バスを停めるとは?意味と使うチーム
別名: Parking the bus/Park the bus/バスを置く
ほぼ全員が自陣のペナルティーエリア付近まで下がり、ゴール前を人で埋めて失点を防ぐことだけに徹する、極端に守備的な戦い方を指す言い回しです。
要点
- ほぼ全員が自陣ゴール前まで下がり、スペースを人で埋める極端な守備です。
- 最終ラインと中盤の2本のラインをペナルティーエリア手前に重ねて構えます。
- 格上相手、リードを守る終盤、数的不利のときに選ばれやすい戦い方です。
- ボールを奪っても相手ゴールが遠く、攻撃に転じにくいのが弱点です。
- 崩す側はサイドチェンジ、ミドルシュート、セットプレーで揺さぶります。
どんな守り方か
「ゴールの前にバスを停めたかのように」守りを固めることから来た表現です。最終ラインはペナルティーエリアの幅に収まるほど狭く構え、中盤の選手もそのすぐ前まで戻ってきます。ボールを奪いに出ていくより、シュートコースとパスコースを体で消すことが優先されます。
ピッチ上の立ち位置
典型的なのは、4バックか5バックの前に4〜5人の中盤を置き、2本の守備ラインをペナルティーエリアの手前で重ねる形です。前線に残るのは1人か2人だけで、その選手も相手のアンカーを見張るために自陣へ戻ることがあります。サイドからクロスを上げられても、ゴール前には常に人数が足りている状態を保ちます。
使われる場面
格上と戦うとき、リードを守り切りたい終盤、退場者が出て数的不利になったときに選ばれやすい戦い方です。2009-10シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝第2戦で、インテルは10人になってからカンプ・ノウで1時間以上耐え、決勝進出を決めました。もともとは揶揄の言葉でしたが、いまでは「状況に応じた現実的な選択」として語られることも増えています。
弱点と崩し方
自陣深くで守り続けるため、ボールを奪っても相手ゴールまでの距離が遠く、カウンターに出られる人数も限られます。攻める側は、ボールを左右に素早く動かして守備ブロックを横に揺さぶり、ミドルシュートやセットプレーで穴をこじ開けるのが定石です。一度でもマークがずれると、狭い場所に人が密集しているぶん修正が難しくなります。
生まれた背景
言葉の出どころは、チェルシーを率いていたジョゼ・モウリーニョです。2004年、スタンフォード・ブリッジでマルティン・ヨル監督のトッテナムに0-0で引き分けた試合後、相手の守備的な戦い方をポルトガルの言い回しになぞらえて「ゴール前にバスを停めた」と皮肉りました。この表現はその後広く使われるようになり、皮肉なことに、のちにはモウリーニョ自身のチームの守り方を形容する言葉にもなりました。
使っているチーム
インテル(ジョゼ・モウリーニョ、2009-10)
チャンピオンズリーグ準決勝第2戦のバルセロナ戦で、28分にチアゴ・モッタが退場。10人のまま自陣で守備ブロックを固めて0-1の敗戦にとどめ、第1戦の3-1と合わせて決勝へ勝ち上がりました。
戦術ボードで試すときの見どころ
戦術ボードで最終ラインと中盤の2列をペナルティーエリアの手前まで下げ、ライン間の距離を詰めてみてください。相手のサイドバックがどれだけ自由になるか、逆にゴール前のスペースがどれだけ消えるかが一目で分かります。
戦術ボードを開く(無料)よくある質問
- 「バスを停める」とローブロックは同じ意味ですか?
- ほぼ重なりますが、ニュアンスが違います。ローブロックは守備位置の高さを表す中立的な言葉で、「バスを停める」はその中でも攻撃をほぼ捨てた極端な形を、多少の皮肉を込めて呼ぶときに使われます。
- 誰が言い始めた言葉ですか?
- 2004年にチェルシーの監督だったジョゼ・モウリーニョが、0-0で引き分けたトッテナムの戦い方を評して使ったのが始まりとされています。







