
開幕戦の朝、インテル史上屈指のセンターフォワードが後継者について語った。3月22日以来インテルでのゴールは1つだけ。それでも彼は「1億ユーロでも売らない」と言い切り、なぜ点が止まったのかを自らの若い頃に重ねて説明してみせる。数字ではなく走り方の話として。
インテルの伝説的ストライカー、アレッサンドロ・アルトベッリ(Alessandro Altobelli)がガゼッタ・デロ・スポルトのインタビューに応じ、[[ピオ・エスポージト]]について語った。FCInterNewsが8月22日8時58分に伝えている。アルトベッリはこの日、インテル対モンツァを観戦するためジュゼッペ・メアッツァに足を運ぶ予定だという。
エスポージトはこの開幕戦で、攻撃の中央に先発する見込みだと報じられている。アルトベッリは彼を「インテルと代表の先発、若いのに経験豊富な素晴らしいFW」と評し、「インテルとイタリアは長年にわたるセンターフォワードを見つけた」と踏み込んだ。得点以外の貢献を高く評価しているのが特徴で、ボールの守り方、味方を押し上げる動き、空中戦の落とし、アシストといった項目を具体的に挙げている。
一方で、3月22日以降インテルでのゴールが1つにとどまっている点についても質問が及んだ。アルトベッリの答えは自身のキャリア初期の経験に基づくもので、あらゆるボールを追いかけてエネルギーを浪費していた時期があったと明かし、サイドまで流れればゴール前に間に合わない、間に合っても冷静さを欠く、と説明している。
原文: "È umile, ha fame, gioca per la squadra, sa rendersi utile anche quando non segna. Difende il pallone come un veterano, fa salire i compagni, è bravissimo nelle sponde aeree e negli assist."
訳: 「謙虚で、飢えていて、チームのためにプレーする。点を取れていないときでも役に立つ方法を知っている。ベテランのようにボールを守り、味方を押し上げ、空中戦の落としとアシストが実に巧い」
原文: "Se un club offrisse 100 milioni per Esposito? L'Inter non ha bisogno di soldi. Pio è nato e cresciuto in nerazzurro. Vuole fare la storia di questo club. Credo che il problema non si ponga."
訳: 「どこかのクラブがエスポージトに1億ユーロを出したら、か。インテルに金は必要ない。ピオはネラッズーリで生まれ、ネラッズーリで育った。このクラブの歴史を作りたいと思っている。そもそも問題として成立しないと思う」
現時点で[[ピオ・エスポージト]]に1億ユーロを提示したクラブがあるという報道は、元記事には見当たらない。つまりこの数字は仮定の話であり、アルトベッリが自ら持ち出した価格でもない。
それでも、この受け答えには一定の意味がある。今夏のインテルは主力の売却を伴わない補強を続け、オークトリーの意向として「本人の希望によらない主力放出はなかった」と伝えられてきた。育成組織出身のFWに高額のオファーが来たとき、クラブが売るのか残すのかという問いは、この編成方針が本物かどうかを測る試金石になる。アルトベッリの答えは、その問いに対するOBサイドからの先回りの牽制と読むこともできるだろう。
興味深いのは、同じ日にコリエレ・デロ・スポルトが「第5のFWの人選は極秘、ただし人物像は固まっている」と報じ、トゥットスポルトも[[アンジュ=ヨアン・ボニー]]が出れば代役を探すという趣旨の記事を出していることだ。市場閉幕を目前に、インテルが前線であと1枚を検討しているという線は複数紙で一致している。
アルトベッリはこれに真っ向から反対する。「あの4人で十分すぎる」という言い方は、[[ラウタロ・マルティネス]]、[[マルクス・テュラム]]、エスポージト、ボニーの4枚を指したものだ。彼が同時に「今季は60試合」と述べているのを踏まえると、この主張はやや強気にも映る。60試合を4人で回すことは、負傷者が出ない前提でしか成立しないからだ。ただし裏を返せば、5人目を入れることでエスポージトとボニーの出場機会が削られることへの懸念とも受け取れる。
エスポージトのゴールが止まっている件について、アルトベッリの説明は戦術的にも筋が通っている。サイドに流れる動きを増やせば、クロスが上がる瞬間にペナルティエリア内にいない。仮に間に合っても、走り込んだ直後は判断の精度が落ちる。要するに、貢献度の高いプレーがそのまま得点数を削っているという構図だ。
アルトベッリ自身が挙げた「中盤も外も攻撃参加するチームでは、彼の動きがスペースを開けるのに理想的」という評価と、この指摘は表裏一体である。エスポージトはチームのために空けている側であり、空いたスペースを使う側ではない。この役割分担が今季も続くのか、それとも[[クリスティアン・キブ]]がより直線的な使い方に振るのかは、開幕からの数試合で見えてくると考えられる。少なくともアルトベッリは「経験で力の配分を覚える」と、時間の問題として片づけている。
クラブ史に残るセンターフォワードだった男が、まだ1ゴールで足踏みしている若手を「歴史を作る」と呼んだ。数字ではなく走り方を見て言っている分、その評価は安くない。答えは今夜、7万人の前で最初のページがめくられる。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年8月22日
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