
移籍市場が大型補強の噂で騒がしいなか、インテルの首脳陣が静かに視線を注ぐ20歳がいる。プリマヴェーラとアンダー23で着実に成長を重ねてきたセンターバック、イヴァン・マイ。国内外のクラブが食指を動かし始めたこの逸材を、クリスティアン・キブ(Cristian Chivu)監督は手放すどころか、自らの目で確かめようとしている。派手な噂の陰で進む、もうひとつの編成の物語。
FCInterNewsの独占情報によれば、インテルはプリマヴェーラ出身のセンターバック、イヴァン・マイ(Yvan Maye)を今夏すぐに手放すつもりはない。2006年生まれのフランス・コートジボワール系DFは、昨季アンダー20とアンダー23で印象的なパフォーマンスを見せ、足の負傷で3か月以上の離脱を強いられながらも、その潜在能力を改めて関係者に印象づけた。
すでにイタリア内外の複数クラブが関心を示しているが、彼らはまずキブ監督という関門と向き合わねばならない。ピエロ・アウジリオ(Piero Ausilio)SDの右腕ダリオ・バッチン(Dario Baccin)の同意を得たうえで、指揮官はマイを残留させ、夏の合宿でじっくりと評価する方針を固めたとされる。下部組織の有望株を、トップチームの基準で測る絶好の機会というわけだ。
原文: "Chivu, con tanto di benestare del braccio destro di Piero Ausilio, Dario Baccin, è orientato a trattenerlo così da poterlo valutare attentamente durante il ritiro estivo."
訳: 「キブは、ピエロ・アウジリオの右腕であるダリオ・バッチンの同意も得たうえで、夏の合宿で入念に評価できるよう彼を残留させる方向だ」
パレストラやソレといった即戦力の獲得合戦が連日の見出しを飾るなか、マイのような若手を「売らずに見極める」という判断は地味だが重要な意味を持つと考えられる。市場が高騰し、固定5000万ユーロ級の移籍金が当たり前になった夏において、自前で育てたCBをトップの基準で試すことは、編成コストの観点からも理にかなう。複数クラブの関心という「出口」を急がず、まず内部価値を確かめる姿勢は、規律あるフロントの一面とも読める。
FCInterNewsはマイを、体格に恵まれ、オープンスペースでの対応とデュエルに強い現代型のセンターバックと評している。マークと先読みを主体としつつ、ボール保持にも一定のパーソナリティを見せるというから、キブが志向する3-5-2の3バックにも、4バックの守備ラインにも適応しうるタイプだと推察される。指揮官が「フィジカル・集中力・伸びしろを兼ね備えた若手CB」を特に好むとされる点も、マイの評価を後押ししているのだろう。
インテルは長く堅守のクラブとして知られ、下部組織からも数多くのDFを送り出してきた。負傷を乗り越えてなお信頼を勝ち取ったマイが、夏の合宿でどこまで爪痕を残せるか。現時点ではあくまで評価の段階であり、来季の構想に食い込むと断定できる材料はない。それでも、派手な補強の裏で一人の20歳に与えられたこの機会は、ネラッズーリの育成哲学が今も生きていることの小さな証左と言えるかもしれない。
市場は待てる、とインテルは判断した。大金の動く夏に、あえて立ち止まって自前の才能を見つめ直す。その視線の先に映るのは、次代のネラッズーリの守備を担う顔だろうか。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年6月24日
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