
開幕から3試合、3ゴール。[[ダヴィデ・フラッテージ]]はラツィオで完全に別人になった。その復活の裏で、この夏に一度だけ扉が開きかけていた事実が明らかになる。行き先はローマではなく、トリノ。もしその交渉がまとまっていたら、彼はいま黒と白の縦縞を着ていたかもしれない。移籍市場が閉じた今になって浮かび上がった、もうひとつの分岐点。
[[ファブリツィオ・ロマーノ]]が自身のYouTubeチャンネルで、この夏のフラッテージをめぐる交渉の裏側を明かした。[[ユヴェントス]]は彼を評価対象として検討しており、フラッテージと[[アンドレア・カンビアーゾ]]を絡めた交換の話題まで出ていたという。しかし最終的に[[インテル・ミラノ]]とユヴェントスは「一緒に取引を成立させるための噛み合わせ」を見つけられなかった、というのがロマーノの説明である。
ロマーノによれば、この案を強く推していたのは[[ルチアーノ・スパレッティ]]で、しかも2026年1月の時点からフラッテージ獲得を後押ししていた。ただしユヴェントスは最終的に別の戦略を選択した。なお、元記事はスパレッティの現在の所属や肩書きについては触れていない。
そのフラッテージは、結果的にラツィオへ渡って開幕から爆発している。ボローニャ、ジェノア、そしてウディネーゼ。3試合連続で得点し、ラツィオが挙げた4得点のうち3つが彼の名前で記録されている。前夜のウディネーゼ戦では逆転劇の起点にもなった。
原文: "La Juventus aveva fatto valutazioni su di lui. Inter e Juve poi non hanno trovato il click per fare operazioni insieme, nonostante si fosse parlato di Frattesi e Cambiaso. Spalletti caldeggiava l'operazione Frattesi già a gennaio. Poi la Juve ha scelto di seguire altre strategie."
訳: 「ユヴェントスは彼について評価を進めていた。フラッテージとカンビアーゾの名前が出ていたにもかかわらず、インテルとユヴェントスは一緒に取引をまとめるための噛み合わせを見つけられなかった。スパレッティは1月の時点からフラッテージ獲得を強く推していた。その後ユヴェントスは別の戦略を選んだ」
ロマーノの言う「click」——噛み合わせが見つからなかった、という表現は含みが多い。金銭条件の話なのか、評価額の隔たりなのか、それとも相手がユヴェントスであること自体が障壁だったのか。元記事はそこまで踏み込んでいない。
ただ、インテルが最終的に選んだのはラツィオへの放出だった。ここには編成上の合理性を見いだせる。イタリア国内でも直接のスクデット争いに絡む可能性が相対的に低い相手を選ぶという判断は、放出クラブとして自然だと考えられる。もっとも、そのラツィオが開幕3連勝で勝ち点9を積み、インテルと同列で首位争いをしている現実を見れば、この計算は早くも揺らいでいるとも言える。皮肉としては上等な部類だろう。
交換相手として名前が挙がったのがアンドレア・カンビアーゾだった点は、インテルのこの夏の課題を逆照射している。左右のサイドを高い位置で担える駒の確保は、[[クリスティアン・キブ]]の3-5-2にとって恒常的なテーマであり続けた。[[ジェド・スペンス]]の獲得も同じ文脈にある。
つまりインテル側にも、この交換に一定の関心を持つ理由はあったと推察できる。それでも成立しなかったのは、ミラノとトリノの間に横たわる歴史的な距離が、実務上のハードルとしていまも機能していることの現れかもしれない。ここは推測の域を出ない。
フラッテージがローマでゴールを重ねていることを、インテルの「失敗」として語るのは早計だ。彼はインテルでの最終年、腹部の手術や内転筋の負傷、そして私的な喪失を抱えていた。環境を変えて再び走れるようになった選手を、いま気持ちよくプレーしていること自体は、送り出した側にとっても悪い話ではない。
むしろ注目すべきは、この交渉が「あり得た未来」として記録に残ったという事実だろう。ユヴェントスのユニフォームを着たフラッテージがサン・シーロで走る光景を、ネラッズーリは見ずに済んだ。それだけでも、この夏の選択には意味があったと考えられる。
3試合で3ゴール。数字だけを見れば惜しい放出に映る。だが彼が取り戻したのは得点ではなく、走る理由のほうだ。ラツィオでよみがえった背番号を、いつかサン・シーロで拍手とともに迎えられるかどうか。答えはまだ先にある。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年9月8日
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