
待つことを選んだクラブが、いま二度目の同じ賭けに出ようとしている。トッテナムを相手に値を下げさせ、最後に3000万プラス500万で右サイドを手に入れた記憶は、まだ1週間も経っていない。同じ設計図が今度はリヴァプールに向けられる。契約は残り10か月、直近の親善試合では姿すら見えない中盤の男をめぐって、ヴィアーレ・デッラ・リベラツィオーネの静かな交渉が最終局面へ。
トゥットスポルトが8月18日朝に報じた内容によれば、[[インテル・ミラノ]]は[[カーティス・ジョーンズ]](Curtis Jones)獲得に向けた最後の詰めに入っている。決め手になっているのは選手本人の意思で、ネラッズーリのユニフォームを着たいという希望は交渉の初期から一貫している。一方の[[リヴァプール]]側も、いまや放出は避けられないと考え始めているという。その根拠として同紙が挙げるのが、直近のプレシーズンマッチでジョーンズが起用されていない事実と、2027年6月に切れる契約――残り10か月という時間そのものだ。
注目すべきは、インテルが用意している提示の「形」である。トゥットスポルトは、クラブが[[ジェド・スペンス]]の交渉でとった手法をそのまま再利用しようとしていると指摘した。すなわち、こちらから額を吊り上げるのではなく、相手が要求を下げてくるまで動かない。スペンスのときは[[トッテナム]]が3500万を主張していたところから最終的に3000万プラスボーナス500万で決着した。今回も出発点は4000万、そして現在は3500万の水準まで降りてきている。
前夜にはファブリツィオ・ロマーノ(Fabrizio Romano)が、ここ24時間でインテルとジョーンズの代理人陣が新たな戦略を練るための協議を持ったと伝えている。今後数日中にクラブ間の接触が再開される見込みで、ミラノでは以前に拒否された提示より上積みしたオファーが準備されているという。ロマーノはあわせて、ジョーンズの獲得は[[ダヴィデ・フラッテージ]]の放出以外の売却とは連動していないと明言した。
原文: "L'Inter, così come accaduto per Spence, ha sposato una linea attendista per aspettare che il Liverpool calasse le proprie pretese. Partiti da 40 milioni, ora i Reds potrebbe valutare 35 milioni complessivi, una cifra già più vicina a quella che hanno in mente a Milano, dove si ragiona su una proposta simile a quella fatta al Tottenham per Spence: 30 più 5"
訳: 「インテルは、スペンスのときと同じように、リヴァプールが要求を下げてくるのを待つという方針を採った。4000万からのスタートだったが、いまやレッズは総額3500万を検討しうる。これはすでにミラノが頭に描いている数字に近い。ミラノでは、スペンスでトッテナムに出したものと似た提示、つまり3000万プラス500万が検討されている」
スペンスの一件でインテルが証明したのは、8月後半という時期そのものが交渉材料になるという単純な事実だった。移籍市場の閉幕が近づくほど、放出を決めたクラブは売れ残りのリスクを抱える。トッテナムは3500万を主張しながら、最終的に3000万プラス500万を飲んだ。
同じ論理がリヴァプールにも当てはまるかどうかは、慎重に見るべきだと考えられる。契約が2027年6月に切れ、直近の親善試合で使われていない選手を抱えることは、売り手にとってスペンスのケースより不利に働く。実際、要求額はすでに4000万から3500万へと下がった。ただしロマーノは「リヴァプールは自らの立場を崩していない」と繰り返し伝えてきた。値下げが自動的に合意を意味するわけではなく、残る500万ユーロの差をどう埋めるか――分割条件か、再売却条項か――が最後の焦点になる可能性がある。
ロマーノが「フラッテージ以外の放出とは連動しない」と明言した点は、この夏のインテルの資金設計を理解するうえで重要だ。8月上旬の報道では、[[ルイス・エンヒキ]]の売却がジョーンズの資金源になるという構図が繰り返し語られてきた。だがローマとの交渉が停滞したいま、クラブはその前提を切り離したと見られる。
これはオークツリー体制下のインテルにとって、決して小さくない判断だと考えられる。売却が先、補強が後という順番を守れば財務上は安全だが、市場の締切には勝てない。順番を入れ替えれば、ルイス・エンヒキが残った場合の人件費とスカッドコストの圧力を自ら引き受けることになる。トゥットスポルトが同日に「5人目のFWには重要な放出が必要」と報じているのと合わせて読むと、クラブは中盤の補強だけを例外扱いにしたという解釈が成り立つ。[[クリスティアン・キブ]]が夏を通じて求め続けてきたのが、まさにその中盤だった。
移籍市場の終盤に「待って買う」という手法は、ともすれば貧しさの言い訳に聞こえる。だがスペンスの一件でインテルが示したのは、待つことと妥協することは違うという線引きだった。総額3150万ユーロ、契約は2031年まで。要求額から500万を削りながら、狙った選手そのものは動かしていない。
ジョーンズの場合、その線引きはもう少し危うい。中盤に25歳の万能型を加えるという編成上の狙いは明確でも、リヴァプールが最後まで折れなければ、インテルは「待った末に何も得られない」という最悪の結末を引き受ける。8月22日のモンツァ戦を挟んで、この交渉は決着に向かうと推察される。
同じ手が二度通じるかどうかは、相手が同じ弱みを抱えているかにかかっている。スペンスのときと違い、今回インテルには時間という味方が半分しかいない。3000万と3500万を隔てる500万ユーロ――その距離は、金額よりも先に折れるのがどちらかを問う数字だ。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年8月18日
© 2025 nero15.dev. All rights reserved.