
移籍市場で選手の意志がここまで一方向を向くことは珍しい。ノッティンガム・フォレストの誘いを断り、新監督から残留の道を示されても首を縦に振らない。カーティス・ジョーンズが待っているのは、1月に一度交わした約束の続きである。ただしミラノの側は、彼を迎える前に片づけなければならない仕事を3つ抱えている。
[[Corriere dello Sport]]が8月1日付の紙面で伝えたところによると、[[リヴァプール]]の[[カーティス・ジョーンズ]]は[[インテル・ミラノ]]以外への移籍を望んでいない。[[ジョン・ストーンズ]]の加入に対して本人がSNS上で「いいね」を通じて好意を示したことも、ネラッズーロとの結びつきを示す新たな兆候として報じられている。
両者の関係は今年1月にさかのぼる。冬の市場でインテルとジョーンズは事実上互いを選んでいたが、時間の不足と複数の条件が絡み合った結果、移籍は成立しなかった。夏を迎えて状況は変わっている。ジョーンズの契約は2027年で満了するため、レンタルという選択肢はもはや現実的ではない。一方でリヴァプールは彼の値札をおよそ4000万ユーロと見積もり続けている。
インテルが下位の金額で行った最初の打診は、リヴァプール側に隙間を開けさせなかった。そこでジュゼッペ・マロッタとピエロ・アウジリオは8月を待つ判断を下している。契約満了が近づけば、レッズが要求を下げざるを得なくなるという読みだ。
原文: "Il centrocampista ha respinto l'interesse del Nottingham Forest e non ha cambiato idea neppure dopo l'apertura del nuovo tecnico Iraola a una possibile permanenza. Jones vuole l'Inter e attende che il club crei lo spazio necessario."
訳: 「このMFはノッティンガム・フォレストの関心をはねつけ、新監督イラオラが残留の可能性に扉を開いた後も考えを変えなかった。ジョーンズはインテルを望んでおり、クラブが必要なスペースを作るのを待っている」
移籍交渉において選手本人の意志は、しばしば最大の武器になる。行き先を1つに絞った選手は他クラブとの競合を自ら消してしまうため、売り手はオークションを組めない。7月24日の時点でインテル側が[[クリスティアン・ロメロ]]について「競り合いはしない」という姿勢を見せていたのと同じ構図が、ジョーンズにも当てはまる。
ただしこの武器には有効期限がある。契約満了が2027年である以上、リヴァプールにとって今夏が売却で相応の金額を回収できる最後の機会に近い。だからこそインテルは待てるのだが、逆に言えばレッズも「今夏は売らずに来年1月に判断する」という選択肢を残している。The Athleticが7月31日に伝えた3500万ユーロの提示に対し、リヴァプールがまだ首を縦に振っていないのは、その余地を計算しているからだと考えられる。約4000万ユーロという評価額との差は5000万ユーロ規模の取引における誤差ではない。500万ユーロをどちらが飲むかという、極めて実務的な綱引きが8月に持ち越された。
Corriere dello Sportの記事でもっとも実務的なのは、放出の順番に触れた箇所である。[[エベネゼル・アキンサンミロ]]のモンツァ移籍は既に完了した。残るのは[[ヤニス・マッソリン]]、そして「とりわけ」と強調された[[ダヴィデ・フラッテージ]]だ。7月29日には代理人ベッペ・リーゾとの会談が伝えられており、放出交渉そのものは動いている。
この順序が意味するのは、ジョーンズの案件が単独では動かないということである。インテルはフラッテージの売却益を原資に組み込んでおり、それが確定するまで最後の一押しをかけられない。市場閉幕までの時間を考えれば、これは相当に窮屈な設計だと言える。フラッテージの移籍先が決まらないまま8月下旬を迎えれば、ジョーンズへの本気の勝負をかける前に資金の裏づけが崩れる可能性がある。
キブがジョーンズを「チームの技術レベルを引き上げられる存在」と考えていることは、Corriere dello Sportも伝えている。しかし同じ記事は、右サイドの補強が必要であること、ロメロの線がまだ生きていること、そのロメロには[[バンジャマン・パヴァール]]の売却が絡むことも並べて指摘している。
つまりインテルは8月に、中盤・右サイド・センターバックという3つの案件を、いずれも「先に誰かを出す」ことを条件として抱えている。7月31日の会見でキブは「レベルを上げてほしい」と語ったが、同時にクラブを急かすことはしなかった。監督の側にも、この夏の構造が単純な買い物ではないという理解があるのだろう。
一方で、待つ戦略にはひとつの前提がある。ジョーンズが8月末まで気を変えないことだ。リヴァプールでの立場が微妙であることは、7月31日にレクサム戦後の彼とソボスライの間で緊張があったと伝えられたことからもうかがえる。心変わりを促す材料は、待てば待つほど増えていく。
インテルは値段が下がるのを待ち、ジョーンズは席が空くのを待つ。互いに待ち合う関係は、どちらかが先に痺れを切らした瞬間に壊れる。8月のミラノで最初に動くのは、フロントの計算か、それとも選手の忍耐か。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年8月1日
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