
7年間で3つのスクデットを支えた男が、初めて別れの内側を語った。契約満了でインテルを去った[[マッテオ・ダルミアン]]がGazzetta dello Sportのインタビューに応じ、「もう1年ネラッズーロでやりたかった」と胸中を吐露。クラブから提示された育成部門の椅子を断った理由、イスタンブールとミュンヘンに残した悔恨、そして声を詰まらせながら語った7年間への想い。静かな職人が残した、静かではない告白。
24日付のGazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)に掲載されたインタビューで、ダルミアンは今夏の契約非更新について初めて詳細に語った。1989年生まれの36歳は「正直に言えば、もう1年ネラッズーロでやりたかった。だがクラブは別の判断をし、それを尊重する」と述べた上で、自分はまだセリエAでプレーできる選手だと現役続行を明言。インテルからはユースセクターでの役職を打診されていたことも明かし、「光栄だったが、まだその時ではなかった」と断った経緯を説明した。
去り際の言葉には熱がこもった。3度のスクデット、3度のコッパ・イタリア、3度のスーペルコッパというタイトルの一方で、イスタンブールとミュンヘンで逃した2つのUEFAチャンピオンズリーグ決勝を「最大の心残り」と表現。「インテルは人としても選手としても、私の人生を変えてくれた」と語る場面では、ガゼッタの記者が「声を詰まらせた」と描写するほどの感情を見せている。
今後については各方面からのオファーを検討中で、イタリア残留を希望。将来的には「若い選手たちから始めて、いつか指導者になりたい」という展望も口にした。
原文: "L'Inter mi ha semplicemente cambiato la vita, come uomo e come calciatore. Ad Appiano ho trovato un ambiente straordinario, dove mi sono sentito bene fin dal primo giorno e ho potuto esprimermi al 100%."
訳: 「インテルは、人としても選手としても、まさに私の人生を変えてくれた。アッピアーノには素晴らしい環境があって、初日から心地よく過ごせたし、100%の自分を表現できた」
原文: "Il mancato rinnovo? Diciamo che mi sarebbe piaciuto fare un altro anno in nerazzurro, lo ammetto. La società, però, ha fatto altre valutazioni e le rispetto."
訳: 「契約更新がなかったこと?正直に言えば、もう1年ネラッズーロでやりたかった。ただ、クラブは別の評価を下したわけで、それは尊重している」
ダルミアンの証言から見えてくるのは、インテルの世代交代が「功労者への例外」を一切設けずに進んでいる現実だろう。36歳のユーティリティに引退後の椅子まで用意した上で、選手としての契約は切る。フランチェスコ・アチェルビの満了退団、そして[[ハカン・チャルハノール]]の契約を延長しない方針とも一本の線でつながる話であり、オークツリー体制下のフロントが年齢構成の若返りを最優先している証左と考えられる。丁寧だが、冷徹。ダルミアンの「尊重する」という言葉選びが、かえってその温度差を際立たせている。
在籍7年でダルミアンが担ったのは右ウイングバック、3バックの右、時には左と、ほぼ全ての守備ポジションだった。派手なスタッツを残すタイプではないが、インザーキ時代の連覇を支えた戦術的柔軟性の象徴であり、この種の「計算できる控え」の喪失は数字に表れにくい戦力ダウンになり得る。キブ体制が若手中心のスカッドで同じ穴を埋められるかは、シーズンが深まり過密日程に入った局面で初めて答えが出るのではないか。
注目すべきは、去った人間が古巣の未来を明るく断言した点にある。「あの中核はインテルに生き、勝つために何が必要かを知っている。新加入選手もエゴのないロッカールームにすぐ溶け込める」という言葉は、外からの称賛ではなく内側を知る者の証言として重い。世代交代の痛みの中でも精神的な土台は揺らいでいない、というメッセージは、補強の成否ばかりが語られるこの夏のインテルにとって、意外に大きな価値を持つと推察する。
タイトルを数えれば9つ、悔いを数えれば2つの決勝。それでも最後に残ったのは「人生を変えてくれた」という一言だった。背番号36が去ったロッカールームに、彼の言う「エゴのない一体感」は残り続けるか。答え合わせは、もう来月に始まる。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年7月24日
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