ポジショナルプレーとは?意味と使うチーム
別名: juego de posición/Positional Play
ピッチを区画に分け、選手どうしの立ち位置の約束を守ることで、ボール保持者に常に複数のパスコースを用意し、数的・質的・位置的な優位をつくって前進する攻撃の考え方です。
要点
- 目的はボールを長く持つことではなく、立ち位置で優位をつくって前に運ぶことです。
- 狙う優位は数的・質的・位置的の3種類です。
- グアルディオラ流では、横一列に3人まで、縦一列に2人までという配置の約束があります。
- ウイングが幅を取り、空いた内側のレーンをインサイドハーフが使うのが基本形です。
- 広がった陣形はカウンターに弱いため、即時奪回やレストディフェンスとセットで考えます。
どんな考え方か
ポジショナルプレー(スペイン語でjuego de posición)は、ボールを持ったときに「誰がどこに立つか」を全員で共有する攻撃の原則です。三角形やひし形をつくってボール保持者に複数のパスコースを用意し、そのうえで3種類の優位のどれかを狙います。ある区域で相手より人数が多い「数的優位」、強い選手を1対1に持ち込む「質的優位」、相手のラインの間や背後に立つ「位置的優位」です。
具体的な立ち位置
グアルディオラ流では、ピッチを縦横の線で区画に分け、選手ごとに担当の区画を決めます。よく知られているのが、同じ横のラインに並ぶのは3人まで、同じ縦のレーンには2人まで、という約束です。ビルドアップではセンターバックが左右に開き、アンカーが相手FWの背後に顔を出して三角形をつくります。ウイングはタッチライン際に張って相手の最終ラインを横に引き伸ばし、空いた内側にインサイドハーフが入り込みます。
位置は固定ではない
区画の約束は厳しいものの、選手がその場に立ち尽くすわけではありません。味方が動けば別の選手がその穴を埋める、という連鎖でローテーションが起こり、相手のマークを混乱させます。決まりごとの中で、どの区画を誰が埋めるかは試合中に入れ替わり続けます。
弱点と対策
半身で受けて次のパスを素早く見つけられる選手と、立ち位置を覚え込むための長い練習時間が欠かせません。また、横に大きく広がった陣形はボールを失った瞬間に内側が空きやすく、カウンターに弱い面があります。そのため即時奪回(ゲーゲンプレス)や、攻撃中から後方に人数を残すレストディフェンスと組み合わせて使われるのが普通です。
生まれた背景
原型はリヌス・ミケルスがアヤックスで持ち込んだ考え方にあり、ヨハン・クライフがバルセロナで発展させました。1970年代のアヤックスとオランダ代表の「トータルフットボール」も、同じように位置の入れ替えを重んじていました。クライフの教え子であるペップ・グアルディオラが、この考え方を現代のトップレベルに持ち込み、マンチェスター・シティで大きな成功を収めています。
使っているチーム
マンチェスター・シティ(ペップ・グアルディオラ、2020-21)
センターバックが開き、アンカーが相手の第1ラインの背後に立つ三角形でビルドアップしました。手ごわい相手にはサイドバックを内側に絞らせて中央を固め、ボールを持ち続けることそのものを守備の安定にもつなげています。
戦術ボードで試すときの見どころ
4-3-3を並べて、横一列に4人以上、縦一列に3人以上が重なっていないかを確かめてみてください。ボールを持つ選手から、常に2本以上のパスコースが見えているかが見どころです。
戦術ボードを開く(無料)よくある質問
- ポゼッションサッカーと同じ意味ですか?
- 近いものですが、ボールを長く持つこと自体は目的ではありません。立ち位置で優位をつくって前進することが狙いで、その結果として保持率が高くなる、という順番です。
- 選手に自由はないのですか?
- どの区画を埋めるかの約束は厳格ですが、誰が埋めるかは味方の動きに合わせて入れ替わります。決まりごとの枠の中で、選手が判断し続けるスタイルと考えると分かりやすいでしょう。







