
デンゼル・ダンフリースを契約解除条項で失ったインテルが、守備の柱を巡る攻防で先手を打った。ガゼッタ・デッロ・スポルトによると、首脳陣はアレッサンドロ・バストーニとヤン・ビセック、両者の代理人とミラノで会談。バルセロナとバイエルンの視線が注がれた2人のCBに、クラブが用意した回答は「売らない、むしろ延長する」。その背後にある編成思想を読み解く。
ガゼッタ・デッロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)によると、インテル首脳陣は現地時間10日、バストーニの代理人トゥリオ・ティンティ(Tullio Tinti)、ビセックの代理人ジョヴァンニ・ブランキーニ(Giovanni Branchini)とそれぞれ会談した。目的は2人の残留意思の確認と、契約延長に向けた地ならしだ。
バストーニの現行契約は2028年まで。今春バルセロナ移籍の可能性が取り沙汰されたが破談に終わり、クリスティアン・キブ監督が「世界最高のDFの一人」と評価して関係修復に動いたことが、延長協議再開の決め手になったとされる。一方のビセックは2029年まで契約を残すが、バイエルンなど国外クラブの関心が絶えないため、クラブは契約が長いにもかかわらず新条件の提示へ動き出した。ブランキーニは会談後も「ヤンはインテルで幸せだ」との立場を崩していない。
原文: "Yann è felice all'Inter"
日本語: 「ヤンはインテルで幸せだ」(ビセックの代理人ジョヴァンニ・ブランキーニ)
ダンフリースの退団で痛感したのは、契約条項という「時限爆弾」の怖さだ。今回の延長交渉は年俸増と引き換えに解除条項を排除し、主力流出のリスクを構造的に断つ動きと考えられる。オークツリー体制下のインテルは売却益に頼る場面も多いが、CBの中核2枚を同時に失えば、補強で埋めるコストは売却益を上回りかねない。バストーニとビセックの維持は、4000万ユーロ級の新戦力獲得に匹敵する「見えない補強」と言っていい。
キブ監督にとってバストーニは3バックの左を預ける戦術の生命線であり、ビセックは昨季ブレイクした成長株だ。ガゼッタが伝える「世界最高のDFの一人」という監督評は、バルセロナ騒動で揺れた選手の心を繋ぎ止める意図的なメッセージだったと推察する。指揮官自らがCB出身であることも、守備陣との信頼構築に効いていると考えられる。
この1カ月、インテルの守備陣には常に国外ビッグクラブの影がちらついた。バストーニにはバルセロナ、ビセックにはバイエルン。クラブはその都度否定してきたが、今回の代理人会談は「口頭の否定」から「契約という形での回答」へ移行する転換点だ。延長が成立すれば、ネラッズーリの守備は今後数年、キブの長期プロジェクトの土台として固定されることになる。
ダンフリースを失った夏に、インテルが最初に固めたのは新戦力ではなく、すでにいる柱だった。バストーニとビセックの署名が揃ったとき、この夏の補強戦争における最初の勝者が決まる。果たして発表はいつになるか。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年6月12日
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