
サン・シーロを離れない男の物語が、もう一章書かれそうだ。ガゼッタ・デッロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)によれば、バルセロナ(Barcelona)のアレッサンドロ・バストーニ(Alessandro Bastoni)への関心が冷却し始めている。インテル・ミラノ(Inter Milan)が要求する7000万ユーロ前後の金額に対し、バルセロナは5000万ユーロ前後での妥結を期待していたが、バストーニ本人がインテル退団の意思を表明しなかったことで、その値引き交渉の前提が崩れた。さらにロベルト・レヴァンドフスキ(Robert Lewandowski)の退団が見込まれるバルセロナにとって、限られた予算をCBよりFW補強に充てるべきだという見方も浮上している——「本人が望めば去る」と語ったマロッタ会長の言葉が、現実の交渉でも有効に機能している。
ガゼッタの報道は、バストーニ獲得交渉のメカニズムを率直に整理している。
インテルの評価額は7000万ユーロ前後。バルセロナはこれを5000万ユーロ前後で妥結させたいと考えていた。しかしこの値引きが成立する条件は、バストーニ本人が公にバルセロナ移籍を望み、インテルに売却を強いる構図を作ることだった。
その「本人の意思表明」が起きなかった。スクデット獲得の歓喜のなかでバストーニは祝杯を挙げ、現時点でインテル退団を公に求める動きは見せていない。マロッタ(Beppe Marotta)会長が「今この瞬間、彼は我々と一緒にいて幸せだ」と語った状況が、そのまま続いている。
加えてバルセロナ側にも別の現実的問題がある。ラ・リーガ(La Liga)の厳格な財務規則の影響で、バルセロナはこの2シーズンで完全移籍として獲得できた選手はダニ・オルモ(Dani Olmo、5800万ユーロ)、ジョアン・ガルシア(Joan Garcia、2700万ユーロ)、若手のロニー・バルジ(Roony Bardghji、200万ユーロ)の3人のみ。実質「夏に1人の新戦力」という制約のなかで、5000万〜7000万ユーロのCBが最善の使い道かどうかが疑問視されている。
特に37歳のレヴァンドフスキの退団が見込まれるなか、ハンジ・フリック(Hansi Flick)監督の前線にはCFの大きな穴ができる。バルセロナの優先順位は、贅沢品としてのCBよりも必要不可欠なFWに置かれるべき——これがガゼッタの指摘だ。
バストーニ本人がインテル残留を望むという事実が、交渉のあらゆる戦略を無効化している。バルセロナが5000万ユーロでの妥結を狙うには「インテルが売却せざるを得ない状況」を作る必要があり、そのためには選手本人の退団希望が不可欠だった。しかしバストーニはスクデット獲得を経験し、ローマ(Roma)戦の5-2やコッパ・イタリア(Coppa Italia)決勝進出といった成功体験を共有した直後だ。残留の動機は最大化されている。マロッタが「選手が去るのは本人が望んだとき」と語った時点で、バルセロナの戦略の根幹は崩れていた。クラブが選手を放したくなく、選手も離れたくないなら、外部からの値引き圧力は機能しない。
ガゼッタの最も鋭い指摘は、バルセロナの限られた補強枠の使い道についての問いだ。財務規則の制約で年に1人の新戦力しか獲れないクラブが、その1人を「贅沢品」のCBに使うのか、それとも必須のCF補強に使うのか。レヴァンドフスキの後釜は緊急の課題であり、CFを獲らなければ来季の前線が崩壊する。一方でバストーニは「あったらいい」レベルの選手であり、現有のCB陣で代替は可能だ。バルセロナのフロントが冷静にこの優先順位を考えれば、バストーニ獲得の優先度は自然に下がる。インテルの強気な姿勢に直面した時点で、バルセロナが撤退を考えるのは合理的だ。
バストーニが残るなら、インテルの守備再建の方程式は大きく簡素化する。退団確定のアチェルビ(Francesco Acerbi)、デ・フライ(Stefan de Vrij)、ダルミアン(Matteo Darmian)の3人を入れ替えるだけで済む。ムハレモヴィッチ(Tarik Muharemovic)の個人合意成立、レオーニ(Giovanni Leoni)の獲得交渉——これらが「バストーニ+アカンジ(Manuel Akanji)」という現有の柱の周りを補強する形で機能する。バストーニ売却益の7000万ユーロが消える代わりに、5000万ユーロ規模の補強を別ポジションに割り振る必要もなくなる。オークツリー(Oaktree)が承認した4000万〜5000万ユーロの基本予算は、バストーニ残留前提なら十分な規模に映る。「最大の不確実要素」が消えることで、マロッタの夏の青写真が一気に明瞭になる。
「本人が望めば去る、望まなければ残る」というマロッタの原則が、現実の交渉でも生きている。バストーニはサン・シーロの21回目のスクデットを掲げた。その夜の幸福が、カタルーニャからの誘いを越えて続く可能性が、日に日に高まっている。
記事タイトル: Report: Barcelona disappointed as Bastoni transfer from Inter fades away
出典元記事URL: https://football-italia.net/report-barcelona-disappointed-by-bastoni/
公開日: 2026/5/5
※ この記事は引用元の情報を要約・翻訳し、独自の分析・感想を加えたものです(著作権法第32条に基づく引用)
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年5月6日
© 2025 nero15.dev. All rights reserved.