
インテル・ミラノの下部組織が生んだ左サイドの逸材が、セリエBの舞台へ旅立とうとしている。2007年生まれのマッテオ・コッキ(Matteo Cocchi)のパドヴァ移籍が最終段階に入り、スカイ・スポルトによればメディカルチェックの日程まで確定した。複数のセリエBクラブによる争奪戦を制したのは、昇格組のパドヴァ。ただしインテルは、この才能の手綱を完全に手放したわけではない。契約書に刻まれるのは、未来を取り戻すための条項。
スカイ・スポルト(Sky Sport Italia)によれば、コッキのパドヴァ移籍は合意目前の状態にあり、メディカルチェックの日程が既に設定されている。移籍の形式は買取オプション付きのレンタルで、インテル側には買い戻し条項(コントロリスカット)が付帯する。つまりパドヴァが買い取りを行使しても、インテルが再獲得の優先権を保持する設計である。
コッキをめぐってはカタンツァーロなど複数のセリエBクラブが関心を示していたが、最終的にパドヴァが競争を制した。FCInterNews(FCInterNews)は、出場機会の見通しなどが決め手になったと選択の背景を報じている。昨季のコッキはセリエCのインテルU23で26試合1ゴールを記録し、コッパ・イタリアのトリノ戦で先発、ボローニャ戦でセリエAデビューも果たした。
単純売却でもなく、乾いたレンタルでもなく、買取オプションと買い戻し条項を重ねた設計。この座組はインテルがコッキを「まだ諦めていない」ことの証左と読める。U23をセリエCに持つインテルにとって、次の段階はセリエBでのフル稼働であり、19歳を迎えるシーズンに公式戦で揉まれる環境は内部では用意しづらい。パドヴァで主力級の出場時間を確保できれば、1年後により高い解像度で去就を判断できる。リスクを抑えながら選択肢を最大化する、育成型クラブの教科書的な一手と言えるだろう。
ファーストチームの左ウイングバックにはディマルコが君臨し、カルロス・アウグストが控える。序列を考えれば、コッキがトップチームで出番を得る道は現状ほぼ閉ざされており、外に出て武器を磨くのは合理的な判断と考えられる。ディマルコもかつてはレンタル修行を重ねて帰還した経緯があり、クラブとしても左利きのサイドプレーヤーを内製した成功体験を持つ。コッキがその系譜に連なれるかどうかは、パドヴァでの1年が試金石になるのではないか。
セリエAデビューの歓喜から数カ月、コッキは今度は自分の名前でスタメン表に載り続けるための旅に出る。ディマルコが歩いた回り道は、遠回りに見えて最短距離だった。パドヴァの左サイドで、その続きが始まる。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年7月22日
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