
クリスティアン・キブは隠さない。外のサイドに一枚足りない、それはあなたたちにも分かるだろう、と。そして8月3日のイタリア各紙は、その「一枚」の候補として中盤の名前を並べ始めた。カーティス・ジョーンズ。ただし彼を連れてくるには、先に片づけておかなければならない仕事がある。ヴィアーレ・リベラツィオーネの机の上には、獲得リストではなく放出リストが置かれている。
複数のイタリア紙が3日朝、インテルの中盤補強をめぐる同じ構図を伝えた。Il Messaggeroによれば、ダヴィデ・フラッテージの放出が実現しない限り、ジョーンズの獲得は前に進まない。同紙はトッテナムのジェド・スペンスについても交渉上の問題があると指摘している。
Tuttosportはこれとは別の角度から光を当てた。ジョーンズは中盤の内側だけでなく右のサイドでも起用できる。つまりキブが求める「外の一枚」と「中盤の一枚」を、1人で兼ねられる可能性があるという。予算に上限があるクラブにとって、これは無視できない付加価値だ。
一方、イングランド側の空気は必ずしも穏やかではない。リヴァプールはインテルからの正式オファーがいまだ届かないことに苛立ちを見せていると報じられ、Mirrorはリヴァプールがすでにジョーンズの後釜を探し始めたと伝えている。ファブリツィオ・ロマーノ(Fabrizio Romano)は先週末の時点で、リヴァプールの要求額を4000万ユーロと明言していた。
原文: "Curtis Jones l'Inter lo vorrebbe, ma servono 40 milioni per il Liverpool. E poi c'è questa questione esterno, per Chivu ne manca uno."
訳: 「カーティス・ジョーンズをインテルは欲しがっている。ただしリヴァプールには4000万が必要だ。そのうえでサイドの問題がある。キブにとっては一枚足りないんだ」(ファブリツィオ・ロマーノ)
原文: "Ci serve un esterno, lo capite anche voi."
訳: 「外のサイドが必要だ。それはあなたたちにも分かるだろう」(クリスティアン・キブ)
La Gazzetta dello Sportは、インテルが手にしている補強予算を5000万ユーロ規模と伝えている。すでにジョン・ストーンズら複数の選手を迎え入れた後でこの額が残っているとしても、4000万ユーロのジョーンズと、守備陣の大型補強を同時に成立させるのは難しい。だからこそIl Messaggeroの指摘が効いてくる。フラッテージの売却は、資金面でも人数面でも、ジョーンズ獲得の前提条件になっていると考えられる。
フラッテージは代理人のベッペ・リーゾが7月末にクラブと面会し、放出の方向で話が進んでいると伝えられてきた選手だ。皮肉なことに、彼の去就が固まらない限り、後任候補との交渉テーブルにインテルは正式には座れない。リヴァプールが「正式オファーが来ない」と苛立っているのは、この待機構造の裏返しだろう。
Tuttosportの指摘は、単なる補足情報ではなく、今夏のインテルの補強思想そのものを示している。デンゼル・ダンフリースが去った右サイドの穴を、インテルは純粋なウイングバックでは埋めきれていない。すでにアンディ・ディウフを外に押し出す案が現実味を帯び、ムサ・ディアビーへの再打診も報じられ、マイケル・カヨデやスペンスの名前も並んだ。候補が多いということは、決め手がないということでもある。
そこで「中盤もサイドもできる」ジョーンズが浮上する。3-5-2において、中盤の一角とウイングバックを兼務できる選手は編成上のコストを劇的に下げる。ただしこれは諸刃の剣でもある。兼務要員は便利だが、専門職ほどの精度は望みにくい。ダンフリースが右で生み出していた突破力と得点関与を、ボックス・トゥ・ボックスの選手が代替できるかは別の問題だと推察する。
リヴァプールが4000万ユーロを譲らないのは、契約に余裕があり、放出を急ぐ必要がないからだ。しかしMirrorが伝えるように後継者探しが始まっているのであれば、その姿勢は8月下旬に向けて軟化する余地がある。市場の締め切りが近づくほど、売り手の強気は減価する。
インテル側の勝負どころは、フラッテージの売却が成立する瞬間だろう。資金が入り、枠が空き、そのタイミングでリヴァプールが後継者を確保していれば、4000万という数字は別の形に組み替えられる可能性がある。逆にフラッテージが残れば、この案件は静かに立ち消えになりかねない。
キブが求めているのは一枚のサイドである。だがクラブがまず動かさなければならないのは、放出の一枚だ。8月のインテルにおいて、補強の速度を決めるのは獲得担当ではなく、出口の交渉である。夢を買うには、先に何かを売らなければならない。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年8月3日
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