
休暇を終えたハカン・チャルハノールがアッピアーノ・ジェンティーレに戻り、インテルの中盤にすべてのピースが揃った。ただし、揃いすぎた。契約下の中盤の選手は10人、先発の椅子は3つ。ガゼッタが描き出したこの需給の歪みこそ、キブが望む最後のピース獲得を阻む見えない壁。市場が動かないのではない、動けないのだ。
ラ・ガゼッタ・デロ・スポルト(La Gazzetta dello Sport)は7月26日、インテル・ミラノの中盤補強が「一時的に凍結状態にある」と報じた。理由は単純な人数超過だ。チャルハノール、ペタル・スチッチ(Petar Sucic)らが休暇から合流した現在、中盤に数えられる契約選手は10人。右のエステルノとして起用される見込みのアンディ・ディウフを含めての数字であり、レンタルから復帰したクリスティアン・アスラニ(Kristjan Asllani)とエベネゼル・アキンサンミロ(Ebenezer Akinsanmiro)もこの渋滞に含まれる。
クリスティアン・キブが評価するリヴァプールのカーティス・ジョーンズへの攻勢は、少なくとも3人の売却が完了して初めて可能になるというのがガゼッタの見立てだ。そして売却候補の筆頭が、ダヴィデ・フラッテージ。本人はすでに出場機会を求めて退団の意向をクラブに伝えているとされるが、現時点で満足のいくオファーは届いていないという。
原文: "Considerando anche Diouf, che comunque sarà utilizzato come esterno destro, sono dieci per sole tre caselle i giocatori sotto contratto"
訳: 「いずれにせよ右のエステルノとして起用されるディウフを含めれば、わずか3つの枠に対して契約下の選手は10人にのぼる」
夏の初めから、インテルのフロントは「出口が入口を作る」という原則を繰り返してきた。ロメロ級の大型投資を守備に振り向ける以上、中盤にまで新規予算を割く余裕はなく、ジョーンズ獲得の原資と登録枠は売却でしか生まれない。問題は、売りたい選手ほど売れないという市場の皮肉だ。フラッテージの去就が象徴的で、バイエルンやバルセロナを沈めた決定力への評価は、負傷とベンチに沈んだ昨季を経て確実に目減りした。クラブが望む価格と市場の評価額のギャップが埋まらない限り、この渋滞は8月まで続く可能性がある。
ガゼッタによれば、キブがジョーンズを好むのはダイナミズム、テクニック、そして複数ポジションをこなせる万能性ゆえだという。ディウフの右転用が示す通り、今のインテルは「1人で2役をこなせる選手」に編成上の価値を見出している。中盤3枠にバレッラ、チャルハノール、そして新戦力を並べたとき、メッザーラにもインテルノにも対応できるジョーンズ像は、ローテーションの計算を大きく変えるはずだ。ただし前提はあくまで売却の完遂。構想と実行の間には、まだ3つの椅子が邪魔をしている。
忘れてはならないのは、この物語の中心にいるフラッテージ自身の時計だ。新生イタリア代表でのポジション争いを考えれば、ベンチでもう1年を過ごす選択肢は本人にない。バイエルン戦、バルセロナ戦の夜にサン・シーロを沸かせた男の市場価値が下がった今こそ、買い手にとっては好機でもある。インテルにとっても、彼の再起の舞台を用意することが、結果的にジョーンズへの道を開く。双方の利害は一致しているだけに、あとは価格の折り合いという最も難しい問題が残る。
10人で3枠。この算数が解けない限り、キブの中盤は完成図に届かない。鍵を握るのはフラッテージの決断と、彼に値札を付ける市場の側だ。渋滞の出口はどこか。8月の市場最終盤まで、この数字とにらみ合う夏になりそうだ。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年7月27日
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