
夏に加入した右サイドが、9月半ばになってもまだ一度もベンチに座っていない。ジェド・スペンスの初招集は当初9月19日のローマ戦が目標とされていたが、その見通しが一段後ろへずれた。コンディションは上向いている。それでもチームは動き出してしまっていて、彼だけが別の時計で動いている。復帰を告げる報道が一本入るたび、期限が少しずつ遠のいていく夏の終わり。
Sky Sport Italiaが9月11日に伝えたところによると、ジェド・スペンス(Djed Spence)の初招集は代表ウィーク明けまで持ち越される可能性がある。インテルは9月14日にウディネーゼをジュゼッペ・メアッツァに迎え、19日にはローマと対戦する。前日までの報道では後者が復帰の目安とされていたが、Skyの見立てでは、このイングランド人サイドは両試合とも招集リストから外れる可能性がある。
スペンスはトッテナムからインテルに加入して以降、公式戦の招集メンバーに一度も名を連ねていない。原因はワールドカップ期間中に発生した身体的なトラブルで、現在は再アスレティック化(riatletizzazione)と呼ばれる段階、すなわち医療面のクリアを終えたあとに競技強度へ戻していくトレーニング過程にある。クリスティアン・キブはサイドの人員が揃うのを待っている状態だ。
一方で明るい材料もある。同じ9月11日、フェデリコ・ディマルコが全体練習の半分をグループで消化したことをSkyが伝えた。レアル・マドリード戦を欠場した左サイドは、ウディネーゼ戦に照準を合わせて戻ってくる見込みである。スペンスは左右どちらもこなせる選手であり、復帰すればローテーションの選択肢として重要な駒になる、というのがFCInterNewsの見立てだ。
原文: "Le condizioni dell'esterno inglese migliorano, ma l'ex Tottenham potrebbe restare fuori dai convocati non solo per Inter-Udinese, ma anche per Roma-Inter, match in programma sabato 19 settembre."
訳: 「このイングランド人サイドのコンディションは改善しているが、元トッテナムの彼はインテル対ウディネーゼだけでなく、9月19日土曜に予定されているローマ対インテルでも招集外に留まる可能性がある」
原文: "Spence può giocare a destra e sinistra e potrebbe essere un elemento duttile e importante per le rotazioni."
訳: 「スペンスは右でも左でもプレーでき、ローテーションにおいて融通の利く重要な要素になりうる」
インテルの3-5-2において、サイドの2枚は攻守の負荷が最も高いポジションである。上下動の距離が長く、シーズンを通して同じ選手が90分を積み上げれば、必ずどこかで壊れる。だからこそ左右両方をこなせる選手の価値は、単純な「控え1人分」より大きくなる。右の一枚が欠けたときにも、左の一枚が欠けたときにも同じ選手で埋められるからだ。
現状、キブは左にフェデリコ・ディマルコとカルロス・アウグスト、右にデンゼル・ダンフリースとアンディ・ディウフという構成で回している。ベルナベウではディウフが右で高い評価を受け、ディマルコを欠いた穴は結果として表面化しなかった。だが9月から10月にかけてはリーグ戦とチャンピオンズリーグが交互に来る。ここでスペンスが計算に入らない状態が続けば、ディウフとカルロス・アウグストにかかる出場時間は当初想定を超えていくと考えられる。
注意すべきなのは、この件で情報が「悪化」したのではなく「後退」したという点である。9月8日前後の報道では、ローマ戦が復帰の目安として語られていた。今回のSkyの見立ては、そのローマ戦すら怪しいというものだ。コンディションが改善しているという記述と、招集がさらに遠のくという記述が同じ記事に同居している。
これは新たな故障が起きたというより、クラブが再発リスクを避けて慎重な工程を組んでいる、と読むのが自然だろう。夏に加入した選手を、まだ一度も戦えない状態のまま無理に招集リストへ入れる理由はない。代表ウィークという2週間のまとまった時間は、チーム全体の練習強度を落とさずに個別のリハビリを進められる貴重な期間でもある。9月末から10月初頭に照準を移したと考えるのが、現時点では最も筋の通る解釈である。
一方で、ここには編成上のリスクも残る。スペンスは新加入であり、チームの約束事をピッチ上で覚える機会をまだ一度も得ていない。ディマルコやダンフリースのように昨季からの継続性がある選手と違い、彼はコンディションを取り戻すと同時に戦術を吸収しなければならない。10月に合流したとき、即座にローテーション要員として機能するかどうかは、体の状態だけでは決まらない。
ファビオ・カペッロ的な言い方をすれば、シーズンに遅れて入った選手は二重のハンディを背負う。その意味で、インテルにとって本当の試練は復帰の一報ではなく、復帰から3試合目あたりに訪れる。それまでキブが右サイドをどう繋ぐか——具体的にはディウフの負荷をどこまで許容するか——が、秋の編成を左右する見えにくい変数になっていくだろう。
加入から2か月近く、ジェド・スペンスはまだインテルの試合に「存在」していない。コンディションは良くなり、招集は遠のく。この矛盾が解けるのは10月かもしれない。待たされた分だけ価値が上がる補強というものが、もし本当にあるとすれば。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年9月12日
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