
右サイドの補強プランが、また一人新しい名前へと移った。本命だった[[マルコ・パレストラ]]をプレミアの資金力に競り負ける形で取り逃がしたインテルが、次なる候補としてベルギーで台頭した21歳のイスラエル代表ウインガーに照準を合わせた。すでに同じ相手を追うのはナポリ。一人の若き右サイドアタッカーをめぐる、伊2強の静かな綱引きが始まろうとしている。
インテルが右サイドの補強候補として、[[アナン・ハライリ]](Anan Khalaili)に関心を寄せていることが報じられた。所属はベルギーのユニオン・サン=ジロワーズ(Union Saint-Gilloise)。2004年生まれ、ハイファ出身のイスラエル代表で、昨季はチャンピオンズリーグでインテルと対戦した相手でもある。
きっかけは右サイドバック/ウインガー補強の迷走だ。本命だった[[マルコ・パレストラ]]の獲得が頓挫し、クラブは改めて右の駒を探す状況に逆戻りした。そこで浮上したのが[[ハライリ]]の名前で、[[クリスティアン・キブ]]は彼を[[デンゼル・ダンフリース]]の理想的な控えと見ているという。
ただし、先行しているのはナポリだ。ナポリは以前から[[ハライリ]]に関心を示し、選手側とは5年契約での合意にこぎ着けたと伝えられている。一方でユニオン・サン=ジロワーズとの移籍金交渉はまだ折り合っておらず、クラブ間の最終決着には至っていない。ここにインテルが割って入った構図であり、選手の優先順位という点ではナポリがリードしていると考えられる。
原文: "L'Inter si è mossa per Khalaili."
訳: 「インテルはハライリ獲得に動いた」
([[ファブリツィオ・ロマーノ]]の報道として伝えられたもの。ロマーノはあわせて、選手がインテルSD[[ピエロ・アウジリオ]]のリストに入っていることにも言及している。)
ユニオン・サン=ジロワーズが提示する評価額はおよそ2500万ユーロと報じられている。公式戦52試合で6ゴール6アシスト、さらにCLの大舞台で8試合3ゴールを残した21歳の右サイドアタッカーとしては、決して法外な数字ではないと考えられる。むしろ問題は金額よりも順番だ。選手側とすでに5年契約で合意しているナポリに対し、インテルは交渉の入り口に立った段階にすぎない。
近年のインテルは、市場で過熱する前の選手を相対的に安く仕留める嗅覚で編成を回してきた。だが今回は、その嗅覚が一歩遅れた可能性がある。[[マルコ・パレストラ]]を資金力で競り負けた直後だけに、同じ轍を踏まないためには、移籍金以外の条件面でユニオン・サン=ジロワーズを動かす材料が要る。アウジリオのリストに名前があるとはいえ、現状は「興味」の段階にとどまると見るのが妥当だろう。
[[クリスティアン・キブ]]が[[ハライリ]]を[[デンゼル・ダンフリース]]の控えと見ているという報道は、インテルの右サイドが抱える構造的な課題を映している。[[3-5-2]]の右ウイングバックは攻守にわたって広大なエリアをカバーする消耗の激しいポジションで、ダンフリースに次ぐ計算できる二番手の不在は長年の宿題だった。本職がウインガーの[[ハライリ]]を最終ラインまで下がるウイングバックに転用できるのか、という適性の見極めは残る。
もっとも、攻撃に振れる右の選手を一枚加えること自体は、キブの戦術に幅を与えうる。スコアを動かしたい局面でダンフリースを押し上げ、[[ハライリ]]を前に置く可変も理屈の上では描ける。守備のタスクをどこまで仕込めるかが、獲得の是非を分ける現実的な論点になると推察する。
ユニオン・サン=ジロワーズは近年、欧州の中堅クラブにとって有力なステップアップの供給源となっている。そこで結果を残した[[ハライリ]]を伊2強が同時に追う構図は、インテルの市場の射程がベルギーリーグやイスラエル代表クラスにまで及んでいることを示す。パレストラのようなセリエA内の即戦力争いで競り負ける局面が増えるなか、国外の伸びしろある若手に目を向けるのは合理的な方向転換とも考えられる。
ただ、政治的・社会的な事情を含め、イスラエル代表選手の移籍には通常以上の配慮が伴う場面もある。クラブがどこまで本腰を入れるのか、その判断材料はまだ出そろっていない。
パレストラを逃した穴を、インテルは国外の新たな名前で埋めにかかった。だが先んじているのはナポリであり、いまは出遅れを認めざるを得ない位置にいる。右サイドの長年の宿題に、[[ハライリ]]は答えとなるのか。それとも、また一つ消えていく候補にすぎないのか。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年6月29日
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