
サウジアラビアからの視線が再び報じられた翌日、アレッサンドロ・バストーニはドイツの練習場で、集まったサポーターから誰よりも大きな歓声を浴びていた。ガゼッタ・デッロ・スポルトによれば、アル・ヒラルとインテル・ミラノの間に現時点で接触は存在しないという。シモーネ・インザーキ前監督の名前とともに広がった不安と、ピッチサイドの熱狂。この対比こそが、いまのバストーニをめぐる状況のすべてを物語っている。
インテルはドイツでのプレシーズン合宿を続けており、21日にはドイツ各地のインテル・クラブ会員向けに公開練習とミート・アンド・グリートが行われた。ガゼッタ・デッロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)は、その場で最も歓迎を受けた選手のひとりがバストーニだったと伝えている。同紙はあわせて、シモーネ・インザーキ率いるアル・ヒラルからの関心が再燃したとされる件について、現時点でクラブ間の接触はないと報じた。
この話題は前日にトゥットスポルト(Tuttosport)が「1年越しの新たな打診」として報じ、ファブリツィオ・ロマーノ(Fabrizio Romano)も「アル・ヒラルは現時点でバストーニ獲得に向けて具体的に動いてはいない」と火消しに回っていた。代理人も「彼はインテルに恋をしている。今は他クラブのことを考えていない」と明言しており、サウジ側の関心という煙はあれど、炎は確認されていない状況である。
原文: "Innamorato dell'Inter, oggi non pensa ad altri club"
訳: 「彼はインテルに恋をしている。今は他のクラブのことなど考えていない」(バストーニの代理人)
今夏のインテルはすでにバレッラへのアル・ヒラルの関心を退け、本人が「人生を懸けたクラブ」と残留を誓う流れを作った。バストーニについても構図は同じで、クラブは破格のオファーがない限り交渉のテーブルにすらつかない構えと報じられている。ダンフリースをレアル・マドリードに売却した今夏、守備の要まで手放せば連覇どころか戦力の底が抜ける。オークツリー体制は財務規律に厳しいが、売却益より競技的価値を優先すべき局面があることは、フロントも理解していると考えられる。
キブの[[3-5-2]]において、バストーニが務める3バックの左は単なる守備者のポジションではない。左足での持ち上がりと対角のフィード、ディマルコとのレーン共有まで含めて、ビルドアップの設計そのものが彼の存在を前提に組まれている。仮に売却した場合、同じ機能を持つ後継者は市場にほとんど存在せず、獲得済みの選手や既存戦力での代替は困難と考えられる。合宿での歓声は、サポーターがそれを直感的に理解していることの表れでもあるだろう。
煙は立ったが、火元は見つからなかった。むしろ今回の騒動が照らし出したのは、ドイツの片田舎まで駆けつけたファンがバストーニの名を叫ぶという、揺るぎない現実の方である。サウジの夏はまだ終わらない。だが、この歓声の中から男を引き抜くのに必要な金額を、アル・ヒラルは想像できているだろうか。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年7月22日
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