マンツーマン守備とは?意味と使うチーム
別名: Man-to-man marking/Man-marking/マンマーク/マンツーマンディフェンス
守備の選手一人ひとりが相手の特定の選手を担当し、その選手がどこへ動いてもついていく守り方です。空いたスペースより「人」を基準に守る点で、ゾーンディフェンスと対になります。
要点
- 一人ひとりが相手の特定の選手を担当し、どこまでもついていく守り方です。
- スペースを基準にするゾーンディフェンスに対し、人を基準に守ります。
- 相手の起点に常に人が付くので、ビルドアップを窒息させやすくなります。
- 1人が抜かれると後ろに余りがいないため、即座に決定機を招きます。
- 攻撃側は位置の入れ替えでマーカーを引き出し、空いたスペースを使って崩します。
マンツーマン守備とは
守る側の選手それぞれに「担当の相手」を割り当て、その相手に寄せ、追いかけ、1対1で止める守り方です。ゾーンディフェンスが「自分の持ち場のスペース」を基準にするのに対し、マンツーマンは「人」が基準になります。担当がはっきりしているので、誰がミスしたかも明確になります。
どう動くか
相手のセンターバックにはこちらのFWが、相手のボランチにはこちらのインサイドハーフやトップ下が付きます。相手が持ち場を入れ替えても受け渡しはせず、センターバックが相手FWを追って中盤まで出ていくこともあります。後ろの守備者は最終ラインで1対1を受け入れることになるため、カバーの人数よりも個々の対人の強さが問われます。
強みとリスク
相手の司令塔やビルドアップの起点に常に人が付くので、パスの受け手が楽に前を向けません。うまくはまれば、相手は長いボールに逃げるしかなくなります。反対に、1人がかわされると後ろに余っている味方がいないため、そのまま決定機につながりやすいのが最大のリスクです。
崩し方
攻める側は、選手同士が位置を入れ替えるローテーションでマーカーを本来の持ち場から引き出し、空いたスペースに別の選手が飛び込みます。周囲を見て次のプレーを決めておく「首振り」と、ワンタッチの速いコンビネーションも有効です。マークを外す一瞬の動き出しの質が問われる戦いになります。
生まれた背景
1960年代、エレニオ・エレーラのインテルはリベロを1人余らせたうえで、ほかの守備者に厳格なマンツーマンを課しました。その後はゾーンで守る考え方が主流になり、マンツーマンはその代表的な対案として位置づけられています。近年この守り方を前面に押し出して成功したのが、9年間アタランタを率いたジャン・ピエロ・ガスペリーニで、ピッチ全体で1対1を挑む守備が欧州の舞台でも結果を残しました。
- 出典: UEFA「In profile: Helenio Herrera」(別タブで開きます)
- 出典: The Coaches' Voice「Zonal marking: football tactics explained」(別タブで開きます)
- 出典: UEFA「Champions League Performance Insights: Man-marking and how to counter it」(別タブで開きます)
- 出典: Sky Sports「How Atalanta stormed Serie A to secure Champions League place」(別タブで開きます)
使っているチーム
アタランタ(ジャン・ピエロ・ガスペリーニ、2023-24)
ヨーロッパリーグ決勝のレヴァークーゼン戦で、センターバックのイサク・ヒエンとセアド・コラシナツがヴィルツやフリンポンにどこまでも付いていき、最終ラインで1対1を受け入れる守備で3-0の勝利を収めました。
インテル(エレニオ・エレーラ、1963-64〜1964-65)
リベロのピッキを最後尾に余らせ、ほかの守備者には厳格なマンツーマンを徹底させてヨーロッパカップを連覇しました。
戦術ボードで試すときの見どころ
戦術ボードで守備側の各選手を相手の1人ずつに線で結んでから、相手のFWを中盤へ下ろしてみてください。付いていくセンターバックの背後に、どれだけ大きな穴が空くかがはっきり見えます。
戦術ボードを開く(無料)よくある質問
- マンツーマンとゾーン、どちらが主流ですか?
- 現代はゾーンを基本にするチームが多く、マンツーマンはその代表的な対案です。ただ、アタランタのように全面的に採用するチームや、セットプレーだけマンツーマンにするチームもあります。
- マンツーマンで守るとなぜ疲れるのですか?
- 相手が動けば自分も同じだけ動かなければならず、持ち場で待つことができないからです。チーム全員に高い運動量と、1対1で負けない強さが求められます。







