
ピッチの外でも、マロッタは動いている。DAZNのインタビューで、インテルのマロッタCEOが新サン・シーロ・スタジアムの建設計画について語り、2030年の初試合開催を目標に掲げた。総工費10億ユーロ超の巨大プロジェクトはACミランとの共同事業であり、設計はノーマン・フォスターとマニカの2大建築事務所が手がける。UEFAがすでに現行スタジアムのEURO2032開催不適格を通告しているなか、マロッタは「ミラノがユーロの開催都市に含まれないことは想像できない」と強い意志を示した。ただし最大の敵はライバルクラブではなく、イタリアの行政手続きだという。
DAZNの取材にFCInterNewsを通じて応じたジュゼッペ・マロッタ(Giuseppe Marotta)CEOが、新サン・シーロ・スタジアムの建設スケジュールについて詳細に語った。
マロッタによると、新スタジアムはインテルとACミラン(AC Milan)の共同プロジェクトとして進行中で、2030年に最初の試合を開催することが目標だ。総工費は10億ユーロを超える見込み。設計はイギリスの著名建築家ノーマン・フォスター(Norman Foster)とマニカ(Manica)が担当する。現在はまだ初期段階にあり、自治体および州政府からの許認可取得が必要な状況だ。
UEFAはすでにイタリアサッカー連盟に対し、現在のサン・シーロ(スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ)がEURO2032の開催基準を満たさないと通告している。2030年の開場が実現すれば、EURO2032に間に合う計算だ。
マロッタは建設資金については「資本は見つかる。我々のケースがそうだ」と明言し、オークツリー(Oaktree、インテル)とレッドバード(RedBird、ACミラン)の両オーナーがこの目標に投資を一致させていると述べた。一方で、イタリアのスタジアム建設を阻む最大の障壁は行政手続きの遅さだと強調。過去20年で欧州全体では250のスタジアムが新設されたが、イタリアではわずか5つに過ぎないという数字を挙げ、スポーツインフラの遅れを嘆いた。
原文: "The stadium must function as an active facility 24/7. San Siro no longer meets these requirements due to its age."
訳: 「スタジアムは24時間365日稼働する施設でなければならない。サン・シーロはその老朽化ゆえに、もはやこの要件を満たしていない」
原文: "In the last 20 years, Europe has built 250 new stadiums, and only 5 of those were in Italy. This says a lot about how far behind we are."
訳: 「過去20年で欧州は250の新スタジアムを建設したが、そのうちイタリアはわずか5つ。我々がどれほど遅れているかを物語っている」
原文: "The problem is bureaucracy, which is extremely rigid and often becomes a tool to deter potential investors."
訳: 「問題は官僚主義だ。極めて硬直的で、しばしば潜在的な投資家を遠ざける道具と化している」
マロッタが挙げた「欧州250対イタリア5」という数字は衝撃的だ。プレミアリーグ、ブンデスリーガ、リーガ・エスパニョーラのクラブが次々と最新鋭のスタジアムを手にするなか、セリエAの名門クラブは築60年超の施設でプレーし続けている。スタジアム収入はマッチデー収入、ホスピタリティ、イベント開催など多岐にわたり、プレミアリーグとの収入格差の一因がここにある。インテルが移籍市場で「フリーエージェントの活用」「買い戻し条項の駆使」「売却収入の再投資」といった工夫を重ねなければならない根本的な理由のひとつが、スタジアムインフラの遅れによる構造的な収入差だ。新サン・シーロが2030年に実現すれば、インテルの収益基盤は根本から変わる。
移籍市場ではゴレツカを巡って火花を散らすインテルとACミランだが、スタジアム建設では完全なパートナーだ。マロッタが「ミラノはミラン、ミラノはインテル」と語ったように、両クラブの歴史はサン・シーロと不可分に結びついている。オークツリーとレッドバード、ともにアメリカの投資ファンドが両クラブを所有するという現状は、スタジアム共同建設にとって追い風だ。アメリカのスポーツビジネスでは、スタジアムは「収益の源泉」であり「投資回収の核」だ。両オーナーが「この目標に投資を一致させた」というマロッタの発言は、移籍市場のライバル関係を超えた、経営レベルでの戦略的同盟が成立していることを意味する。
2030年開場が実現すれば、インテルは24時間365日稼働する最新鋭施設を手にする。現在のサン・シーロは試合日以外の収益化が限定的だが、新スタジアムではホスピタリティ、企業イベント、コンサート、ミュージアムなど多角的な収入が期待できる。これはオークツリーが推進する「持続可能なクラブ経営」の最も大きなピースだ。現在のインテルが補強予算を「売却収入の再投資」に大きく依存している構造は、新スタジアムの収益で根本的に改善される可能性がある。ただしマロッタ自身が認める通り、行政手続きの遅れが最大のリスクだ。「官僚主義が投資家を遠ざける道具になっている」という批判は、イタリアサッカー全体への警鐘でもある。
サン・シーロは象徴だ。だが象徴だけではフットボールの未来は築けない。マロッタが語った「2030年」という数字は、インテルとACミランが共に歩む新しい章の始まりを告げている。250対5の現実を変えるために、ミラノの2つのクラブが同じゴールに向かって走る。ピッチ上ではライバル、ピッチ外ではパートナー。それがミラノのフットボールだ。
記事タイトル: Inter Milan President Sets The Date For New San Siro Opening: “The Hope Is To Play The First Match In 2030”
出典元記事URL: https://sempreinter.com/2026/03/03/inter-milan-chief-marotta-san-siro-hope-open-2030/
公開日: 2026/3/3
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スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年3月3日
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