
ダンフリースの後継として、この夏トッテナムから迎え入れた右の主。だが開幕から2週間が過ぎても、ジェド・スペンスはまだネラッズーリのユニフォームで公式戦のピッチに立っていない。日曜のカリアリ戦は招集外が確実で、その次のナポリ戦も危うい。もっとも、クリスティアン・キブの表情に焦りはないという。理由は、右サイドで別の男が答えを出し続けていることにある。
ガゼッタ・デロ・スポルトによれば、デンゼル・ダンフリースの後継として獲得されたスペンスは、既往の小さな負傷の影響でコンディションが仕上がっていない。回復にはもう少し時間が必要で、カリアリ戦の招集は見送られる。同紙はナポリとの一戦も欠場する可能性が高いとしている。
一方、Sky Sportがアッピアーノ・ジェンティーレから伝えた29日の練習状況では、グループ全体が指揮官の指示のもとで通常メニューをこなしたなか、離脱していたのはスペンスとヤニス・マッソリンの2名のみ。同局はスペンスについて、ワールドカップ後の再コンディショニングの過程を進めている段階だと説明した。既往の負傷とするガゼッタとの間で、ややニュアンスの違いがある。
キブは中期的な戦力としてスペンスの貢献を待つ構えで、当面の右サイドはアンディ・ディウフの台頭で十分にカバーできているとの判断だという。
原文: "Cristian Chivu aspetta il suo contributo nel medio termine, ma intanto si considera ben coperto dall'esplosione di Andy Diouf."
訳: 「クリスティアン・キブは中期的な貢献を待っている。だが当面については、アンディ・ディウフの飛躍によって十分に手当てされていると考えている」
補強したサイドバックが8月末になっても使えない。通常なら編成上の失敗を疑われる状況だが、今回に限ってはそう見えていない。理由は明快で、モンツァ戦でディウフが2アシストを記録し、右サイドの答えとして機能してしまったからだ。
もともとディウフは中盤の選手として獲得された経緯があり、右のウイングバックでの起用はキブの発想の産物である。その転用が当たったことで、スペンスの離脱は「痛手」から「猶予」に変わった。競争が生まれた状態でスペンスが戻ってくるなら、クラブにとってはむしろ望ましい形だと考えられる。
ただし、コンディションの説明が媒体によって揺れている点は気にかけておきたい。ガゼッタは「既往の小さな負傷」と書き、Skyは「W杯後の再コンディショニング」と表現した。前者は治療の話であり、後者は積み上げの話だ。
もし後者が実態に近いのなら、復帰までの見通しは立てやすい。逆に前者なら、再発リスクを含めて慎重な管理が必要になる。いずれにせよ、9月8日にレアル・マドリード戦を控えた日程を考えれば、クラブが急がせる理由はほとんどない。無理をさせて秋に失うより、10月以降に確実な戦力として計算できる状態で戻すほうが合理的だろう。
そもそもインテルの3-5-2における右ウイングバックは、セリエAでも屈指の負荷が高いポジションだ。ダンフリースが長年その位置で示してきたのは、90分間の上下動と、ペナルティエリア内に飛び込む決定力の両立だった。基準がそこにある以上、スペンスが加入初年度からいきなり同水準を求められるのは酷でもある。
だからこそ、この出遅れは長い目で見れば悪くない。ディウフが先に評価を確立し、スペンスが万全の状態で合流する。競争の順番としては、むしろ健全に整いつつあると推察する。
この夏の目玉補強の一人が、まだ一度も走っていない。それでもインテルは開幕戦を4-1で勝ち、右サイドから2つのアシストが生まれた。スペンスがようやくピッチに立つ日、彼が奪いにいくポジションは、すでに空席ではなくなっている。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年8月29日
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