リレーショナルプレーとは?意味と使うチーム
別名: Relationism/Relational play/関係主義/Dinizism
決まった区画を埋めるのではなく、選手がボールの近くに集まり、短いパスの交換と位置の入れ替えで前進する攻撃の考え方です。ブラジルのフェルナンド・ディニス監督の指導で広く知られるようになりました。
要点
- 立ち位置の約束より、選手どうしの関わり(距離・タイミング)を優先します。
- ボールの周りに人数を集め、ワンツーと位置の交換で前進します。
- フェルナンド・ディニス監督のフルミネンセが代表例として知られています。
- ボールを失うと守備の形が崩れやすく、後方には一定の構造を残すのが一般的です。
どんな考え方か
ポジショナルプレーが「どこに立つか」から攻撃を組み立てるのに対し、リレーショナルプレーは「誰とどう関わるか」を出発点にします。選手は担当の区画にとどまらず、ボールの周りに寄って近い距離でつながり、その場その場で新しい形をつくります。ラシン・サンタンデールのホセ・アルベルト監督は、ボール・味方・相手・スペースとの関係を選手に理解させることが軸だと説明しています。
ピッチ上で何が起きるか
フェルナンド・ディニス監督のフルミネンセでは、チームのほぼ全員が片方のサイドに寄り、狭い区域で細かいパスを回し続ける場面がよく見られました。前進の手段はワンツーと位置の交換で、ディニスはこれを「タベーラ(テーブル)」「エスカジーニャ(はしご)」と呼んでいます。ボールの周りに極端な数的優位をつくるため、ポジショナルプレーの側から見ると「反ポジショナル」とも言える形です。
広がり
ディニスに学んだヘンリク・リドストローム監督はスウェーデンのマルメでこの考え方を取り入れ、リーグ優勝を果たしました。スペインでも、ポジショナルプレーが主流の環境でラシン・サンタンデールが同じ方向性を打ち出しています。マンツーマンで人を捕まえる守備が増えたことで、固定された配置に頼らない攻め方として注目されるようになりました。
弱点と対策
配置の約束が少ないぶん、ボールを失った瞬間に守備の形が整っていないことがあります。片側に人数を寄せる以上、奪われると逆サイドや背後に大きなスペースが残るからです。そのためリドストロームのマルメでも、ビルドアップの最後尾や中盤の底はある程度決まった位置を保たせていました。選手どうしの呼吸が土台になるため、主力が入れ替わると機能しにくいという指摘もあります。
生まれた背景
後方からつなぐスタイルからグアルディオラと比べられることもあったディニスは、自分のサッカーはその正反対だと強調してきました。この流れに「リレーショナリズム(関係主義)」という名前を付けたのはジェイミー・ハミルトンで、ブラジルでは監督の名前から「ディニズモ(Dinizism)」とも呼ばれています。ディニスが2023年にフルミネンセでコパ・リベルタドーレスを制したことで、欧州でも議論が広がりました。
使っているチーム
フルミネンセ(フェルナンド・ディニス、2023)
ボールのある側にほぼ全員を寄せ、狭い区域でワンツーと位置の交換を繰り返して前進しました。このスタイルで2023年のコパ・リベルタドーレスを制しています。
戦術ボードで試すときの見どころ
戦術ボードで片方のサイドに6〜7人を寄せ、互いの距離を数歩分まで縮めてみてください。逆サイドががら空きになる代わりに、ボールの周りでどれだけ多くのワンツーの組み合わせが生まれるかが見どころです。
戦術ボードを開く(無料)よくある質問
- ポジショナルプレーとは正反対のものですか?
- 重心の置き方が違う、と考えるのが実態に近いでしょう。リレーショナルプレーを掲げるチームでも、ビルドアップの最後尾や中盤の底はある程度決まった位置を守らせることがあります。
- なぜマンツーマン対策として注目されるのですか?
- 人に付いてくる守備に対しては、決まった位置に立つだけでは優位が生まれにくいからです。選手が動いて相手を引きずり、空いた場所で次々につながる考え方が、その解決策の候補として語られています。







