
移籍市場を揺るがす金額を前にしても、答えは変わらなかった。ガゼッタ・デロ・スポルトの一面を飾ったニコロ・バレッラのインタビューは「インテル・ヴィータ・ミーア(インテルは我が人生)」の見出しで始まる。年俸3500万ユーロという破格のアル・ヒラル提示を退け、サルデーニャ出身のMFが選んだのは、住み慣れたミラノでの永遠の誓いだった——
ガゼッタ・デロ・スポルトが7月21日付で報じたところによれば、サウジアラビアの強豪アル・ヒラルはバレッラに対し、現行契約と同じ4年間で年俸3500万ユーロという破格の条件を提示していたという。2024年に更新した現行のインテルとの契約は2029年まで、年俸650万ユーロ。単純計算で5倍を超えるオファーを、本人は退けたと伝えられる。
同紙のインタビューでバレッラは、キャリアの終着点をインテルに定める意向をにじませ、「ずっとここに居続けたいと思っている。あとはどれだけ早く歳を取るか次第だ」という趣旨の発言を残したという。ガゼッタはこの決断を「愛のためのノー」と見出しに掲げ、サウジ資本の草刈り場と化しつつある欧州サッカー市場において異例の忠誠表明として扱った。
インタビューではほかにも、ハビエル・ザネッティが持つクラブ出場記録の更新への意欲や、キブ監督から求められる役割の変化、スチッチやピオ・エスポージトら若手選手への評価など、幅広いテーマに言及したという。29歳になった今、23歳の頃とは異なるプレースタイルを模索しているとも語っている。
原文: "Mi immagino restare sempre qui, poi dipende da quanto invecchio velocemente."
訳: 「ずっとここに居続けたいと思っている。あとはどれだけ早く歳を取るか次第だ」
アル・ヒラルが提示したとされる4年総額1億4000万ユーロ規模の契約は、現行契約(2029年まで、年俸650万ユーロ)と比べて実に5倍以上の水準にあたる。財政的な合理性だけで判断すれば拒否する理由を探す方が難しい金額だが、バレッラはこれを一蹴した。ガゼッタが「愛のためのノー」と見出しを打った通り、このエピソードはサウジ資本の草刈り場と化しつつある欧州サッカー市場において、忠誠心が依然として値段のつかない価値を持ちうることを示す事例だと言えるだろう。
29歳になったバレッラは、23歳の頃とは異なる、より保守的なプレースタイルを志向していると自ら語っているという。攻守の切り替えで運動量に頼るだけでなく、判断の質で試合をコントロールする方向へと進化しつつあるのだろう。スチッチやピオ・エスポージトら若手の台頭を歓迎する発言からは、世代交代が進むチームの中で自らが橋渡し役を担う自覚も感じられ、中盤の構成そのものが今後緩やかに変化していく可能性もありそうだ。
インテルというクラブは、ハビエル・ザネッティという「生涯インテル」の象徴的存在を歴史に刻んできた。バレッラが公言する出場記録更新への意欲は、単なる個人的な目標にとどまらず、その系譜に自らの名を連ねようとする意志の表れだと考えられる。カリアリから加入した一人の若者が、いまやクラブの永続性そのものを体現する存在になろうとしている姿は、長くネラッズーリを応援してきたファンにとっても誇らしい物語として映るはずだ。
3500万ユーロを断り、バレッラが選んだのはトロフィーよりも重い「ここに居続ける」という約束だった。ザネッティの出場記録を超える日は、そう遠くないのかもしれない。
スポーツ×ITの会社でバックエンドエンジニア兼マネージャーとして勤務。インテル関連の情報を中心に発信しています。
最終更新: 2026年7月21日
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