
右サイドの主が代わった夏に、その位置を長く務めた元フランス代表が口を開いた。[[バカリ・サニャ]]は[[ジェド・スペンス]]を「[[デンゼル・ダンフリース]]より均衡の取れた選手」と評し、インテルは交代で損をしていないと言い切る。さらに自身が2014年にミラノ行きの一歩手前まで進んでいたことも明かした。「もしインテルに行っていたら」という問いを抱えたままの男の証言
元[[アーセナル]]・[[マンチェスター・シティ]]の右SBで、フランス代表歴も持つ[[バカリ・サニャ]]が『The Italian Football Podcast』に出演し、移籍市場を終えたインテルの動きを論じた。[[FCInterNews]]が2026年9月4日16時28分に内容を伝えている。
サニャはまず「自分はインテリスタだ」と切り出し、2014年にインテル移籍の直前まで進んでいたと明かした。当時[[ピエロ・アウジリオ]]と会談しており、行かなかったことは人生における大きな問いのひとつだ、と語っている。なお元記事は、このインタビューがアウジリオの正式な退団発表より前に収録されたものだと注記している。
議論の中心は、今夏インテルがプレミアリーグ経験者を相次いで迎え入れた点だった。サニャはイタリアの試合が英国よりインテンシティの面で穏やかであるため、彼らはより快適にプレーできるはずだと述べ、加えて彼らが知性と技術を備えていると評価した。そのうえで「最も強いアイデンティティを持ち、最もイングランドのクラブに似たチームを選ぶなら、それはインテルだ」と語っている。
最も踏み込んだのが、右サイドの比較だ。サニャは[[ジェド・スペンス]]について、攻撃面に優れながら素早く自陣へ戻れ、ポジションを崩さず、1対1にも強いと列挙。そのうえで[[デンゼル・ダンフリース]]より均衡の取れた選手だと評価した。ダンフリースの攻撃面の強さは認めつつ、インテルはこの入れ替えで損をしていない、というのが彼の結論である。
原文: "Per questo penso che sia un giocatore più equilibrato rispetto a Dumfries. Dumfries è davvero bravo in fase offensiva e sa dire la sua quando attacca, segnando anche dei gol. Ma credo che l'Inter non ci abbia rimesso con questo cambio."
訳: 「だから私は、彼(スペンス)がダンフリースより均衡の取れた選手だと思う。ダンフリースは攻撃の局面で本当に優れていて、攻め上がれば存在感を示し、ゴールも決める。それでも私は、インテルがこの入れ替えで損をしたとは思わない」
原文: "Se dovessi scegliere una squadra con l'identità più forte e quella che più assomiglia a un club inglese, direi proprio l'Inter."
訳: 「最も強いアイデンティティを持ち、最もイングランドのクラブに似ているチームを選べと言われたら、私は迷わずインテルと答える」
サニャの言葉を要約するとき、「スペンスのほうが上」と書いてしまうと元の発言から離れる。彼が使ったのは equilibrato(均衡の取れた)という語であり、これは総合力の優劣ではなく、攻守の配分の話だ。サニャ自身、ダンフリースの攻撃面の質と得点力を明確に認めている。
この区別は、[[3-5-2]]の右で何が求められるかという議論に直結する。ダンフリースの5年間は、右サイドを「もう一人のアタッカーがいる場所」に変えることで成立していた。サニャが指摘しているのは、スペンスがその上限を超えるという話ではなく、上下動の質が揃っているという話である。攻撃で消えず、かつ守備で穴にならない。どちらを取るかはチームの設計思想の問題であり、サニャは「インテルは損をしていない」という言い方で、ここに優劣を持ち込むことを避けたと読める。
より実務的なのは、サニャが後半に展開した併用論のほうだろう。彼はインテルが多くの試合でボールを保持しており、攻め続けている限り過度に守る必要はないため[[アンディ・ディウフ]]を置ける、と述べる。一方、危険なウイングを擁する相手と対峙する試合ではサイドのスペースを閉じる必要があり、その場合スペンスが最適解になり得ると整理した。
サニャはさらに、[[クリスティアン・キブ]]がスペンスを求めた理由もそこにあると推測している。相手に主導権を握られる展開――彼はヴィニシウスのような本職のウインガーを例に挙げた――でこそ、ディウフより守備で優れるスペンスが起用される、という見立てだ。今季インテルは[[レアル・マドリード]]との対戦を控えており、この想定はかなり具体的な射程を持つと言える。もっとも、スペンスは小さな負傷で出遅れており、この使い分けが機能するのはもう少し先になる可能性がある。
最後に、この証言をどう割り引いて読むかにも触れておきたい。サニャは冒頭で「自分はインテリスタだ」と明言し、2014年に移籍寸前まで進んだ経緯を語っている。愛着を隠していない人物の評価である以上、クラブ運営への「素晴らしい」という賛辞も含め、中立的な分析として受け取るのは適切ではない。
ただし、彼が語っている領域――右SBの攻守バランス、プレミアリーグ出身選手のセリエAへの適応――は、まさに彼自身が10年以上プレーで扱ってきたものだ。アーセナルとマンチェスター・シティでリーグ最高峰のサイドを務め、[[ジョン・ストーンズ]]とはチームメイトでもあった。愛着は差し引いても、判断の材料そのものは一次的だと考えられる。ダンフリースの穴を心配する声が日本語圏でも根強いなか、この角度からの評価は記録に値する。
「もしインテルに行っていたら」を抱えたまま12年が過ぎた男が、いま右サイドに座った後輩を擁護している。スペンスがその期待に応えられるかは、まだ一度も試合で確かめられていない。答えが出るのは、彼がようやくピッチに立つ日からだ。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年9月5日
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