
セリエAを裏から支配している——ジュゼッペ・マロッタに向けられるそんな陰謀論を、コリエレ・デロ・スポルトのディレクター、イヴァン・ザッザローニが真っ向から否定した。SNSで拡散される「マロッタ・リーグ」なるミームに対し、「直近3年で2度スクデットを逃し、決勝も2度落としている男のどこに絶対的な権力があるのか」と痛烈に切り返している。イタリアサッカー界に根強い「黒幕」願望に、ベテラン記者が釘を刺した格好だ。
コリエレ・デロ・スポルト(Corriere dello Sport)のディレクターであるイヴァン・ザッザローニ(Ivan Zazzaroni)が、ポッドキャスト「Numer1」にゲスト出演し、いわゆる「マロッタ・リーグ(Marotta League)」と呼ばれる陰謀論について持論を展開した。
「マロッタ・リーグ」とは、インテルのジュゼッペ・マロッタ(Giuseppe Marotta)CEOがセリエAにおいて不当な影響力を行使しているとする、主にSNS上で広まった主張だ。マロッタはユヴェントス(Juventus)時代の2010年から2018年にかけて7連覇を主導し、2018年のインテル移籍後も過去6年で2度のスクデットを獲得。現在もキヴ率いるチームが10ポイント差で首位を走っており、その成功の裏に「見えない力」があるのではないかという疑念が一部で根強い。
しかしザッザローニはこの見方を全面的に否定。マロッタの仕事は人間関係の構築であって審判への介入ではないと明言し、40年のキャリアを持つ有能なディレクターに自由に仕事をさせているのは、むしろ他クラブのフロントの責任だと指摘した。さらに「直近3年でスクデットを2回失い、決勝も2回落としている」という事実を挙げ、マロッタが全能の支配者であるという主張の矛盾を突いた。
原文: "If there really exists such a thing as Marotta League, the culprits are the other directors who let a distinguished director with 40 years of experience, to do what he wants."
訳: 「もし『マロッタ・リーグ』なるものが本当に存在するなら、犯人は40年の経験を持つ優秀なディレクターに好き放題やらせている他クラブのフロントだ」
原文: "Marotta does his job which is to maintain relationships. He doesn't influence the referees. He works well to serve his interests."
訳: 「マロッタは自分の仕事をしている。それは人間関係を維持すること。審判に影響を与えているわけではない。自分の利益のために巧みに動いている」
原文: "Nothing will happen in 10 years time and we wont discover anything. 'Marotta shouldn't be this powerful' they say when he's lost two Scudetti in the last three years as well as two finals."
訳: 「10年経っても何も起きないし、何も発覚しないだろう。『マロッタがこれほどの権力を持つべきではない』と言うが、彼は直近3年でスクデットを2回、決勝を2回失っている」
「マロッタ・リーグ」が支持を集める背景には、イタリアサッカー固有の文化がある。2006年のカルチョポリ事件は、クラブと審判の間に実際に不正な関係が存在したことを白日のもとにさらした。あの記憶がある限り、成功し続けるフロントマンに対して「裏で何かやっているのでは」という疑念が向けられるのは、ある意味で避けがたい。ザッザローニが「イタリアには常に、すべてを支配する権力者がいるという恐怖がある」と指摘したのは、この文化的な土壌を正確に突いている。問題は、カルチョポリという実例があるがゆえに、根拠のない陰謀論にも「もしかしたら」という説得力が生まれてしまうことだ。
ザッザローニの反論で最も鋭いのは、「他のフロントがマロッタに好きにやらせているのが問題」という指摘だ。マロッタがフリーエージェント市場で次々と実力者を確保し、若手の早期囲い込みに成功しているのは事実だが、それはルールの範囲内での卓越した仕事ぶりに過ぎない。コナテ、ゴレツカ、チェリクといったフリー移籍候補を追い、ムハレモヴィッチには口頭オファーを先行させる。こうした動きの速さは「権力」ではなく「能力」と呼ぶべきものだろう。他クラブのフロントが同じことをできないのは、マロッタがリーグを支配しているからではなく、マロッタの40年の経験と人脈が生む競争力に追いつけていないだけだと考えられる。
陰謀論に対する最も効果的な反論は、数字だ。マロッタ体制下のインテルは直近3年で2度リーグタイトルを逃し、決勝も2度敗れている。もしマロッタがセリエAを意のままに操れるなら、これらの敗北は説明がつかない。ザッザローニが「10年経っても何も発覚しない」と断言したのは、カルチョポリのような実体のある不正と、SNS上の憶測との間に明確な線を引く試みだ。今季インテルが10ポイント差で首位を走っているのは、キヴ監督の戦術的手腕、バストーニやディマルコの安定、そしてマロッタの補強戦略が噛み合った結果であり、そこに陰謀を介在させる必要はない。
陰謀論はいつの時代も、成功者の周りに集まる影のようなものだ。だが影の正体は、たいてい光の強さが生み出す錯覚にすぎない。マロッタが「権力者」に見えるのは、彼が単純に優秀だからだ。ザッザローニの言葉は、その当たり前の事実を思い出させてくれる。
記事タイトル: Italian Journalist Ridicules ‘Marotta League’ Conspiracy Theory: “Marotta’s Lost 2 Serie A Titles, Where’s This So Called Power?”
公開日: 2026/2/24
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スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年2月24日
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