
チャンピオンズリーグで2連敗、ゴールキーパーへの批判、そしてカタール資本の観測。ボローニャ戦の直前、DAZNのマイクの前に立ったジュゼッペ・マロッタ会長は、三つの火種に一つずつ答えた。強気でも弱気でもない。語り口の温度から、クラブが何を守ろうとしているかが見えてくる。
ボローニャ戦を前にした10月17日、インテルのジュゼッペ・マロッタ(Giuseppe Marotta)会長がDAZNの取材に応じた。FCInterNewsとCalcio e Finanzaの報じた内容を合わせると、質問は大きく三つ。CLでの2敗、ジョゼップ・マルティネス(Josep Martínez)への風当たり、そしてカタールの関心の噂である。
CLについては「答えはとても簡単だ」と切り出し、かつてポット3、4にいたようなクラブは戦術も準備も向上し、もはや楽な相手ではないと述べた。そのうえで、昨季は3連敗した1チームがプレーオフで立て直した、それがパリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain)だったと例を挙げ、2つの敗戦を教訓にして改善を続ける考えを示した。
マルティネスについては、起用はクリスティアン・キブ(Cristian Chivu)監督の領分だと線を引いた。監督が毎週パフォーマンスを評価して決める、クラブは選手を奮い立たせる役目で、改善の余地はある、という趣旨だ。個人名を挙げての擁護も、切り捨ても避けた。
原文: "Oaktree ha dato una spinta a migliorare il bilancio, siamo in mani sicure"
訳: 「オークツリーは財務の改善に弾みをつけてくれた。我々は安全な手の中にいる」
原文: "se lo fanno e lo faranno sarà sempre per il bene dell'Inter"
訳: 「彼らがそうするなら、これからするとしても、それは常にインテルのためになる」
ここからは筆者の読みになる。マロッタが持ち出したPSGの話は、慰めであると同時に、目標を下げたくないというメッセージとも受け取れる。CLのリーグフェーズは序盤の2敗で終わる大会ではない、という含みだ。ただし、インテルは勝ち点0で、4-3の撃ち合いで敗れたブルッヘ戦のようにゴール前の脆さも露呈している。比較対象の成功例を持ち出すだけでは、現場の数字は変わらないと考えられる。
カタールの件では、マロッタは一貫して「当事者ではない」立場を貫いた。報道によれば、関心を示しているのは元カタール首相の資産を管理するとされるファミリーオフィスで、接触は探りの段階にとどまり、実現しても少数株主としての参加で支配権は動かないという。会長が株主の判断に踏み込まないのは当然だが、その分、オークツリーの出口戦略がクラブの将来を左右する構図が際立つ。今季の黒字(純利益2270万ユーロ)で財務が安定したことは、交渉で有利に働く可能性がある。
火種を三つ並べられても、マロッタは声を荒らげず、責任の所在をキブとオークツリーに分けて置いた。ピッチで結果が出なければ、その配分は長くは保てない。水曜のシャフタール戦は、会長の落ち着きが正しかったかを測る最初の試金石になる。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年10月20日
© 2025 nero15.dev. All rights reserved.