
インテルが貸し出したDFが、代表のピッチに立った。アルゼンチン人CBのトマス・パラシオスが、レンタル先のエストゥディアンテスに在籍したまま、スカローニ監督率いるアルゼンチン代表でデビューを果たした。喜ばしい一方で、契約書には気がかりな一行がある。買い取りが決まっても、インテルは止められない。売却額は650万ユーロ。ミラノへの帰り道は残るのか。
Calciomercato.comは10月9日、インテル所属で2003年生まれのアルゼンチン人DFトマス・パラシオス(Tomas Palacios)が、代表ウィーク中にリオネル・スカローニ(Lionel Scaloni)監督率いるアルゼンチン代表でデビューしたと伝えた。パラシオスはレンタルでエストゥディアンテス(Estudiantes)に在籍している。
同紙によれば、モンツァへのレンタルは失敗に終わり、インテルと本人は母国に戻って立て直す道を選んだ。そのエストゥディアンテスのスポーツディレクター、アグスティン・アライェス(Agustin Alayes)は買い取りの可能性に触れた。一方、インテルのハビエル・サネッティ副会長は、DSports Radioで「選手の要望に耳を傾ける」と述べるにとどめた。
契約面で目を引くのは、反対できない買い取り条項だ。インテルに買い戻し権はなく、エストゥディアンテスが行使すればクラブは受け入れるほかない。
原文: "Forse a dicembre riusciamo a riscattarlo, sebbene la cifra sia alta."
訳: 「12月には買い取れるかもしれない。金額は高いが。」(アライェス)
原文: "Ascolteremo le esigenze del calciatore."
訳: 「選手の要望に耳を傾ける。」(サネッティ)
エストゥディアンテス側が自ら「高い」と認める額で、同クラブの財政が潤沢でないことも元記事は指摘している。インテルにとっては、モンツァでの低迷を経た若手が代表に呼ばれ、価値を上げた局面とも言える。買い取りが成立すれば、売却益が入るうえ、保有選手の整理にもつながる可能性がある。逆に言えば、代表で評価が上がるほど、インテルが同じ金額で手放すことになる損得も気になる局面だ。ただし元記事は、この選択がクラブの収支にどう響くかには触れていない。
代表デビューは、パラシオスがアルゼンチンで再び評価されていることの証拠だ。サネッティが言葉を選んだ背景には、本人の意思を尊重しつつ、資産価値の高まりを見極める思惑があると推察する。元記事に、プレースタイルや起用ポジションの詳細はない。モンツァで結果を残せなかった選手が母国で立て直し、代表に呼ばれるところまで来たという事実そのものが、環境を変えた判断の正しさを示しているとも読める。
インテルは長くアルゼンチンの才能を輩出してきたクラブだ。サネッティ自身がその象徴であり、南米との縁は今も強い。パラシオスが買い取りで完全移籍となるか、冬に呼び戻される形になるのか。レンタル期限の12月31日と、エストゥディアンテスの買い取り判断が重なる冬の市場は、ひとつの節目になると考えられる。
貸し出した若手が代表の舞台に立ったとき、クラブは手放すのか、呼び戻すのか。650万ユーロという数字の重みは、12月に答えを出す。南米とのつながりを誇るクラブの決断を見届けたい。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年10月10日
© 2025 nero15.dev. All rights reserved.