテル・ミラノ]]が追いついている。
試合後、[[ローマ]]の[[ジャンピエロ・ガスペリーニ]](Gian Piero Gasperini)がピッチ上で[[ラウタロ・マルティネス]]と言葉を交わし、笑顔で抱擁する場面が目撃された。両者は試合前にも挨拶を交わしている。記者会見でその内容を問われた[[ジャンピエロ・ガスペリーニ]]は、笑いながら「私にはいつもゴールを決めるので、やめてくれと言った」と明かした。
さらに彼は、[[ラウタロ・マルティネス]]が自分に対してだけでなく誰に対しても点を取る選手であり、対戦相手に苦い思いをさせながらも誰からも評価されている選手だ、と続けている。
原文: «Lautaro mi fa sempre gol e a fine partita gli ho detto di smetterla!»
訳: 「ラウタロはいつも私に対してゴールを決める。だから試合後、もうやめてくれと言ったんだ」
原文: «In realtà segna un po' a tutti! È un giocatore che è stimato da chiunque, nonostante i dispiaceri che dà agli avversari!»
訳: 「実際のところ、彼は誰に対しても決めるんだが。対戦相手に苦い思いをさせるにもかかわらず、誰からも評価されている選手だ」
ジョークとして流すこともできる数秒だが、発言者を考えると読み方は変わる。[[ジャンピエロ・ガスペリーニ]]は試合の評価に対して辛口で知られる指揮官であり、勝ち点2を落とした直後という状況でもある。その人物が、自分の勝利を消した相手を会見の場で持ち上げた。
「対戦相手に苦い思いをさせるにもかかわらず、誰からも評価されている」という表現には、単なる社交辞令を超えた含みがある。点を取られる側からの評価は、味方からの賛辞より輪郭がはっきりする。この日の[[ラウタロ・マルティネス]]は前半にほとんど仕事をさせてもらえず、後半に二度だけ決め切った。仕事量ではなく決定力で評価される選手の典型的な試合だったと言える。
イタリアでは長く、[[ラウタロ・マルティネス]]は大一番で存在感を失うという見方がつきまとってきた。実際、FCInterNewsの採点記事はこの日の見出しに「ラウタロはビッグマッチで消えるんじゃなかったのか」という趣旨の一文を掲げている。皮肉の形を取っているが、内容は評価の修正である。
首位対決、アウェー、0-2のビハインド、そして二得点。条件としてはこれ以上ない反証材料が揃った。今後この評が繰り返されるたびに、2026年9月19日のオリンピコが参照される可能性は高いと考えられる。敵将の一言は、その日の証言としてたまたま最も引用しやすい形をしていた。
抱擁と冗談で終わる敵将の会見は、スコア以上に試合の性格を伝える。2点を追いつかれた側が笑って相手の名前を褒めるとき、そこには渋々の承認が含まれている。[[ラウタロ・マルティネス]]にとって、これ以上に効く称賛があるだろうか。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年9月20日
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