
投入されたのは0対0の後半頭、ピッチを降りたときスコアは3対2になっていた。カーティス・ジョーンズ(Curtis Jones)がインテル・ミラノの一員として初めて味わった上位対決は、45分のあいだに二度沈んで三度立ち上がる展開だった。試合後、この英国人MFは複数のカメラの前で同じ趣旨のことを繰り返し口にする。ここが自分の家だ、と。移籍から間もない選手が使うには、いささか早い言葉。
9月5日のナポリ戦、クリスティアン・キブはハーフタイムで2枚を替えた。ピオ・エスポージトに代えてマルクス・テュラム、そしてペタル・スチッチに代えてジョーンズ。0対0での中盤の交代であり、この時点では逆転劇を前提にした手ではなかった。
後半開始直後にインテルは3分間で2失点する。ジョーンズが入った直後の展開としては最悪に近い。しかしそこから、彼が関わる場面が続いた。60分にはペナルティエリア内で明らかに引っ張られながらシモーネ・ソッツァの笛は鳴らず、65分にはディ・ロレンツォ(Di Lorenzo)との接触が起きる。73分、テュラムのヘディングがポストを叩いてこぼれた球を押し込もうとしたが、ゴールには届かなかった。得点にもアシストにも記録は残らないまま、チームは3対2で勝った。
試合後の対応は多かった。Inter TV、DAZN、記者会見、そして英語圏向けのCBS。加えて自身のSNSには一言だけ「Home!」と投稿している。FCInterNewsは彼を「インテルに夢中」と表現した。
原文: "Qui mi sento a casa, posso davvero essere me stesso."
訳: 「ここでは自分の家にいるように感じる。本当に自分自身でいられる」(CBSに対して)
原文: "C'è un motivo se sono qui. Chivu è uno di noi."
訳: 「僕がここにいるのには理由がある。キブは僕たちの一員だ」(DAZNに対して)
※上記2件は、FCInterNewsの見出しおよびリード文に掲載された文言を訳出したもの。各インタビューの全文はこの記事の元記事には含まれていない。
スタッツシートだけを見れば、この日のジョーンズは何もしていない。得点なし、アシストなし。だが試合の推移と照らすと、彼が入った45分でインテルは3得点している。因果を主張するには弱すぎる材料だが、少なくとも「入って壊れた」側の選手ではなかった。
むしろ目を引くのは、彼が受けた扱いの方だ。60分のエリア内での引っ張り、65分のディ・ロレンツォとの接触。ソッツァの笛の基準はこの試合を通じて高く、ピオ・エスポージトも前半から繰り返し掴まれていた。新加入の選手が、まだ判定上の信用を得ていない状態でセリエAの上位対決に放り込まれたと言える。そこで苛立ちを表に出さず45分を走り切ったことは、数字より先に評価されてよいと考えられる。
移籍後まもない選手が所属先を家と呼ぶこと自体は珍しくない。ただしジョーンズの場合、表現の方向が揃っている。CBSには「本当に自分自身でいられる」、DAZNには「僕がここにいるのには理由がある」、SNSには一語だけ「Home!」。
「キブは僕たちの一員だ」という言い回しは、監督を上位者ではなく仲間として語る表現であり、この短期間でロッカールームの温度に馴染んだことを示唆している。もっとも、こうした発言は勝った夜には出やすい。真価は、負けた翌週に同じ言葉を使えるかどうかで測られる。
試合前日、コスタクルタはジェド・スペンスとジョーンズの名前を挙げて、この2人がいればチャンピオンズリーグでも強豪と渡り合えると語ったと報じられている。その検証が9月8日、サンティアゴ・ベルナベウで行われる。
ナポリ戦の45分は、キブがジョーンズを「試合を動かす必要があるときに入れる選手」と位置づけている可能性を示した。仮にレアル・マドリード戦で先発を任されるなら、評価が一段上がったことを意味する。逆にまた途中投入なら、当面はジョーカーとしての起用が続くと見るのが自然だろう。家と呼んだ場所での本当の初仕事は、家の外にある。
得点も記録もない45分だったが、この日のジョーンズについて最も多く語られたのは彼自身の言葉だった。ここが自分の家だ、と彼は繰り返した。その家がどれくらい居心地のいい場所なのかは、3日後のベルナベウが教えてくれる。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年9月6日
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