
数ヶ月にわたって追跡してきた中盤の本命が、プレミアの巨人へ傾こうとしている。ガゼッタ・デッロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)の報道によれば、アーセナル(Arsenal)がローマ(Roma)のフランス代表MFマヌ・コネ(Manu Kone)と個人条件で合意し、6月末までの取引完了を目指している。W杯(FIFA World Cup)でフランス代表として戦うコネは、アトレティコ・マドリード(Atletico Madrid)とインテル・ミラノ(Inter Milan)よりもアーセナルを選好している——昨季から熱心に追跡してきたネラッズーリにとって、中盤補強の最有力候補が手の届かない場所へ向かう厳しい現実だ。ローマはUEFAの財政協定対応で6月30日までに大型の売却益が必要なため、5000万ユーロでの売却に応じる構えだ。
ガゼッタが伝えた状況は、インテルにとって不利な方向に進んでいる。
アーセナルはコネと個人条件で合意し、6月末までにローマとの取引を完了させようと動いている。コネはアーセナル監督ミケル・アルテタ(Mikel Arteta)の今夏の中盤の最優先ターゲットだ。
コネ本人の意思も明確だ。W杯でフランス代表として戦うコネは、プレミアリーグ(Premier League)への移籍を強く望んでおり、アトレティコ・マドリードとインテルよりもアーセナルを選好している。プレミアリーグ王者でCL(チャンピオンズリーグ)決勝進出を果たしたアーセナルは、コネが求める「挑戦」にまさに合致するクラブだ。ただし、選手の関係者はW杯期間中に決着を急ぐ姿勢は見せていない。
ローマ側の事情も売却を後押ししている。ローマはUEFAの財政協定(settlement agreement)を満たすため、6月30日までに大型の売却益を生む必要がある。マティアス・ソウレ(Matias Soule)にはボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)とアストン・ヴィラ(Aston Villa)が関心を示すが、正式オファーには至っていない。そのため、コネの売却がローマにとって最も現実的な解決策として浮上している。
ローマのコネの要求額は5000万ユーロ。残存簿価が約1200万ユーロのため、売却すれば約3800万ユーロの利益が生まれる計算だ。ガスペリーニ(Gian Piero Gasperini)監督は売却を承認する構えで、その資金はメイソン・グリーンウッド(Mason Greenwood)やクライセンシオ・サマービル(Crysencio Summerville)の獲得に充てられる見込みだ。
そしてローマの後釜候補として、サッスオーロ(Sassuolo)のイスマエル・コネ(Ismael Kone)が理想的な代役として特定されている。
コネがインテルよりアーセナルを選好しているという事実は、現代サッカーにおけるインテルの立ち位置を冷静に示している。スクデットとコッパ・イタリア(Coppa Italia)の二冠を達成したクラブであっても、プレミアリーグ王者でCL決勝進出のアーセナルと比較されると、選手の選好で後塵を拝する。年俸面でもアーセナルはインテルを大きく上回る条件を提示できる。パレストラ(Marco Palestra)のケースでは選手がセリエA(Serie A)残留を望んだことがインテルの武器になったが、コネは逆にプレミア挑戦を望んでいる。「選手の意思」という武器は、選手がそれを望む場合にのみ機能する。コネのケースは、インテルが資金力と選手選好の両面でプレミア勢に対抗することの難しさを改めて浮き彫りにしている。マロッタ(Beppe Marotta)流の「進化」の哲学も、選手本人がプレミアを望めば成立しない。
コネがアーセナルに流れれば、インテルの中盤補強プランは再構築を迫られる。これまでコネは「中盤の本命」とされ、カルロス・アウグスト(Carlos Augusto)+フラッテージ(Davide Frattesi)の選手交換案まで具体的に検討されていた。その本命が消えれば、代替候補へのシフトが必要だ。すでに浮上している候補は、ジョーンズ(Curtis Jones、リヴァプール=Liverpool)、アッタ(Arthur Atta、ウディネーゼ=Udinese)、そして格上のカマヴィンガ(Eduardo Camavinga、レアル・マドリード=Real Madrid)だ。コネが消えた今、これらの候補の優先順位が上がる。特にジョーンズは既に交渉が進んでおり、アッタはウディネーゼとの「三重取引」の一環として現実的だ。カマヴィンガは移籍金と年俸の両面でハードルが高いが、コネと同水準の5000万ユーロを投じるなら、より実績のあるカマヴィンガに向かう論理も成り立つ。コネの流出は痛手だが、インテルには複数の代替案がある。
ローマがUEFA財政協定対応でコネを売却し、その資金でグリーンウッドやサマービルを獲得し、コネの後釜にサッスオーロのイスマエル・コネを狙う——この一連の流れは、ローマの財政事情が引き起こす「玉突き」の連鎖だ。興味深いのは、イスマエル・コネが以前インテルも関心を示していた選手である点だ。サッスオーロには3500万ユーロの解除条項を持つイスマエル・コネ、そしてインテルが狙うムハレモヴィッチ(Tarik Muharemovic)がいる。ローマがイスマエル・コネに動けば、サッスオーロの選手売却の構図も変わる。ローマのFFP対応という一つのクラブの事情が、複数のクラブの移籍を連鎖的に動かす——セリエAの夏の市場が、相互に絡み合った複雑なネットワークであることを示している。インテルにとっては、エンディカ(Evan Ndicka)やコネといったローマ選手の獲得機会が、ローマのFFP対応のスケジュールに左右される構図が続く。
数ヶ月追い続けた中盤の本命が、プレミアの輝きに引き寄せられていく。アーセナルとの個人合意、選手のプレミア選好、ローマのFFP対応——複数の力学が重なり、コネのインテル行きは遠のいた。だがマロッタとアウジーリオ(Piero Ausilio)には、ジョーンズもアッタもカマヴィンガもいる。本命を失っても、中盤再編の道は閉ざされていない。インテルの夏は、また新たな一手を求めて動き続ける。
記事タイトル: Report: Arsenal reach Kone agreement as Roma ask for €50m
出典元記事URL: https://football-italia.net/report-arsenal-reach-kone-agreement-roma/
公開日: 2026/6/16
※ この記事は海外メディアの報道を参照し、独自の分析・感想を加えて執筆しています(出典の引用は著作権法第32条に基づきます)
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年6月17日
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