
試合前から、敵将の言葉が胸に響く。シャフタールを率いるアルダ・トゥランが、ガゼッタ・デッロ・スポルトのインタビューで、インテルを「戦うどのレベルでも勝てるチーム」と評した。水曜に向き合うハカン・チャルハノールには「兄弟」という言葉まで贈っている。称賛と同時に、戦火のなかで続く欧州遠征の過酷な実情も語られた。
ラ・ガゼッタ・デッロ・スポルト(La Gazzetta dello Sport)は10月19日、シャフタール・ドネツク(Shakhtar Donetsk)のアルダ・トゥラン(Arda Turan)監督へのインタビューを掲載した。FC Inter 1908がその内容を同日朝に紹介し、複数のサイトが転載した。インテルは21日にチャンピオンズリーグでシャフタールと対戦する。その直前に、相手の指揮官がクリスティアン・キブ(Cristian Chivu)の仕事ぶりを高く評価した形だ。
トゥランは昨季のインテルを「信じられない仕事をした。再び勝つのは難しい」と振り返り、ピッチ上のエネルギーからキブと選手たちの強い絆が伝わってくると述べた。弱点を問われると「話すのは失礼だ」としつつ、相手の脆さを見つけて突きたいと語っている。一方、自軍が置かれた状況にも言葉を割いた。欧州戦の移動は平均14〜16時間で、バスと列車で長い時間を過ごし、ときには帰宅すらできないという。
もう一つの焦点がチャルハノールだ。トゥランは「元チームメイト以上の存在で、兄弟だ」と語り、対戦は難しいが感情面に目を向けたいと続けた。ガゼッタ紙は、チャルハノールが水曜の先発に戻ると見ている。
原文: "Hakan per me è più di un ex compagno. È un fratello, gli voglio bene."
訳: 「ハカンは私にとって元チームメイト以上の存在だ。兄弟であり、大切に思っている」
原文: "Questa Inter può vincere a ogni livello in cui compete."
訳: 「このインテルは、戦うどのレベルでも勝てる」
※いずれもガゼッタのインタビューから。
敵将が相手を持ち上げるのは常套手段だが、トゥランの言葉は計算だけとは言い切れない。弱点について「話すのは失礼」としつつ、「見つけて突きたい」と加える語り口は、敬意と勝利への意欲を同時に示すものと読める。昨季の優勝とコンフェレンスリーグ4強という実績を自ら挙げ、自軍を挑戦者に置く構図もうかがえる。インテルにとっては、油断を戒める材料になると考えられる。欧州で白星を探す側にとって、敵将の「見つけて突く」という宣言は、決して小さな言葉ではない。
14〜16時間の移動が平均という話は、コンディション管理の難しさを物語る。トゥランは、バスと列車での移動が続き、選手に回復の時間を与えられないと明かした。クラブが影響を最小限に抑える計画を練っていることには感謝を述べている。ピッチ上への影響は断定できないが、終盤の運動量に響く可能性は否定できない。それでも彼は言い訳にせず、「私たちは準備ができている」という趣旨を前面に出したと読める。元記事では具体的な日程や移動経路には触れられていない。
トゥランとチャルハノールは、元記事とは別に、トルコ代表でチームメイトだった間柄である。そのチャルハノールが、ガゼッタの見立てどおり先発に戻れば、旧知の指揮官と向き合う夜になる。中盤の底でテンポを握る役目は、キブがロテーションで変更を重ねる中でも軸になると推察できる。感情を脇に置いて勝ちに行けるか。トゥランが「感情面に目を向けたい」と語ったのに対し、チャルハノールがどう応じるのかは、水曜の見どころの一つになりそうだ。
敵将が贈った「兄弟」の言葉は、試合が始まれば脇に置かれるだろう。それでも、戦火の下で戦うチームに敬意は払いたい。そのうえでどちらが勝つのか。水曜の夜は、ピッチの上で答えが出る。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年10月19日
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