
コモの引き留めが、財政の現実の前に崩れ去ろうとしている。日曜の報道によれば、コモ(Como)がレアル・マドリード(Real Madrid)からニコ・パス(Nico Paz)を買い戻すことは今夏「ほぼ不可能」となった。レアルが1000万ユーロの買い戻しオプションを行使して21歳を呼び戻し、その後6000万ユーロで売却を狙う構図のなか、コモはFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)の制約で対抗できない——インテル・ミラノ(Inter Milan)は依然として6000万ユーロでの獲得に意欲を示すが、すでにパレストラ(Marco Palestra)に約5000万ユーロを割り当てている以上、フラッテージ(Davide Frattesi)、ルイス・エンヒキ(Luis Henrique)、ボニー(Ange-Yoan Bonny)、スタンコヴィッチ(Aleksandar Stankovic)らの売却が前提となる。サネッティ(Javier Zanetti)副会長とパス家の縁が、最後の決め手となるか。
ニコ・パスを巡る三つ巴の構図が、レアルの動きで大きく動き始めた。
ニコ・パスはこの2シーズンをコモで過ごしてきたが、レアルは低額の買い戻しオプションを複数保持している。広く予想されているのは、レアルが今夏に1000万ユーロのオプションを行使して21歳をスペインの首都に呼び戻し、その後より高額で売却を狙う展開だ。
コモは少なくともあと1シーズンはニコ・パスを引き留めたい意向を明確にしてきた。特に2025-26シーズンのクラブ史上初のCL(チャンピオンズリーグ)出場を控え、チームの中心選手を手放したくない事情がある。
しかし、レアルが買い戻し条項を行使し、コリエーレ・デッロ・スポルト(Corriere dello Sport)などイタリアの複数メディアが報じた通り6000万ユーロを要求すれば、コモはFFPの制約で価格的に手が出せなくなる。
インテルは依然として関心を持っているが、6000万ユーロの取引は容易ではない。
ネラッズーリが期待するのは、サネッティ副会長とニコ・パスの家族の関係だ。サネッティとニコ・パスの父は、1996年から1998年にかけてアルゼンチン代表(Argentina)で共にプレーした間柄だ。この個人的な縁が、交渉で有利に働くことを期待している。
6000万ユーロの投資はインテルにとって完全に不可能というわけではない。だが、すでにクラブ予算の約5000万ユーロをパレストラの獲得に割り当てており、ソレ(Oumar Solet)、さらにエンディカ(Evan Ndicka)やジョーンズ(Curtis Jones)の取引も視野に入れているなか、ニコ・パスを高額で獲得するには、他の選手をまず放出することが不可欠だ。
日曜の報道によれば、最も売却される可能性が高いインテルの選手は、フラッテージ、ルイス・エンヒキ、ボニー、そして6月初旬に買い戻したばかりのスタンコヴィッチだ。
レアルがニコ・パスから生み出そうとしている利益構造は、現代サッカーの育成型ビジネスの極致だ。2024年にわずか600万ユーロでコモに売却した際、レアルは50%のセルオン条項と段階的な買い戻しオプションを保持していた。今夏に1000万ユーロで買い戻し、6000万ユーロで売却すれば、それだけで5000万ユーロの利益が生まれる。さらにセルオン条項の扱い次第では、追加の利益も見込める。アカデミー出身の才能を一度手放し、価値が高まった段階で買い戻して転売する——レアルの「ファブリカ(育成工場)」が生む錬金術だ。インテルのアウジーリオ(Piero Ausilio)が「オナナ(Andre Onana)はクラブ史上最大の資本利得」と誇る取引と同じ論理が、レアルでも貫かれている。皮肉なことに、この構図でニコ・パスを最も高く買わされるのは、コモでもインテルでもなく「市場全体」だ。21歳の才能の市場価値が、クラブ間の条項設計によって人為的に最大化されている。
インテルが期待するサネッティ副会長とパス家の関係は、移籍交渉における人的ネットワークの価値を示している。サネッティとニコ・パスの父パブロ・パス(Pablo Paz)は1996年から1998年にかけてアルゼンチン代表で共にプレーした旧友だ。こうした個人的な絆は、金額が拮抗する交渉で「最後の一押し」として機能することがある。サネッティのアルゼンチン人脈は、これまでもリベロ(Lautaro Rivero)、ペローネ(Maximo Perrone)といった選手の獲得につながってきた。ニコ・パス本人が「インテルでプレーしたい」という意思を持てば、レアルが他クラブ(プレミアリーグ=Premier League勢など)に売却するより、インテル行きを後押しする力になり得る。ただし、6000万ユーロという金額の前では、人脈だけでは交渉は動かない。サネッティの縁は「同条件なら有利」という補完的な要素であり、根本的な資金問題を解決するものではない。インテルが現実的な資金を用意できて初めて、この人脈が活きてくる。
ニコ・パス獲得のために挙がった売却候補——フラッテージ、ルイス・エンヒキ、ボニー、スタンコヴィッチ——のリストは、インテルの「売って買う」戦略が限界に近づいていることを示唆している。すでにパレストラに5000万ユーロ、ソレに2500万ユーロ、その他の補強を計画するなか、さらに6000万ユーロのニコ・パスを加えるには、相当規模の売却が必要だ。だが、スタンコヴィッチは6月初旬に買い戻したばかりの選手であり、即座に再売却するのは育成戦略の一貫性を損なう。ボニーは昨夏加入したばかりのバックアップFWだ。これらの選手を立て続けに売却すれば、スカッドの厚みが失われるリスクがある。マロッタ(Beppe Marotta)流の「収支ほぼゼロ」のサイクルは精緻だが、ニコ・パスのような6000万ユーロ級の大型投資を組み込むには、売却の規模が大きくなりすぎる。パレストラかニコ・パスか——どちらかに絞る決断が、いずれ必要になる可能性が高い。両取りは、オークツリー(Oaktree)の特別予算なしには現実的に難しい。
1000万で買い戻され、6000万で売られる——ニコ・パスは、レアルの錬金術の中心で、自らの去就を見守っている。コモは財政の壁に阻まれ、インテルはサネッティの縁と大規模売却を頼りに最前線へ。パレストラとの二者択一、スタンコヴィッチら売却候補の痛み。コモの輝く才能を巡る夏の物語は、最も困難で、最も野心的な局面へと向かっている。
記事タイトル: Real Madrid put Nico Paz out of reach for Como but Inter preparing offer
出典元記事URL: https://football-italia.net/nico-paz-out-of-como-reach-inter-prepare-bid/
公開日: 2026/6/21
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スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年6月21日
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